アニメ【烏は主を選ばない】 第7話「転落」感想・素敵な長束と引く手あまたの雪哉に覚悟の白珠 | 占いworld♡エンタメ部

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南家浜木綿に入内の辞退を要請する北家白珠。入内は北家の悲願。入内辞退の見返りに名誉以外の利益を譲るとの言葉。協力して家の利益を得るか、秘密をばらされ何もかも失うかを浜木綿に突きつけます。「選択の余地もないだろう」と答える浜木綿。その様子を陰から見ている女房苧麻。この後、白珠は東家のあせび姫を潰すとつぶやくのでした。

 

 

人払いされた南家朝宅室内。登殿している南家の浜木綿が南家当主に似ていないと言う若宮。当主融は浜木綿は養女。しかし、南家直系であるのに間違いはないと言います。若宮は当主融に、年頃の娘がいるのに彼女を嫁がせたくない理由とその判断をした者は誰かを問いただします。回答につまる当主融。

 

長束「養女を迎えて登殿させるのは今に始まったことではありません。南家とその領地を守るという観点から融殿もご判断されたのでしょう」

若宮「つまり私では家も領地も守れぬと」

当主融「いえ、決してそのような」

長束「殿下は少し謙虚になるべきです。私があなたに忠誠を誓うのは金烏として立派に務めを果たされると信じているからです。ですが時にあなたの強引さは目に余る。それでは四家との信頼関係も損ないましょうし、ともすれば山内に混乱を招きかねない。万が一そのようなことになれば、私もしかるべき態度を示さねばなりません。宗家の務めは何より山内の安寧を守ることなのですから。(少し間があって)ご無礼を申し上げました。先に殿下が腹を割ってと仰ったので」

若宮「もちろんだ兄上。率直な意見は歓迎する」

 

若宮は退出しますが、廊下で敦房が控えていました。視線だけを交わす若宮と敦房。若宮が去ると敦房は勢いよく長束と当主融のいる室内に入ります。

 

敦房「私の考えが及ばず申し訳ありません。まさか若宮が来られるとは」

当主融「全く肝が冷えたわ。長束様のおかげで事なきを得たが、うつけの割には妙なところに鼻が利く。花街で襲われたことも身に染みておられぬようだ」

長束「私もそれを案じておるのです。弟は懲りるということを知りません。もちろん私は弟の即位に賛成です。しかし、態度を改めなければまたいつ私の信奉者が私の与り知らぬところで暴走しないとも限りませぬゆえ」

 

ひぇ~、怖いよ長束。

 

当主融「恐ろしいお方だ。ご自分の指一つ動かさず、全てを手に入れるおつもりですかな?」

敦房「恐れながら、長束様に限ってかようなこと!」

当主融「ムキになるな敦房。ほんの冗談だ」

敦房「冗談にしてもあまりの」

長束「敦房!」

当主融「確かにふざけの度が過ぎましたな。失礼つかまつりました」

長束「お気になさらず」

 

釈然としない様子の敦房。ここまで長々と引用させて頂きました。いかにも貴族様の会話という感じなのと、後につながる重要部分と思ってのことです。とは言え長束が腹黒そうでえらくカッコいいと思ったのが私の本音だったりするのですが(笑) 前から長束派だったのですが、原作を読んだことですっかり長束贔屓となりました。ちなみに藍湛イメージはすっかり抜け、長束様として好きです。若宮より長束様が好きです(笑)

 

遅れて南家朝宅に訪れた雪哉は路近に「私の配下になる気はないか?」と勧誘されることとなります。雪哉は路近に「誰の部下になるつもりはない。若宮の近習も1年という期限付き。若宮にも中央にも僕には思い入れはありません」ちょうどそのタイミングで二人のやり取りを見ていた若宮から「雪哉」と声をかけられます。若宮に会話を聞かれバツの悪い雪哉。

 

南家朝宅より、烏は夜は飛べないため、歩いて帰還する若宮、澄尾、雪哉一行。七夕に若宮が桜花宮へ行かなかったことで姫たちががっかりしただろうとつぶやく雪哉。

 

若宮「だろうな。気の毒なことをした」

雪哉「えっ?」

若宮「何だ?」

雪哉「ちょっと意外な反応だったので」

若宮「私は別に桜花宮や七夕を軽んじているではない」

 

若宮は、桜花宮に行かないのは自らが刺客に狙われているだけではなく、姫たちへ危険や不幸の種をなるべく与えないようにするためと答えます。

 

雪哉「隙だらけだよ。他人の心配もいいけどさ。今日みたいにいつだって無茶ばっかして、ちゃんと自分を守んないとあんたいつか死にますよ」

若宮「大丈夫だよ。私は金烏だから」

雪哉「答えになってませんよ!」

 

