●12月のお稽古は
衣に香りを移すお稽古です
ご訪問ありがとうございます
平安朝香道の朝倉涼香です
人とすれ違ったとき
なんとも言いようのない芳香に
思わずふり返った経験はおありでしょうか?
以前にもこのブログで
紹介したかもしれません。
最初は高校生の時
担任の英語の先生から香った香です。
あまりの芳香にお尋ねしましたが
微笑んで
「インドのものよ」
とだけおっしゃいました。
その先生も遠いイギリスで亡くなられ
どのような香だったのか謎のままです。
今思うと塗香だったのでは
と思います。
良き香りも悪しき香りも
現代にはあふれ返っています。
すれ違って思わずふり返る香りは
時々ありますが
後を付いていきたくなる香り
に出会うことはめったにありません。
平安時代には、すれ違っただけで
自分をアピールする香りがあったのです。
そしてその香りが誰のものか?
光源氏の香りなら直ぐに判るという
オリジナル薫物なのです。
薫物の香りが名刺代わり
なのですから悪いことは出来ません。
その香りは一人一人違っていました
香りの方(レシピ)があり
人それぞれにアレンジしました。
なんと凄いこと
平安貴族はその香り作りに力を入れています。
それが薫物なのです。
薫物の香りを物に移すのが衣香(えこう)
様々なものに香りを移しました。
衣類、布、紙、扇などを薫き染めたのです。
平安時代にそのようなことを
暮らしに取り入れていたのです。
衣香の中でも
薫衣香(くのえこう)は
衣に薫き染められ
パルファム
オー・デ・パルファム
オー・デ・トワレ
オー・デ・コロン
のような役目をしたのです。
空薫物(そらだきもの)と呼ばれる
今なら
ルームフレグランスや
アロマ・ディフューザー
の役目もしていたのです。
衣に香りを移すお稽古が
伏籠(ふせご)です。
出来れば
自分の一番好きな香りを薫き染めたいものです。
今月のお稽古は決行です。
お気をつけてお越しくださいませ。