クローバー(ノンフィクション小説) -28ページ目

守りたいモノ‐11‐


わたしは……
幸也の奴隷になった。

「リエ? あたし、幸也と付き合う事にしたから。これからはあんまり連絡できないと思う……」

「そっか分かった。仲良くね」


「あと……幸也から連絡があっても出ないで……」

「はいはい邪魔はしませんよ!」


リエ……
ごめんね。



こうするしかないんだ……
その時はそうするしか方法がないと
思っていた。

守りたいモノ‐10‐


そして幸也は
私の身も心も支配しようとした。

必死に言う通りにした。

だけど幸也は納得しない
何故なら……


わたしには
守りたいモノがあるから

極限の精神状態にあっても尚、
その気持ちは変わらなかった。

幸也はそんなわたしをも見抜いた。

幸也はわたしに暴力は一切振るわなかった。
その代わり従わないと
決まってこう言った。

「病院の窓ガラス全部割ってやろうか…… お前の大事なモノ傷つけてやる。リエさんもいたなぁ……」

わたしが自分を優先できない事を
知っていた。

幸也はわたしが自分を犠牲にしてまでも
必死になって守ろうとするモノが
気にいらなかったんだ。


わたしの最大の弱みは……
リエと翔真。



幸也はそれを巧みに利用した。

守りたいモノ‐9‐


「死ぬなんて楽な事考えるなよ。お前は生きて償え」

思い詰めたような顔をする私に
そう言い放った。

少しでも抵抗すれば
海に連れて行かれた。

わたしが大好きな海……
海岸ギリギリに車をべた付けし、こう言った。


「俺は別に死んでもいい。この世には何の未練も無い。信用できる奴もいない。信じても裏切られるだけだ」

「ただ死ぬなら……お前も一緒だ。今から車ごと海に落ちるか?」

大好きな海が……
とてつもなく怖くなった。


冗談だよと笑う幸也は……
もはや私が知ってる幸也では……
なかった。