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鈴木 彰の ミドル・シニアランナーのためのランニングブログ

@runnerのCEO、e-Athletesヘッドコーチの鈴木彰が、なるべくプライベートな部分は避けつつ、主に概ね40歳以上のミドル・シニア(中高年!)ランナー向けにランニング関係のあれこれを綴ってみようかなってとこです。

 

 女子10000m決勝

 

 広中璃梨佳選手、見事な7位入賞でした。しかも、またまた自己ベスト!

 

 5000mが9位なら、10000mは入賞もあるか!?という期待はしつつも、やはり出場メンバーを見ると、ちょっとビビリます。。。

 

 序盤はスローペースになることを嫌い、積極的に前に出て―と、ここまでは想定内ですが、今回はそれ以上にイケイケ!気味になってた感じですね。こういうのは失敗することもあるのですが、今回はそのまま本当に行ってしまいました。

 

 決してコンディションが良いわけではないので、それで自滅した有力選手がいたのも確かです。一方で廣中選手は、後半、粘りに粘り、その悪コンディションの中でハイレベルのPB更新はやはり凄いですね。秋冬になったらどんなタイムを出せるのか!?

 

 注目の新谷仁美選手は体調不良だったとかで残念な結果でした。「結果がすべて」というのが信条ですから、さぞかし悔しい想いをしたことでしょう。

 

 安藤友香選手は正直、あのスピードレベルのレースになると厳しいのですが、行けるところまで行く・潰れても粘る~で、内容的にはタイム以上の評価ができるかと思います。この経験というか、ここまでスピード強化できたことを本職のマラソンにいかしてもらいたいですね。

 

 男子1500m決勝

 

 5年前のリオ五輪とは打って変わってのハイペースな展開となりました。

 準決勝で五輪新記録をマークしたキプサング選手がラストで競り負け、メダルにも手が届かないという大波乱!…てか、これが1500mの醍醐味です。ガツガツに競って、最後まで分からないのです。

 

 結局、ノルウェーのインゲブリクトセン選手が、更に五輪記録を更新して金メダル!4着まで3分30秒切り!

 陸の格闘技のいちばん面白いところを見ることができました。

 

 

 

 女子マラソン

 

 午前6時スタート。聞いてない…。

 

 ケニア勢主導のレースになった感じですね。

  ケニア勢主導=主力選手が皆、ケニア勢の動向を見て、それに合わせるレースをするということで、誰もがハイペースになることも、スローペースになることも、どちらも想定していたのでしょう。

 結局、超スローペースで始まり、気温が上昇していくにつれペースもまた上がるという厳しい展開。おそらくは小さな上げ下げによる揺さ振りが何度もあったのでしょうが、それはテレビ画面で見ている限りでは良く分かりません。(この点は、「クリール」の方で解説しています)

 

 この展開に徐々に集団が崩れ、1人1人落ちていくという、ある意味オーソドックスなサバイバルレースとなりました。主導するケニア勢も1人落ちてしまいましたが、残りの2人が強いので他の選手は後半のハイペースには着いていくのがやっとという感じになりましたね。

 

 ケニア勢はかなり頻繁に水と氷を取って体を冷やしており、暑さを相当気にしているようでした。アフリカ選手だから暑さに強いというわけではないですね。エチオピア勢はむしろ暑さに弱く、五輪や世界陸上のマラソンでは途中棄権の例が少なくありません。

 

 じわじわペースを上げ、切り崩しを図った上で最後はケニア2人のマッチレース。普通だったら世界記録保持者のコスゲイ選手の方が強いのでしょうが、ラスト勝負のスパート合戦になると、スピード的に勝るジェプチルチル選手の方に利があったという感じです。

 

 日本勢は、一山麻緒選手が4大会ぶりとなる8位入賞!かつての栄光から、常にメダルが期待されてしまうのですが、昨今の情勢と今回のメンバーから考えると、かなり立派な入賞です。とにかくずっと入賞出来なかったのですから。

 サバイバルレースですから、30㎞あたりから切り崩されてしまった形でだいぶ失速もしましたが、それでも大崩れすることなく粘りましたね。

 

 この8位入賞もいろいろな絡みがありました。3位争いをしていたイスラエルのサルピーター選手が突然立ち止まり、脱落。後ろの選手は順位が1つずつ繰り上がった形となりました。

 サルビーター選手はケニア出身ですが、アフリカ系の選手は往々にして、「メダルを取れない…」と判断すると戦意喪失し、こういうことをします。(これも「クリール」で解説しています)

 リザルトを見ると、アフリカ勢やアフリカ出身選手がけっこうDNFになっていますね。これは暑さのダメージの影響ばかりではないでしょう。

 

 男女ともにマラソン界を席巻するケニア勢ですが、かつてはどんなに層が厚くても、五輪や世界陸上の代表は3人だけ!エチオピア勢を含めても6人しかいないし、全員が好調ということもないのでチャンスはある!というのがありました。けっこう自滅もしてくれますので。ロンドン五輪で中本健太郎選手が6位に入賞した時もそういう感じでしたね。

 

 ところが近年は国籍変更をしたケニアやエチオピア出身の選手が多数、違う国の所属で世界ランキングの上位に顔を出すようになっています。卓球の中国出身選手と同じ構図ですね。今日の先頭集団を見ても、ユニフォームの違うケニア人選手が何人走ってんだ!?という感じでした。アジア大会ですら、そうですから…。

 

 こういう状況においては、以前よりも8位入賞のラインがかなり厳しくなってきます。男子のように、今後はウガンダ勢もマラソンで台頭してくることも十分に予想されますのでなおさらですね。

 

