晩秋から初冬の香りを感じて 栃木県大田原市 | 横浜の香り教室 平安の香りと親しむ平安朝香道

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東急電鉄日吉駅3分にある平安の香りを創り楽しむ教室です。平安時代、貴族や「源氏物語」の主人公光源氏がたしなんだ香り創りや楽しみ方をご紹介。(by平安朝香道 朝倉涼香)

晩秋から初冬の香りを感じて 栃木県大田原市

 

ご訪問ありがとうございます

平安朝香道の朝倉涼香です

 

先週末に栃木県の大田原へ行って来ました。

 

大田原は

源平の合戦、屋島の戦いで活躍した

那須与一が幼少期を過ごした所と言われています。

 

「平家物語」に描かれる那須与一は

源義経に付き従う源氏の代表として

波に揺れる船の上に掲げられた

平氏の守り神である厳島神社の

扇の的を射抜いたことで有名です。

 

扇の的を弓矢で射落とす際

「南無八幡大菩薩・・・」と、心に念じました。

それが那須神社(金丸八幡宮)と伝えられています。

(諸説あり

 

訪れた那須神社の社宝には、

那須与一が奉納したといわれる太刀や

寛永19年(1642年)の建立と推測される

楼門や本堂などがあり、

毎年秋には流鏑馬の行事も行われています。

 

 

 

 

那須神社を訪れた日はとても寒く

杉木立に囲まれ長い長い参道を歩くと

乾いた杉の微かな香りが感じられました。

秋も深まる晩秋を体感。

 

果てしなく続くような参道の薄暗さは

冬の始まりを思わせました。

 

寒かったのですが

とても心地よく感じたのです。

 

 

 

菊ももうしおれかけ

終わりに近づいていました。

 

 

 

 

 

今年の紅葉は終わりとのことでしたが

樹高25mの杉古木の元には

灯をともしたたように

鮮やかな紅葉が残っていました。

 

 

 

 

 

 

 

楼門

 

 

楼門の先に本殿

 

本殿全体の彫刻や彩色

楼門全体を彩る装飾などは独創的で

「中世と近世の特徴を併せ持つ神社建築」

として高い評価を得ています。

 

楼門と本殿は重要文化財です

 

 

 

 

芭蕉は、1689年(元禄2年))黒羽に留まった折に

「那須神社」を参詣しています。  

 

 

「おくのほそ道」と「曾良旅日記」

に記載のある風景地の中で、

風致景観や遺存状況が良好な地点が

おくのほそ道の風景地として

一連で名勝に指定されているそうです。

 

芭蕉もこの場所に立ち

八幡宮(那須神社)を参詣し

 

「与一が屋島の戦で扇の的を射る時

『別してはわが国の氏神正八幡』と

祈いを込めて念じた神社と聞くと

感慨深い」

と記しています。

 

芭蕉は大田原に14日間逗留していました。

 

那須与市の里と「奥の細道」の景勝地。

次から次へと人が押し寄せるわけではありませんが

絶えず参拝の方が訪れていました。

 

拝殿で祈る姿は、とても信心深く思えました。

 

晩秋の香りと初冬の香りを満喫してきました。