100km。
時速100キロで1時間程度の距離。
恐るるに足らず!!
飛騨高山ウルトラマラソンに参加してきました。
当初は10時間台、なんなら前半、いやいやサブ10!とか
恥ずかしげもなく思ってたんですけど13時間かかっちゃいました。
【完歩記】
どこでも寝られる安眠マン、前日はしっかり20時頃に寝落ちして
23時に寝ぼけて起きるもすぐ睡眠リスタート、
予定通り深夜2時前に起床。絶好調だぜ!
深夜ご飯は道中のSAで購入したでっかいおにぎりと
・・・、あれ、他になに食べたっけ??記憶は絶不調だぜ!
練習経過としては
4月にたっぷり(11回出走、340km)走りこんで
5月にがっつりシンスプリントで潰れ(月間180km)て
6月は当日までノーラン。
当日テーピングしたら多少、ごまかせるかな。
テーピング足りなかったけど。。
ないよりはマシだろうと考えてそのまま出発。
高山駅からのシャトルバスに乗車して会場に到着すると
すでに雨がぽつぽつ降っていた。
いや、乗車する前から降っていたとまで俺は言う。
ウルトラマラソンのスタートは
フルとかハーフみたいにギスギスしてなくて良いなぁ。
時計の電池事情的に記録は取らず(取れず)、
あくまで時計としての役割を全うすべく
腕に巻かれたガーミンが4時30分をしめした。
スタート。
サブ10狙いの仲間がいたので取り合えずついて行ってみる。
聞くとペースはキロ5分を切っているそうだ。
曰く「走れるところはしっかり走らないとダメなんすよ」と。
サブ10やばい、と思いました。
練習が積めていない僕は5km手前ぐらいで
そのペースが速く感じてしまったので少しペースを落とす。
そうこうしているうちに美女高原に差し掛かる、坂だよ。
(高山の坂は2か所のみと主張する流派が存在するが
高山は坂だらけだとまで俺は言う)
とは言え、走れる坂ですので普通に走ります。
特別、しんどいということはない。
なのに、です。
なんか足が攣りそうなんですよね。
そして恥骨筋(調べた)や内転筋が痛くなってきた。
まだ10数km、ペースもキロ5分そこそこ。
なんでだ!?
我がことながら理解が追い付かない。
20km地点の看板を見て歩いた。
鮮明に覚えている、脚が売り切れちゃったよ。
(どうしよう・・・。)
再び走り出すけど確実に足が重くてだるい。
フルマラソンを走って1時間ぐらいジッとした後みたいだ。
上りはまだ我慢できるが下りがダメだ。
この時点で下りをほぼ走れなくなった。
正確にはよぼよぼ走れたかもしれないが
脳みそが痛いのヤダと拒否反応を示してた。
(どうしよう・・・。二回目)
この序盤の下りで歩いてる人なんて皆無。
ただただ抜かれていくのを眺めながら歩く。
残りの距離も相まってなかなか精神的にえぐられる。
走っては歩いての繰り返しなのに
30kmぐらいでいよいよ本格的に脚は攣るし
なけなしの筋肉が痛くてとってもつらい。
走れないよ、おかーちゃん(泣)
絶対、おかしい。
いくら練習不足でもあまりにもドイヒーだ。
ふと思い出した、テーピングの存在。
幸いシンスプリントの痛みは今、ないので引っぺがしてやった。
いつもと違うのはテーピングの有無、
根拠はないがこいつのせいじゃねぇかと思ったのだ。
するとペースはゆっくりだけど
攣り症状も緩和して下りもなんとか走れるぞ。
おやおや、復活!?犯人はお前だったか!!
