菊の香はお好きですか?
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
今日はまた夏ですね。
十五夜だというのに・・・
皆様は
菊の香りをどのように
感じられますか?
私たちは同じ花の香りを嗅いでも
「甘い」「爽やか」「少し苦手」
「苦い」「不快」
など
感じ方がまるで異なることがあります。
これは
香りが単なる物質としての匂い
ではなく
人の心や記憶と深く結びついているから。
まず、香りの受け止め方には
「環境」が影響します。
一概には申せませんが
自然豊かな場所で育った方は
土や草木の香りに親しみを覚え
都会育ちの方は
人工的な香りや清潔さを感じる香りに
敏感になるのでは?
次に大きいのが「匂いの履歴」
香りの記憶です。
子どものころに慣れ親しんだ匂いは
安心感を与えたり
反対に、体調の悪いときに嗅いだ匂いは
後になっても不快な印象を伴う
そのようなことがあるのです。
また「そのときの感情」も作用します。
気持ちが晴れやかな時には
花の香りをより美しく感じ
疲れている時には
同じ香りが強すぎ
重く感じられることも。
お心当たりは?
多分どなたにもおありだと・・・
香りは鼻で嗅ぐだけでなく
心で受け止めていると言えるでしょう。
香りは客観的な「匂い」と
主観的な「心の響き」
の両方から成り立っています。
同じ薫物を囲んでも
人によって感じ方や言葉の表現が変わり
そこに交流や思わぬ発見が生まれ
楽しさが倍増するのです。
香りは唯一無二の体験
自分だけの香りの感じ方を大切にしながら
他の方の受け止め方を聴くことで
新しい世界が開けて行くのです。
ご自身で感じた
香りの顔を大切にしながら
何度か聞くうちに
やがて
香りの貌が見えてくるかも
なのです。
同じ香りを聞いても
各々独自の感じ方がある。
独自の感じ方を大切に
平安朝香道は古の道を辿り
未来に進みます。