 そんな中、非アフリカ系では、アメリカのセイデル選手が銅メダルを獲得したのは驚きでした。とにかく最後まで崩れなかった…。サルビーター選手もこの人には勝てないと思ったのでしょうね。

 まだ実績のない新鋭のようですが、今後、いろいろな意味で注目を集めそうです。(選手村の部屋のエアコンの、英語訳版リモコン取説をインスタにあげて話題になった人です)

 

 

 

 オリンピックや世界陸上のマラソンの展開を予想するほど無駄なことはありません。何が起こるか、分からな過ぎるのです。

 

 予想通り、期待通りになったのは、シドニーでの高橋Qちゃんとシモン選手の一騎打ちくらい。アテネで野口みずき選手が絶対女王ラドクリフ選手を中間スパートで粉砕するとはいったい誰が予想したのか―。

 

 なぜ波乱が起こるのか―。

 そもそも近年のマラソンは、気候やコースといった条件を整え、ペースメーカーを付け、高速モードでのタイム争いを演出してきました。

 それはそれで良いのですが、それと五輪や世界陸上のマラソンはけっこう違います。少なくても野球選手がソフトボールの試合に出るくらいのー。場合によってはテニス選手がバドミントンの試合に出るくらいの違いが生じていることでしょう。いずれも、ソコソコはこなすかも知れませんが、優劣の序列が違ってくるのです。

 

 高温下、ペースメーカーなしの条件下では、スローペースの展開になるか、あるいはイチかバチかで先行して逃げを打って出る選手が出るような可能性があります。

 実際、五輪・世界陸上で、ダークホースが先行して逃げ切った事例は男女ともに1回や2回ではありません。だから分からないのです。

 

 予想をしようと思えば、これまでの実績、ベストタイムを基準にあれこれ語るのでしょうが、それが通用しないのです。なんでもありですね。

 

 

 

女子1500m決勝

 

 田中希実選手、8位入賞!!!!!!!!!

 

 ありえん!…と言ってはいけないのでしょうが、もう、漫画の世界、「キャプテン翼」、「奈緒子」「スプリンター」「デカスロン」レベルです。

 

 決勝に進出しただけでも超歴史的な快挙ですが、まさか入賞を果たすとは、、、しかも、再度の3分台!!!

 

 スローペース予想でしたが、三冠狙いの女王ハッサンが想定外の積極的展開!ガンガンレースになりました。

 田中選手は、経験したことのないハイペースに、着く、着く!!さすがにこのハイペースでは、ラストの余力を残せるはずもなく、伸びは今一つでしたが、粘る、粘る!!!!え? あ? うぉ!!の8位フィニッシュです。もう、泣くよ、本当。。。

 

 最後は、優勝争いの方ではなく、テレビ画面の左端に田中さんが現われるのをガン見状態で待つ感じでした。

 

 日本は、多くの種目でたくさんのメダルを獲得していますが、この種目での決勝進出・8位入賞は、過去にないどころか、少なくても向こう20年くらいは無理だろうと考えられていたくらいです。あああ、凄い、凄い、凄い!!!

 

 この業界の人は皆、お母様の千洋さんに連れられて大会会場に来ていたヨチヨチ歩きの頃の彼女を知っています。私も、ジーッと見上げられたので、ニコッと返したら、プイッとソッポを向かれ、グワ~~ン…!となったことがあるのを覚えています。あああ、あの子が、、、、、、、、やっぱり泣くよ、これ。

 

 5000mは入賞の可能性アリ!と思っていたのがまさかの予選落ち。こっちの1500mはかなり厳しいだろう~予選落ちもアリと思っていたのが、な、なんと入賞!本当に予想のつかない規格外の選手です。今後、いったい、どこまで羽ばたいていくのでしょうか。

 

 

 

  

 男子1500mは、キプサングがオリンピック新記録で1位通過!という、やっぱり、オモシロ・トンデモ準決勝になりました。良し悪しは別として、こういうんだよね、オリンピックは~!

 

 決勝、どうなるんだ、やっぱりスローペースか?キプサング、も一回行くのか??

 

 

 

 

 男子50km競歩は、川野将虎選手が6位入賞!

 20km競歩よりも有力とされていただけに期待も大きかったのですが、やはり暑さの中での消耗戦ということで、いろいろありましたね。

 

 女子20km競歩も日本勢は入賞圏内と言われつつも、後半~終盤にかけて力尽きた形となりました。

 

 どちらも、伏兵が金メダルを獲り、有力選手が脱落したり、ペナルティを受けたりで波乱の展開となりました。スローペースからの終盤勝負という展開になると、持ちタイムが良いだけでは闘えない…という現実をまざまざと証明しましたね。

 これは、マラソンの展開にも同じことが言えるでしょう。

 

 結果的に20km競歩は男女ともにイタリア勢がアベック金メダルとなりました。競歩強国ではありますが、どちらも本命というわけではなかっただけに驚きです。

 そういえば、もはや伝説ですが、マラソンでアフリカ勢が台頭してくる以前は、イタリア勢は暑さにやけに強い!ということに定評がありました。民族性なのか、なにか暑さ対策の秘策があるのか。

 

 その暑さ対策に関しては、イタリアのみならず、各国ともかなりの対策をしてきたことが伺えます。ドーハの世界陸上でメチャクチャ大変だったことの教訓もあったのでしょうが、給水・冷却のみならず、暑熱順化をかなりしっかりとやってきているようですね。(特にヨーロッパ勢)

 これも、マラソンでも同じようなことがあるかも知れません。意外と、涼しいところでしっかりトレーニングして、1~2週間くらい前に現地入りして短期で暑さに慣れた方が闘える~ということがけっこうあります。