よーし!さっき抜かれたやまけんさんとなおさんに追いついちゃうぞ。
しかし喜びもつかの間、蓄積したダメージは甚大で
数kmこの世の春を謳歌した後、
二度目の死。(脚的に)
雨もザーザー降ってるし、泣いてもいいかな。
少しでもゴールに近づくべくあゆみは止めないが
先が長すぎて途方もなく感じる。
ゆっくりでも走れないと本当に進まない。
なけなしの気力を繋ぎとめていたのは
途中で追いつかれた僕よりも顔だけはしんどそうな仲間で
彼は彼で僕に追いついて以降は歩いたり走ったりしながらつかず離れず、
たまに一緒に歩いてこれからの道中を憂いたりなんかして
57kmの丹生川の大エイドまで珍道中。

お仲間応援団の前を通過する時だけから元気。
とても痛い。。
そんな彼は57kmの丹生川でやめちゃったので
ここからまたおひとり様での散歩、つまりいっちゃんぽ!だ。
丹生川エイドでは飛騨牛が食べられるのだが2枚も頂いた。
とても美味しかったが実は僕は牛の脂をうまく消化できない。
疲れが溜まっているのもあって、あっという間に胃が痛くなった。
脚以前の問題だ。
そう言えばまだ僕が多少元気だった、かなり序盤で
足柄Tを着たランナーに追いつき
「足柄ファイト!」と声をかけたことがあった。
(どうやら脚に問題を抱えて超絶不本意な状態に陥っていたらしい)
ただその後、僕も頗る順調に脚がお亡くなりになり
丹生川エイドで再び出会ったのである。
運命かも。(ぽっ)
彼は相当、故障を悪化させてたようだけど
このまま止められない、行くと。
丹生川でなお仲間ランナー(ぺん〇けめ!)もリタイヤし、
なんなら僕もご相伴にあずかりまっせ、と
わりと本気で思ってたところだったので渡りに舟たぁ、この事だ。
オレも行くよ!!
でも、気持ちとは裏腹に
牛脂ハラスメントでやられた僕はしばらく歩き倒す。
そろそろ走らなきゃなぁ、いやだなぁと思ってたら
千光寺に至る坂道がやってきた。
や、やったぁ、走らなくてもいいぞ(白目)
ここは前日、サトさんカーで上って下見したからね。
完全攻略だ、歩きで。
とぼとぼ上り切って下りに入るがやっぱり痛くて走れない。
下りで少しでもタイムを稼げないのはかなり痛手だ。
ランニング人生で初めて制限時間を気にし始めた。
千光寺からの下りも終わり平坦区間がしばらく続いた。
もう平坦区間ですら継続的に走る気力を失っていた。
知り合いが10数人出場していたけど
第2ウェーブの仲間にもあらかた追い抜かれた。
このような状態、まったく想像してなかった。
90kmに至るとこらへんがラスボス峠って言われてるとこなんですかね?
もうね、ラスボスどころかクリア後のエクストラボスです。
90kmを越えて、95kmを越えて
やっと、やっと、ゴールが近づいてきた気がした。
ああ、完歩はできそうだ。
残り3kmを切ったところでもう一歩踏み込んで筋肉が痛い。
立っているだけでスクワットをし続けているような痛み。
歩くのも苦痛。座りたい、寝っ転びたい。。
ホントに立ってるのが辛い。
残り1kmあたりの道の分岐点で案内しているスタッフさん用の
簡易椅子があったので
「ちょっと座らせてほしい」と懇願して一呼吸おく。
進まないと・・・。
お礼を言って歩き出す。
でも全然回復せず、数十メートルすすんだところの縁石に
再びノックダウン、じゃなくてシットダウン。
あとちょっとなんだけどなぁ。歩きたくないなぁ。
出発だ!!と心の中で
108回ぐらい決意してよたよた歩きだす。
残すところ数百メートル。
ふいに背後から「追いつきました」と声が。
足柄Tシャツランナーさんでした、再会。
ゆっくりだけど一歩一歩走る足柄さん。
待ってくれ、俺も一緒に行く。
人間やっぱり脳みそ次第かもしれない、
歩けないとまで思って実際、そんな感じだったけど
よたよたと僕も走り始めた。(かっこいい)
高山ビッグアリーナに入り、
ゴールテープが張られているのが見えた。
「せっかくなんで手繋ぎゴールしましょう」と
そこそこ気持ち悪い申し出を快諾いただき、
一緒にゴールさせていただきました。

(勝手に仲良くなったと思っている)
初100kmの今回、
なにもできなかったけど
なんかしら残ったとは思っている。
来年はなんかしらできるように。
