フィギュアスケートの話ですが~~
事故自体は、残念なことで、仕方のない面もありましたが、問題はその後の強行出場~。
感動!称賛!ということもある反面、やはり無謀だったのではないかと。
スポーツのこういうシーンでは、「生命」と「選手生命」という問題があります。今回の羽生選手の場合、頭を打って脳震盪を起こしているわけですから、「生命」の方が脅かされるわけですね。
出るべきではなかった~という意見があるのもそのためで、コーチも当初は「ここでヒーローになる必要はない」と棄権を説得したそうですが。
もちろん最終的な判断は、本人とコーチが決めることではありますので、、、
私達の世界でいうと、駅伝~特に箱根駅伝では、よくこういうシーンが見られますね。突然、選手がアクシデントで走れなくなる…。タスキがつながらない!!!
熱中症や突然の疾病であれば、「生命」に関わってきますので、タスキやチーム成績がどうこうでなく、監督がやめさせるべきであるのは当然のことです。本人は既に判断力を失っている場合がほとんどですので。
が、脚の故障等の場合は、判断が難しくなりますね。本人はもちろん自分の意思で最後まで走ろうとします。
この場合、「生命」には影響しませんが、無理をすることで故障を悪化させ、「選手生命」の方に影響することがあります。
まだ学生ですから、「ここで無理をして走れなくなったらどうするんだ!」というのがリタイアを選択する正当な理屈となるでしょう。
しかし、本当に難しいのは、「選手生命」には、脚だけでなく、心の問題もあるということです。脚はすぐに治っても、母校のタスキをつなげることが出来ず、多くの人に迷惑をかけたということで、精神的に復帰できなくなってしまう選手も決して少なくありません。また、そのトラウマが思わぬ形で出るようになってしまうこともあります。
野球でも、大事な試合で自分のエラーで負けた選手が、その後「守れなくなる」ということがあるようですが、それに似たことが、けっこう起こるのです。
それなら、ちょっとの故障なら、最後まで走らせた方が良いのではないのか…という考え方もまた出てきます。
ロス五輪の女子マラソンで、熱中症でフラフラになりながらもゴールしたアンデルセン選手は、大きな感動をもたらしましたが、やはり「あれは、やめさせるべきだった」という声は根強くあります。(もちろん、現場のドクターの判断で継続が認められていたのですが)
ただ、アンデルセン選手自体は、オリンピックという晴れ舞台で完走出来たことに大変満足していますし、その後の人生にも大きく影響していることでしょう。
もちろん、結果的に無事であったからこそのことですが、あれをゴール10メートル手前でストップをかけるというのは、出来そうで出来ないですね。コーチも審判もドクターも。