鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ -26ページ目

鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。


 NAHAマラソン、女子の部では、ピーちゃんコーチが3年連続3度目の優勝!!


 …とはいえ、練習レースです。今シーズン、フルの練習レースは、これが3本目となります。



 練習レース


 練習だと思って、全力で走るレース…ではありません。まあ、5Kmや10Km、ハーフなら、そういうこともありますが、フルの練習レースを、いちいち全力で走っていたのでは、身体が持ちません。


 いや、それよりもなによりも、おかしなタイミングで、おかしな負荷をかけることで、トレーニング全般の流れが途切れることの方が問題です。


 練習なんだから、練習の流れの中で、適切な負荷をかけることが大切ですね。


 川内選手なんかのやり方は、また別に考えないといけませんが、一般には、「練習だと思って頑張って走る」のではなく、本当に「練習の一環」として、その目的、課題、効果を考える必要があります。


 フルの練習レースの場合、それは~


 ・42Kmロング走として、通常のロング走のステップに沿ったペース設定をして走る。


 ・ロング走よりは速いものの、失速しない程度のペースで、後半~終盤を頑張って押していく練習として走る。


 ・目標レース4~6週間程度前の仕上げのロング走として、目標レースペースよりも10~15秒/kmほど遅いペースで走り通す。



 といったような取り組み方が考えられますね。実施のタイミングによって、その目的を考え、それに見合った適切なペース設定をしていくことになります。



 今回、ピーちゃんコーチがどれを選択しての取り組みであったのかは内緒ですが、ペース設定は、直前まで、ああでもないこうでもないといろいろ検討を重ねました。この日までの練習の流れと、この後の練習の流れを考えないといけないですからね。


 日本男子マラソン界が抱える課題を、1つ1つおさらいしたような厳しい結果、内容でしたね。


 3分00秒/kmペースに、いっぱい着いて行けるようになったのは良いのだけど、ペースメーカーが外れると、とたんにペースダウン…。


 川内くんがいれば、このへんで、無謀かと思えるような身を削る仕掛けでペースが上がるのですが、それがないと外国選手頼み…。


 ペースダウンして、一息つかないと、後半は走れないばかりか、一息ついても別にペースが上がるわけではない…と。


  とにかくまずは3分00秒/kmで30~35Kmまではみんなで押せるようにしていかないと、、、

 それでも世界には遠いですが、まずはそこから底上げしていかないといけないでしょうね。

 もはや、アフリカ勢のスピードに立ち向かう!~なんてのは直面する課題ですらなくなっていますので。


 今回に限っては、ペースメーカーが序盤でちょっとしくじったのを中盤までにつじつま合わせで取り戻そうと無理をして、結果的に「横浜」の野尻選手みたいに脚を使っちゃったところもあるのですが、それにしても、あの条件で、あの30Kmの通過タイムで、あの結果なのかと、、、

 

 



 そのペースメイクは、日本人の方が上手いので、学生でも若手実業団でも、5~6人出して、3分00秒/kmきっちりで、行けるところまで行けぇ!~って、やっても良いのに。



 あと、期待のスピードランナーは、今回も残念でした。。。

 これはもう、構造的な問題か~。



12月1週目の練習会は、例年、ちょっと状況が変わります。



 ・11月中下旬のマラソンレースが終わった後で、一服感が強くなる。


 ・若手を中心に、コーチングスタッフ多数が「福岡国際」に出場するため、こっちが手薄になる。


 ・寒い!



 てことで、スタッフの確保も大変ながら、参加者も、そう多くはない…ということになるもので、今年も、70名前後のご参加を前提に、いつもよりかなり少ない6グループ編成という、小規模体制での開催でした。


 が、蓋を開けてみると、参加者99名と、走り込み期並み。てか、もう2本目に向けて、走り込みを再開した方が多いのか?


 もちろん、「大阪国際女子」組、「勝田」組は、もうバリバリです。。。


 6グループで99名は、正直、ちょっとしんどく~それぞれのグループの隊列がかなり長くなってしまいました。。。


 この時期=1本目が終わってから2本目の再開という局面では、<脚のつくり直し>ということで、低強度モードの走り込みからやり直すことになります。


 気持ち的には、1本目で徐々にステップを上げてきた、その続きからやりたくなるものなのですが、そこをグッと抑えてペースを落とし、じっくり・ゆっくりから。


 <地盤沈下>といいますが、夏の基礎的な走り込みで培った基礎の脚は、その後の本格的な走り込み・仕上げ・調整・レース・その後の休養~という過程を経て、だんだん薄くなってくることがあります。


 上に高く積み上げていくわけですから、いちばん下が沈み込むのは当然。ただ、全体の高さは徐々に上がっていくので、それに気付かないことがある~それが地盤沈下です。



 このまま更に、上に上に!~とやっていると、地盤は更に沈み込んでいき、今度は高さそのものが保てなくなってくることがあります。2本目で失敗するのは、たいていコレですね。




 この再開過程~LSDが思ったほど楽じゃない/ロング走のペースを落とすと、かえって怠くなる/楽に走るつもりが、意外と脚を残せなかった~等々のことがある場合はご用心。


