一足の靴 -5ページ目

絵の具



爪の中に入っていた赤い絵の具が
今日はみどりになり、
明日は黄色になるでしょう。


それだけで
すべてが変わる


ことば



囁くように言って
それからその同じ言葉を
叫んで
口ごもって
黙り込んだ


そのころにはもう言葉は魂のぬくみで
すっかりいたんでいた

谷川俊太郎

おもった


他人のスリッパをはきたいと思った
他人のコップで飲みたいと思った
他人の毛布で眠りたいと思った
他人の肌の匂いになりたいと思った
あらゆる他人のダイニングキッチンで
人魂のように漂っていたいと思った
と今思っている


谷川俊太郎

つまり




つまり。
つまり、男女の関係ってのは保つのがなかなか難しいって事。
友達
恋人
なんでもいいや。
つまりお互いのもっている理想の関係っていうのが、
少しでもズレてしまったら、そこで終わりなの。

もう友達にもなれない
なら
もう、いいや。

大丈夫。
多分私は前よりずっと強いから。
また友達をこうゆう形でなくしても。

すごく、すごく残念だけど。


カーテンの中は海の中でした。

光はあらゆるものを表し、
影はあらゆるものを隠しました。
そこにいるのに、そこにありませんでした。

カーテンの中は海の中でした。
あらゆる光と影から
自分をかくしてくれました。

ufo

ufo

moon

今日のつき

手品師へ

手品師

川井は何を思ったのか。

水槽の魔術にはどんな魔法があったのか。
成功したら少女に思いを打ちあけるつもりだったのだろうか。

それとも、今の状況に失望して死のうとしていたのだろうか。
少女のその感情こもらぬ手でかけられた掛け金に
川井は満足できたのだろうか。

少女のその手は川井のすべてを握っていたのに、
彼の期待に彼女が答えることはない。


吉行 淳之介

思いを、、、

今日、帰ってくる予定のなかった手紙が送られてきた。
涙が出そうだった。
思いは空にふわっと浮いて、
まるで今までが嘘のように軽くなった。
ずっと聞きたかった答えが、そこにはあったから。

この詩の陰になっている部分は何かはわからない。
実際にはその意図は読めない。
だけど、私はそのヒトがこの詩を送ってくれた事に
すごく、すごく感動した。
うれしくて涙が出そうだった。
思いは、もしかしたら、
いつかちゃんと、こんな形で消化されていくのかもしれない。



語るべきことを語りすぎ、
語るべきでないことを語らなかったため
ぼくは今自分を責めている

J.コクトー


彼はずっと星を探していた。
だから目の前にある星が欲しくて仕方がない。
その星の価値など全くないのに、
彼はそれでもその星を掴み取ろうと一生懸命だった。


彼は気づいていない。
優しく微笑んで、
目の前の星にウインクしている間に
彼の頭上に一番星が輝いていた事を。