ランニング・デビルマン -156ページ目

ランニング・デビルマン

走るデビルマンの平和を守る闘いの記録を綴ったブログ。家庭平和を守る為に、大会参加は少なくなってきましたが…。
大会で見かけたら声をかけてください。

河口湖畔からビッグエイドの西浜小までは約10キロ。
フルの距離を超えてすぐは実際の距離よりも長く感じるのが常。ここは淡々と進むに限る。

すると私設エイドで

『いつ走るの?』
『いまでしょ!』

と書かれた札を持って応援してる人達が!

「いや、もう少し後にとっとかないと…。」

なんてことを呟きながら先へ進む。


いつもなら観光客で賑わう河口湖もこの天気では人もまばらだ。
やがて…
前方にやたらと垢抜けた感じのアメリカナイズされた応援の人が。

「あれ?もしかして東吉さんですか?」
「そうだよ~」

うおおお!高校生から大学生にかけて読みまくっていたPOPEYEの兄貴、そして現在はワラーチでも有名な木村東吉さんではあ~りませんか!

「いやあ、今日は地下足袋なんすよ!」
「うお、すげーなー!」

この時ほどルナサンダルを忘れたことを後悔した事はないが、それでも兄貴と固い握手をかわすと、デビルご満悦のままは先に進む。



今回デビルは荷物預けには一切荷物を預けずにいた。これも経験値が増えたからだろうか?112キロでエイドがこれだけの数あれば手ぶらで走って問題ない事を身を持ってわかっていたからだ。
程なく西浜小エイドに続く坂道に差し掛かると走るのを止めて歩き始める。
エイドで休まない代わりに、この坂道は歩く。

いい加減で適当な作戦しか考えないデビルが、唯一具体的かつ入念に立てた作戦はこの坂は歩くだ。


こうして、西浜小のビッグエイドを必要最小限の補給ですまし、上り坂を歩いて行く。この後は歩きたくても歩く暇など無くなるとはまだ夢にも思っていないデビルなのであった…。


《続く》


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山中湖を抜け、河口湖へ続く道を行く。

ここは基本的には下り基調なのだが、歩道の凸凹があり走りにくい区間でもある。天気が悪かった事もあり、思ったよりペースが上がっていない。


(エイドでの休憩は最小限に抑えてタイムを稼がないと制限時間に間に合わなくなるな…。)


前半突っ込んで後半メロメロになるのはデビルのお約束。どの程度までペースが落ち込むのかまだわからないが、112キロは意外と制限時間が厳しいのでいけるところまでいって、タイムを稼ぐしかない。

関門1の『やきとりふじ』でも自己申告するリタイア者が出ていた。

ある意味賢明な判断であろう。そう思える位コンディションは悪い。早めに切り上げて温かい風呂にでも入りたいという誘惑に負けそうに…なることなどなく、淡々と前を見つめる。



(ここまで濡れてしまえば逆に楽しいかも)


デビル脳内麻薬が出ていたのか?それともこれが俗にいうランナーズハイなのか、何故か楽しくて楽しくてしょうがない。指先が冷え切ってグーパーしないと感覚が無くなってしまうくらいの状態なのに、テンションだけは上がっていた。

(今年こそは本栖湖デーモンを倒す!!)




「デビル~」
「おお!遅かったね」

100キロの部参戦のガッチャごんに遂に捕えられる。あっさり追い抜かれ、あっという間にその姿は視界から消えた…。やはり彼は一般人ではない。デビルのような弱っちい一般人からみれば雲上人のようだ。そんなエロやんちゃ貴公子から『師匠』と呼ばれるのは如何なものかと思うが、正装ランナーとして先輩だし、まあそれはそれでいいか!とも思う。


やがて…

富士五湖名物おにぎりエイドに到着。
熱い味噌汁に水を足してぬるくし、おにぎりを頬張るとそれで流し込み歩きながら食べる。文字にするとえらくお行儀が悪いが、これがロスタイムを最小限にする方法なのだから致し方ない。




