花を摘んで籠に、そして薫物に | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

ピンクハート花を摘んで籠に

 そして薫物に

 

 

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

 

 

 

前回

 

百のお花は集められませんが 香り漂う花籠に変身~

 

の続きとなります。

 

 

今月の平安朝香道の課題は

「百和香」でした。

 

「百和香」は

中国よりもたらされたものです。

 

 

 

 

 

 

古代中国で「百和香」がいつ何処で

作られたかは定かではありませんが

祈りの香として焚かれていました。

 

その後中国から日本へと

伝来した百和香は

漢詩や和歌の中で表現されいます。

 

百和香は天平19年(747年)

に作成された奈良大安寺の資材帳に

記載されています。

 

日本の寺院で使用されていた

記録と言えるでしょう。

 

 

百和香は様々な植物、

香草や香材を合わせ

香としたものです。

 

 

今月平安朝香道で薫いた

「百和香」は

横から見ても縦から見ても

いいえ

横から聞いても縦から聞いても

その処方は

「侍従」。

 

 

あまりにも

単純、明解。

 

でもとっても良い香りラブラブ

 

 

平安時代末に

勅撰集として編纂された

「薫集類抄」(薫物の指南書)の中に

「百和香」

として記載されているのは2つ

 

 

一つは

八条宮(仁明天皇の皇子)の薫物

もう一つは

化度寺百和香(中国より伝来か)

 

中国より伝来したと思われる

「百和香」は香材を十種使用

 

やはり百和香はその名の通り

数が多くなければ・・・

 

 

和歌の中では

百種の花ではなくとも

「百和香」として詠われております。

 

とても紛らわしいので

薫物として薫くものは

「百和香」

花々を摘んで

その見目と香りを愉しむものは

「百花香」

このように区別したら

わかりやすいのでは

 

そう思います。

 

余談ですが

韓国ドラマのなかでは

「百花茶」が出で参ります。

その植物の組み合わせは多種。

 

体調に合わせて選ぶのだと思います。

 

「良くお休みになれる百花茶でございます」

などと申しております。

 

 

 

万葉集の中では

春一番の若菜摘みや

花の鮮やかさ

馥郁と香る花々たちが・・・

 

摘んだ若菜や花々が

籠に盛られている様子が

目に見えるようです。

 

明るい春の光が射して来るようで

心身ともに癒されそうですね。

 

それをイメージして

わが家の5月の香る植物を

ポプリにしてみよう

そう思いました。

私流の「百花香」ですね。

 

 

文学の中の「百和香」は

ポプリ

と言われております。

 

美しく薫り高い花たちを

目にしたならば

摘んで籠に入れ身近に置きたい

次は

その色と香りを

いつまでも留めておきたい

 

殆どの方はそのように思うのでは?

 

その思いは

古代から現代まで

変わることのない思い。

 

ポプリとして愉しみ

その後は

香りを補強して薫物とする。

 

 

今回は我が家の

5月の庭で花開いた

香りの花々を乾燥させ

保存しておきました。

 

 

 

芍薬

 

 

 

 

お稽古では

薫物を聞いた後に

門下生の方々に

お好きな花と植物を

袋に入れて頂きました。

 

それぞれ好みが違うものですキラキラ

 

ヘ~~、ホ~~

 

と驚きや関心をもって

皆様の選択を眺めておりました。

 

 

 

 

 

薫物を聞き

花々を袋に詰めて

皆様で他愛もない会話を交わし

とても愉しいお稽古となりました。

 

 

 

 

 

 

皆様に大変喜んで頂けたようで

次回はどのようにいたしましょう?

 

 

秋の「百花香」が

頭の中を駆け巡っております。