守りたいモノ‐4‐
……できなかった。
何故なら……
その通りだから。
幸也は誰よりも早く
私の事を見抜いていた。
車に乗せられ連れ回された。
「看護婦のくせに自分の子供を殺すなんて最低だ」
「俺なら自分の子供じゃなくても産ませる。お前の元カレも最低だ」
「お前は偽善者だ!!」
「お前は最低の人間だ!男を狂わす最悪な女だ!!」
何も言えなかった。
守りたいモノ‐3‐
私に従順で……
言う事も素直に聞いていた。
姉と弟そんな感じ。
だが次の瞬間……
変わった。
「人殺し!! 自分の子供殺したくせに!! お前は最低な人間なんだよ!!!」
形勢逆転。
この後から……
病院を辞める迄の間の仕事の記憶が
ほとんどない。
医療ミスを起こさなかったのが
奇跡的な位だ。
そしてあまりの恐怖に……
幸也との記憶も
断片的にしか残っていない。
地獄の始まりだった。
守りたいモノ‐2‐
車に向かうとミラーに紙が挟んであった。
何だろう……
ふと見るとそれは幸也からの手紙だった。
【会って話したい事があるから連絡下さい。】
正直今は会いたくなかった。
いや……
会わない方がいいと思った。
だからその日は連絡しなかった。
すると次の日
日勤が終わって病院を出ると
幸也が待っていた。
「話しがしたい」
「ごめん また別の日にしよ」
そう言って帰ろうとした。
「待ってよ!!」
幸也が私の手を掴み引き寄せた。
その力が強すぎて倒れ込んで
膝をついてしまった。
「何だよ!?今日は無理って言ってるだろ!」