河口湖に向け信号を右折するポイントでは、女性ランナーが赤信号にひっかかって誘導員とお話中。どうやら直進の信号が赤だから右折の青信号を先に渡らせて欲しかったらしい。


「こっちの信号渡らしてくれんのやって、なんか言うてデビルマン!」
「まあまあ、先は長いんだから急いでもしょうがないじゃん。焦らず行こうよ。」
「なんか偉いいい人やな、デビルマン…。」


いい人…違うな。

焦らずゆっくりと、でも立ち止まることなく進み続ける。自分に言い聞かせるように言葉を発しただけだ。
俺はいい人なんかじゃない。ただ自分が完走したいというエゴだけで走っているだけだ。悪コンディションの中走り切ったという称号が欲しいだけだ。俺のことを師匠なんて呼ばない方が良いと思うぞ…。





こうして、フルの距離を超えて河口湖畔へと突入していった…。


《続く》


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雪の積もる暗闇の中、電飾ウィングが怪しく光る光景が見られるのは富士五湖112キロだけの特権だ。

視界が悪く、足元は溶けた雪と降り続ける雨でぐしょぐしょ。水溜りを避けるように走るもののそんな小技はあまり意味が無い。あっという間に力王はびしょ濡れ…。

とはいえ、サンダルに比べれば明らかにその保温性は高い。しかも作業現場で絶大なる信頼を寄せられるグリップ力はこのコンディションでも威力を発揮!


(このチョイス、我ながら逝けてる!)


次第に明るくなっていく山中湖へ向かう道でその気温の低さに既に指先の感覚はなくなってきた。
それでもデビル体内の炎は燃えている!

(ガッチャごんからどこまで逃げられるか…。)

それだけを考えて序盤を必死に駆けて行く。いつもなら富士山の写真を撮るためにカメラがずらっと並んでいる忍野八海にも、流石にこの天候では人はいない。
山中湖周回にはいる前に、既に100キロのトップ選手に追い抜かれて行く…。デビルのような亀ランナーではどれだけ頑張ったところであの領域には辿り着けることは出来ないだろう。それでも何がデビルをここまで突き動かすのか?



山中湖周回に入って暫く行くと、おぬしも悪よの~の悪代官発見!

「先に行きます!後で抜いてください!」

そう声をかけると先行する。


それにしても寒い…。山中湖畔の道路にある電光掲示板では


0℃


の表示。一気にやる気は無くなるが、きっとこれもデーモンの仕業に違いない。寒いのは気のせい気のせいと魔法の言葉を呟きながら進んで行く。
やがて…

「勝手エイド」

と名付けられた移動式私設エイドが現れた!

「いやあ、寒い寒い!」
「あったかい飲み物もあるよ。何飲む?」
「とりあえずビールを」
「寒くても飲むんかい!」

と言う会話を交わし、デ・ビールを頂く。

「うんめ~!!」
「そうかいそうかい、早朝から飲むビールは美味いかい?」
「最高だよ。」
「そういえば悪代官は18キロでリタイヤするってメールが来てたよ。」
「マジっすか?」

あの百戦錬磨の悪代官がリタイヤするとは、この寒さはやはり気のせいではないのだ。更に激しさを増すデーモンの攻撃にデビル武者震いせずにはいられないのであった…。


《続く》


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『力王たび』(ファイター)
独自の足型の使用により、均一な仕上がりと伝統的なたびの製法がうまくマッチしました。力王ファイターの安全性、機能性は全国の作業現場で絶対の人気を博しています。実力・人気ナンバーワンのご愛用を頂いている作業用地下たびです
(株式会社力王のHPより)


米Amazonでも大好評の商品、たび界の超ベストセラー12枚コハゼを地元のホームセンターで手に入れるとデビルの戦闘スタイルは決まった。
色を合わせるために水色のテーピングを貼ったりしてのプチカスタマイズを施し、後は明日に備えるのみ…。


「なんか普通に雪が降ってきてるね…。」

チームの皆で晩御飯を食べていると4月とは信じられない位の外の景色。
気を紛らわすために、第3の麦酒を3本ほど空けてから大盛りライスをお腹に納め、宿に帰って早めの就寝…。



と思ったら上階の若者達が大騒ぎしてて眠れやしねえ!


