台南駅から30分ばかり北上すると
新営という駅がある。
午前10時前、町は静か。
駅の西側に小さなバスターミナル。
なんでこんなところにいるのだろう?
そんなつまらない事を考えながら。
でも、こんな空気感が
旅していることの実感。
ガイドブックにはない、
気まますぎる旅。
地図を眺めながらなんとなく。


台湾の小さな町のバスターミナルは
なんとも味がある。
これは台湾の知られていない町を
訪ねてみる時の楽しみ。


とりあえず、
目的地めいた場所に近づいたら、
バスのボタンを押して
ふらっと下車。
近くに市場なんかがあると
それだけでほくそ笑んでしまう。

あっちへ寄ったりこっちでストップしたり。
一向に目的地にはたどり着けない、苦笑。


そして、やっと台湾製糖跡へ。


かつて、製糖が一大産業だった頃、
新営の駅からこの塩水(鹽水)まで、
小さな鉄道が通っていた。


日本でもそうだが、
廃線の跡は静寂が支配する。
このまま伝って行きたい、
そんな気持が同居する。


構内には
製糖工場の跡。


壁だけがわずかに
かつての名残りを留める。


まるで爆撃を喰らったような。

誰もいない、
初冬の暖かい陽射し。
時折、風が鳴る。


使われなくなった駅舎は
いつまで原形をとどめるのだろうか。