 ここ数週~年内くらいの課題は、この地盤沈下対策の脚の作り直しに徹するべき!!という人はたくさんいるはずです。

 


 今年もランナーズ賞です~。


 受賞者は4組。


 山地啓司先生は、このランニングの世界に、スポーツ科学とか運動生理学とかいう概念を持ち込んできた、とんでもないレベルの功労者です。


 ランニング学会の前身に、「中長距離走研究会」というのがあったのですが、私も20代の頃から、本当にその末席の末席に参加させていただいていていました、、、

 

 当時、既に大御所であった山地先生は、神か仏かという存在でしたが、私達若手(当時)に対し、本当にご丁寧&ご親切にご対応いただいて、、、ムチャクチャたくさんのことを教えていただきました。


 最大酸素摂取量とか、今では誰でも知っていることかと思いますが、当時、そういうのがあるんだよ!!というところから、私たちに本当に分りやすく説明してくださったものです。


 ATとか、高所トレーニングとか、心拍トレーニングとかとか、、、

 新しい概念を見つけてきては、私たちペーペーと、大真面目な議論をしてくださって~。


 私たちは学はありませんでしたが、現場の経験はそれなりのものがあったわけで、そういうことを尊重してくださったり、良い意味で面白がって話を聞いてくださいましたね。


 受賞パーティーは今年もとんでもない人混みで、なかなかご挨拶にもうかがえなかったのですが、ほろ酔い気分でフラフラしていたら、先生の方から見つけてくださって~


 たぶん10年ぶりくらいだったのですが、「アナタ(=先生の口癖)、今、何してんの?」と~。


 これこれこうで、こういうことでご飯食べてますとご報告すると、非常に喜んでくださいました。 


 


 ランニングライターの夜久弘さんは、この世界にいると、誰でもいつの間にか自然に知り合いになっているという不思議な方です。


 とにかく人当たりが良く、分け隔てをしない~。

 やはり私たちのような現場の人間の話をよく聞いてくださり、その何倍もいろいろな話(主にウルトラマラソン関係)を聞かされたものです。


 がんを患い、車いすでの登壇でしたが、「闘病とウルトラマラソンは似ている。だから頑張れる」という、お言葉に、本当に涙が出そうになりました。


 夜久さん、必ず復活してくださいね!!



  受賞者ではありませんが、ゲストの野尻あずさ選手とちょっとお話しできたのも収穫でした。


  ここ1年くらいでだいぶフォームが変わったので、そのことを聞いたら…ここから先は公表できません。。。

 






 


 23日は、マラソン・デーと言えるくらい、たくさんのフルマラソン大会が開催されました~。


 私は「つくば」のeA陣地の荷物番として、いざ!現地へ~。特にすることはありません…。



 短くて、暑くない夏を過ぎしたシーズンは、秋のレース日だけ気温が上がるというアマノリー・ジンクスの通り、「湘南国際」に続き、快晴の高温レースになってしまいました。


 スタート時で20度~徐々に上がり続け、24度近くにまでなったようですね。。。



 こうなってしまっては、走力の発揮率も著しく落ちます。上位記録もかなり悪く、入賞ラインが、「へっ?」っていうくらい低くなりました。。。

 サブスリーレベルでも、3~4分くらい悪いのが普通だったんじゃないですかね。



 で、例年なら、このくらい暑くなると、もう壊滅状態になっちゃうのですが、今年はだいぶ違いました。


 やっぱり、数年ぶりに条件の良かった夏にしっかり練習出来て、秋から順調に積み上げてきた効果か、大崩れすることもなく、相応にまとめてタイムを出してくる会員さんが続出!


 けっこう自己ベスト更新とか、セカンドベストとか、3時間13分に上がった大阪国際女子マラソンの参加標準記録突破者とかとかが出て、大収穫となりました!

 


 とはいえ、マイナスがないはずはなく、もっと出ていたはずだけど、今日はこのくらい~的な「好タイム」です。80点でも合格点!という感じでしょうか。



 一方、100点満点狙いで玉砕してしまった方もいないわけではありません。


 目標を100から80に引き下げるというのは、体感優先で設定ペースを落とすことに他ならないわけですが、100を出してはじめて目標を達成出来る~という、ギリギリチャレンジの場合は、下方修正の余地がなく、こういう悪コンディション下では、イチかバチか!になってしまいます。


 まあ、正直なところ、達成確率はけっこう低く、押すだけ押して、大潰れする…というパターンになりかねませんね。


 また、コンディションが悪いだけに、潰れると、奈落の底まで落ちていきます。こうなるともう、○分悪かった…とかいう問題ではなくなります。どこまでも、どこまでも、、、


 

 良かったけど、ちょっと残念な「つくば」でしたが、この条件でこれだけ走れれば、次が楽しみ!ということもありますね。




  「大田原」は、あの難コースに加え、お得意の強風で、それこそ壊滅だったとか、、、

 あそこは本当に難しいです。。。




 今朝、起きたら、絶好のコンディション~!


 あ~あ、今日だったら…と言ってもはじまりませんね。。。