梅雨がなくても
「雨夜の品定め」
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
猛暑が続いて
毎日が体力勝負です。
来週、一時雨模様
となるそうですが
その後は
いよいよ梅雨明けでしょうか?
今のような高温でジメジメは
とても耐えられません。
日本の梅雨は
良いところもあるのですが
今年は望めませんね
雨がシトシト降る
日曜日
ぼんやりと外を眺めていると
雨に打たれた
青い紫陽花の葉から
雨の雫が滑り落ちてゆきます。
何も考えず、何もせず過ごす時間
そのような時間が
最近は少なくなったように
思います。
今年の紫陽花は、もう枯れかけて・・・
今年は大した雨も降らず
憂鬱な梅雨を愉しめません。
雨の日ならではのこと
なのですが
雨の降る匂いがして・・・
一日中降り続いた雨が
雨だれとなって落ちてくる。
心は鬱々としているはずなのに
仲間が集えば
雨上がりの景色が見えて
少しは気が晴れるのでは?
遠~い遠い
平安の都では
蓮池を眺めながら
蓮の葉から
コロコロッと滑り落ちる
水玉を
飽かず眺めていたり
前栽に植えられた
蘭草から滴り落ちる
雨粒の香りを想像して
嬉しく思ったり
したのでは?
平安時代の梅雨は
現在の6月初旬から7月中旬
現在と同じ時時
(関西と関東では多少ずれます)
当時は五月雨(さみだれ)や
五月雨(さつきあめ)
また、長く続く雨なので「ながめ」
とも呼ばれました。
いつまでも降り続く長雨に
うんざりしながらも
夜になると、若者たちは
御物忌みに、先に籠った源氏のいる
宿直所(とのいどころ)へと
集います。
瀬戸内寂聴氏の「源氏物語」の装画を担当した
石踊達哉氏の複製画「雨夜の品定め」
母が大切にしていた1枚です。
頭中将(とうのちゅうじょう)が
保管してある源氏の手紙に
関心を寄せるところから
始まります。
源氏より年上の
頭中将(とうのちゅうじょう)は
源氏の友人であり
良きライバル
頭中将の妹君は
源氏の正妻葵の上なのです。
源氏と頭中将に加わったのは
左馬頭(ひだりのうまのかみ)と
藤式部丞(とうしきぶのじょう)
女性のあるべき姿を論じたり
女性を三段階の等級に分け
経験話を語るのです。
上の品に中の品
下の品は論外でした。
女性には決して聞かれたくない
内緒の話が展開されていきます。
源氏はただ、ただ聞き役
この時、中の品と論じられた
女性に興味を示すのでした。
後に出会う空蝉や夕顔が
論じられた中の品の
女性たちなのです。
現代にも
雨夜の品定め
内容を変えて
あるのでしょうね。
平安のボーイズトーク
令和のそれは?
こちらは
今夜は激しい雨になる予報
来週は少し涼しくなるようです。
今年最後の「雨夜の品定め」
令和のボーイズトークは
どのよう?
ガールズトークも
聞いてみたいものです。
それより
もっと聞いてみたいもの
源氏はこの時
どのような香りを纏っていたのか?
頭中将は?
左馬頭と藤式部丞は?
源氏は女性に逢う時だけでなく
普段も衣に薫き染める香に
こだわったはず。
宿直所なら、リラックスしてる?
それともより緊張感を持った香
だったでしょうか?
様々に想像するのも
楽しいこと
少し涼しくなったら
もっと思いを巡らせてみましょう