いや、凄いな~。
鈴木雄介選手~。世界の一線にいることは確かで、世界陸上や五輪のメダル候補にあがっているとはいえ、突然、世界新記録樹立とは!!
70~80年代、日本の競歩人口は全国で200人くらいと言われていて、その大半が石川県に集中していたとされています。
鈴木選手も石川県出身ですが、今も昔も、日本競歩界のメッカであるわけですね。
当時、私の出身の神奈川では、県選手権の10000m競歩の出場者が2~3人でしたので、全国で200人というのもあながちいい加減な数字ではなかったのでしょう。超マイナー種目でした。
80~90年代には、びわ湖毎日マラソンの併催で女子の5000m競歩をやっていましたが、これに出場する30人程度の選手が、日本中にいる女子選手のほぼ全員だったのではないかと思います。。。
競歩の不人気は、64年東京オリンピックの記録映画の中で、お尻フリフリのユーモラスな描き方をされたことで、国内では「カッコ悪いスポーツ!」という烙印を押されてしまったからだという説があります。ヨーロッパでは古くから「美しいスポーツ!」としてけっこう人気があるんですけどね。
以前の競歩選手は、長距離の選手が故障して走れなくなったり、練習に着いて行けずに脱落していくことで、消去法の選択肢として転向するというケースがほとんどでした。「長距離崩れ」なんていう言い方で揶揄されることもあります。。。
それがその後、普及と強化ということで、関係者の方々のご尽力でインターハイの実施種目となったりしてジュニアの強化に時間をかけて取り組んできたわけです。鈴木選手も、中学から競歩を始めたということですが、昔では考えられないことです。
また、技術面ではけっこうイケているのですが、トレーニング法が確立していない~というのが日本競歩界の長年の課題でもありました。代表チームは競歩先進国のメキシコやスペインなどで合宿を張り、地元の選手と一緒に練習したりと、本当にいろいろやってきたのですが。
革新的な変化が起きたのは、先を行くマラソンのトレーニング法を取り入れてからです。マラソン自体は今はこんなになってますが、そのノウハウは競歩に生かされ、もともと高いレベルにある技術面とあいまって、世界の一線に出てきたということがあります。
鈴木選手も談話の中で「負荷の低い練習の反復を重視」というようなことを言っていましたが、まさにマラソントレーニングの核と同じですね。
あまり知られていないかも知れませんが、鈴木選手だけでなく、日本には世界に通用する選手が何人もいます。
世界新記録を出した鈴木選手でも、日本選手権では高橋英輝選手に敗れているくらいですから。(この時は高橋選手が日本新記録)
そういうライバルの対抗心があってこそ、世界で通用する!というのもありますね。あああ、男女ともにマラソンも昔はそうだったな、、、