命を預けることのできる味方もいるという若宮に、雪哉は「誰ですかそれ?」と聞くも、澄尾から「最高機密」と言われます。近習でいるのは1年限りで垂氷に帰ると決めている雪哉は、聞いたら帰れなくなるのでその味方が誰かを「絶対に教えないでくださいよ!」と澄尾に言うのでした。どこか悲しげな表情でその様子を見守る若宮。

 

雪哉はあらゆるところで引っ張りだこ。若宮に質草として放り込まれた谷間、南家の路近、そして筆頭はなんと言っても若宮。若宮は雪哉にずっと近習でいて欲しいのですよね。もうそれは本当に、たぶん切実に。

 

宗家女房の早桃から受け取った手紙を滝口で読むあせび姫。そこに白珠が現れ、若宮からの文だと詰め寄り、「文泥棒」もあせびだと決めつけます。文をあせびから取り上げようとした白珠はあせびから平手打ちをされます。

 

あせび「ごめんなさい。わざとじゃ」

白珠「その顔。私は汚いことはなーんにも知りませんという顔があたくし虫唾が走るほど嫌いです!」

 

予告の平手打ちはあせびだったのですね。白珠に突き飛ばされ、水に沈むあせび。それを引き上げたのは西家真赭の薄でした。「どういうつもりですの?」と問いただす真赭の薄に「あせび様は勝手に転んだだけですわ」と言う白珠。

 

真赭の薄「とぼけないで!このことは藤波様に報告します」

白珠「あら、ではあたくしも報告しますわ。西家と東家が結託し、あたくしを悪者にして北家を陥れようとしたと」

真赭の薄「あなた、何を言ってますの?そんな話、藤波様が信じると思って?だいたい宗家がわたくしをないがしろにするなどありえませんわ」

白珠「おめでたい方。政局はもう変わったというのに。軍事力の北家と経済力の南家。その両家が手を結んだとなれば、宗家がどちらの側につくかは明らかではないですか?」

真赭の薄「北家と南家が?まさか」

白珠「南家はあたくしに入内を譲ると既にお約束頂いてます。お疑いなら浜木綿様にお聞きになれば?お家を惨めな境遇にしたくなければお二人も賢くなられたがよいと思いますけど」

真赭の薄「ふざけないで。あなたのような卑怯者、若宮様が選ぶわけありませんわ!」

白珠「その時はあなた方全員を桜花宮にいられなくしてやるだけです。若宮があたくしを選ぶしかなくなるように。あなた方は若宮に恋をしてここにいるのでしょう?でもあたくしは違います。若宮の気持ちなどどうでもいい。入内は北家の悲願なのです。それを果たすためだけにあたくしはここにいるのですから」

真赭の薄「あなた、それで寂しくはありませんの?」

 

 

白珠「いいえ。そうゆうのは全部捨ててまいりましたから。これは警告です。万が一にもあたくしをないがしろにしてあなた方が入内するようなことになれば、必ず破滅させます。そしてあたくしも、これで喉を突いて死にます。ゆめゆめお忘れなきよう」

 

ここも長い引用となりました。削ろうかとも思ったのですが、白珠の痛ましいほどの覚悟に至るまでのセリフ、何だか途中で削ってはいけない気がしまして。彼女の年齢は原作だと14歳ですよ。アニメもたぶんさほど年齢は変わらないのじゃないかな。お姫様の結婚が家を背負っているのは鉄板だとしても、白珠の入内にかける決意はそら恐ろしいくらいです。命がけですから。ふわふわと夢見ている風のあせびに嫌悪感というか怒りを抱いてしまうのも仕方がないのかなと思います。

 

真赭の薄はあせびを秋殿を連れ帰ります。あせびが東家と文を交わしたことは規則違反だと言う真赭の薄。あせびはどうしても母のことが知りたくて、なじみの下男に文を送ったのだと答えますが、結局母のことはわからず仕舞い。真赭の薄は自らが聞いた話として語ります。東家から登殿した姫は浮雲といい、琴の名手。今上陛下と恋仲となり、入内は確実と言われていた。しかし、今の皇后の策に嵌り、皇后は長束を懐妊。浮雲は入内かなわず、家に戻ることになった。その浮雲の君はおそらくあせびの母で、浮雲の琴も彼女が置いていったのであろうと。

 

また真赭の薄はあせびに次のように言います。白珠の一件は誰にも言うな、大事にすれば相手の思う壺。南家と北家が本当に組んだとすれば、私たちはつぶされるだけではすまないかもしれないと。

 

桜花宮。あせびが文のやり取りを託した宗家女房の早桃が亡くなっているのが発見されます。予告の悲劇とは早桃の死だったのですね。早桃はあせびに東家からの文を届けた際、何かに怯えているようでした。

 

早桃とてもいい子なのに。死人まで出て、お話しは緊迫度を増し、目が離せなくなってきましたね。原作と演出がちょいちょい違うので、大筋は変わらないにしても、どのような描かれ方になるのかとても気になります。ということで、次回も楽しみです!