「よーし!このまま朝まで騒ぐぜえ!!」


(はいはい、今時の若いのにそのまま朝まで騒ぎ続けられるだけの体力があったら大したもんだ…。)

と思ってたらすぐに静かになりましたけどね。ホントあいつらとっ捕まえて112キロ走らせてやりたい衝動に駆られましたが、そこは肝の座った大人なデビルマン、起床時間までお休みなさい…。






そして2時起床。

雪は積もり、雨に変わっているものの気温は低くコンディションは最悪。twitterをみると開催中止のつぶやきまで飛んでましたが、公式サイトでの開催決定を確認するとついに2年ぶりの富士五湖へ満を時してのデビル降臨!!

そして駐車場からのシャトルバスではこれまたお約束の

周りのみんなが完全無視攻撃…。


そんな中、スタート地点の富士北麓公園に電飾デビル遂に遂に参上!!

去年肺炎でDNSだった無念を晴らすために、本当は天気悪かったから走らなくて良かった~なんて思ったら去年以上の悪コンディションというおそるべき富士五湖デーモンの攻撃を喰らいつつ、ユニクロ祭りで買った3000円ちょっとのウルトラライトダウンを着込み、足元は力王ファイターで固めるという子供3人を養わなければならないデビルの精一杯の装備で闘いに挑む!

恐らく気温は氷点下、ぐちゃぐちゃの陸上競技上に集まったおかしな人達は地味なゲスト、岩崎恭子に見送られながら遂に過酷な旅に出発した…。


《続く》


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チャレンジ富士五湖はデビルのウルトラの原点だ。

初めて走ったウルトラも、初めてDNSしたウルトラも、初めて100キロ完走したウルトラも、初めて100キロ超えしたウルトラも、初めてDNSしたウルトラも、ウルトラの事はみんな富士五湖が教えてくれた…。

そんなウルトラの登竜門と言えるこの大会、もう、富士五湖は卒業してしまったあの頃のメンバーもいるが、デビルはまだ富士五湖デーモン達との闘いに終止符を打てずにいる。

112キロはかなりタフなコースなのだ。


そして今年もまた、富士の麓へ向かうのだ。




決戦の地に向かうバスの中では同じチームの人と一緒に酒盛りが始まっていた。そんな中、話題は自然と明日のシューズの話に。

「明日はソールが厚いのがいいか、薄いのにしようか…。」
「まあ、薄いどころかこちとらサンダル…

ああ!ルナサンダル忘れた~!!

いきなり出だしから風雲急を告げる展開。まさかのシューズ忘れた事件勃発に富士五湖デーモン達がほくそ笑んでいるのが見えた気がした。


「まあ、なんとかなるでしょ」


人生(悪魔生?)1万42歳も生きていれば肝も座る。って言うかサンダルよりも走るのに適したシューズくらい現地に売ってるよなあと言う根拠のない自信がデビルにはあったりして。とはいえ、富士五湖のコースは結構荒れているところも多いし、雨の中リアル裸足っていうわけにもいかんしなあとちょっと考え込んでましたけどね。


風雲急を告げると言えば、すでにこの頃から雨が降り始めてきた。天気予報よりも早い降り出しがデビルを不安に陥れる。
昨年はDNSのために遭遇しなかった雨デーモンが待ち構えているのだ…。

(厳しい闘いになりそうだ…。)



そうこうしているうちに受け付け会場に到着し、NBブースを物色していると、ミニマスのブルーを発見!



そして恐る恐る値札を見てみると


12,000円也


子供3人を養わなければならないデビルにとってみたら大金だ…。しかも多分この大会以外で履くことも恐らくないであろう靴に大枚はたいてなどいられない。
この瞬間、デビルの心は固まった。


「ここら辺にワークマンはないですかね?」


最早引き返せない地獄の入り口をくぐった瞬間であった…。


《続く》


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