「遅桜」の「をそさくら」の香り
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
肌寒い日が続いて
今日は雨
春は名のみ~の
風の寒さや~
5月が近いというのに
この唱歌がピッタリの日が続いて
未だに朝晩は暖房が必要です。
お花見の陽気な気分も
すっかり忘れてしまいました。
桜が咲き終わったなど
とても信じられません。
匂桜のなかでも
特に香りの強い「駿河台匂」
その香りもずっと遠くへ
寒さが運び去った気がします。
4月の課題が
「をそさくら」
でしたので、その香りを聞けば
ほんの少しの間香った
匂桜の「駿河台匂」の香りを
思い起こすことが出来ます。
今月の課題の薫物を聞いた時
「駿河台匂の香りがする」
直ぐにそう感じました。
神田駿河台まで
匂桜の香りを求めて出かけたので
脳に刷り込まれた香りが
似た香りに感じたのでしょうか?
いいえ
確かに「駿河台匂」の
甘く優しく
ほんのりと薔薇の香りを
漂わせていたのです。
初めて薫物の表現をなさる時
多くの方は
「お線香の香り」とか
「漢方薬の香りとか
表現なさいます。
どちらも正解ではあるのですが
古の人々は
香材を合わせることで
自身の心情を表現する
心写しの薫物としたり
花の香りを写す
香り写しの薫物などとして
香を合わせました。
心情も花の香りも
その人それぞれの感じ方
表現の仕方
一つとして同じものは
ないのです。
「をそさくら」は
鎌倉から室町の薫物ですが
平安朝香道では
令和に生きる
私たちの薫物を目指し
古書を頼りに
創り、聞き、感じて
心豊かに日々を過ごすことを
目指しております。
冬の日も雨の日も
桜の香りを聞きたい時
いつでも香を薫いて
風に乗り漂う桜の香りを
再体験出来るのです。
いつか平安朝香道で
「桜の香り」の
薫物合わせが出来ることを願っております