街はキラキラと輝いています。少しずつクリスマスが近づいて来ましたね。
12月9日のNHK BS「天山蜜に挑む 蜂客(はっか)6000キロの旅」
ご覧になりましたか?
2004年に放送されたものですが、ミツバチとハチミツに関心のある私としては見応えのある番組でした。
いつもお笑い番組ばかり観ている子供たちも釘付けでした。
中国で最高値の付く蜂蜜の1つである天山蜜を求めてはるばる6000キロを旅する蜂客(養蜂家)親子の物語です。
浙江省(せっこうしょう)は、中国の東部中央にあり、上海の南西に位置する東シナ海に面する地域です。
省都は杭州市。
浙江省の村から西へ6000キロ、天山山脈の新疆(しんきょう)まで親子は、百十箱の巣箱と家財道具一式を持ってトラックや列車を乗り継いで天山蜂蜜を求め、移動して行くのです。
天山蜜は、天山山脈に咲く各種の薬草の花からミツバチが集めた蜜です。
古くから高血圧や心臓病、喘息に効くといわれ珍重されています。
天山山脈には、中国全土から数多くの蜂客が一攫千金の夢を叶えるために訪れています。
一攫千金という点では、金鉱脈やダイヤ、オパールの原石を採掘する人々と重ね合わせて観てしまいましたが、一つだけ違うところは、峰客達が、ミツバチという家畜を伴って来ているところです。
全てはミツバチの管理の仕方や働き具合によって左右されるのです。
親子は天山に至るまでの途方もなく遠い旅の途中で、飢えや高温によってミツバチの多くを失っていました。
父親は、大量のミツバチの死骸を目にしてつぶやきます。
「胸が痛む!」
手塩に掛けて育ててきた最愛のミツバチに向けられた悲痛な叫びでした。
思わず私も涙が・・・。
親子は、天山に着くまでの間、何とかミツバチに栄養を与えて数を増やそうと天山の麓でミツバチを放し、花蜜を集めさせ、花粉団子を与えました。
それが親子の命取りとなったのです。
天山の採集場には蜂蜜の仲買がやって来て、峰客たちから蜂蜜を買い取ります。
1キロ7.5元から8元で買い取られます。
親子の飼育している蜂は、イタリア蜂でした。
ベテランの蜂客が飼育している黒蜂と比べると蜜を集める能力が劣るのだそうです。
親子の蜂蜜は蜜の量も少なく、致命的だったのは蜂蜜の味でした。
仲買人は一舐めすると無言となり。
「この蜜は他の蜜の味がする。純粋な天山蜜の味ではない」
そう言いました。
何日か前におなかをすかせたミツバチ達を放したからです。
その時、ミツバチたちは、天山にはない花の蜜でおなかを満たしたのです。
見事に仲買人は天山にはない蜜がハチミツに残っている事を言い当ててしまったのです。
ハチミツは花の種類や時期、時刻によってもハチミツの味が違ってくるといわれますが、正にその通りだったのです。
親子の6000キロの旅は、ハチミツの仲買人に買ってもらえることなく終わってしまいました。
天山行きのためにお金を借りたため、故郷に帰り借金を返すには、、17年前に10箱から始め、110箱に増やしてきた巣箱も、同業者に売り渡さざるを得なくなってしまったのです。
父親は最後に、故郷に帰って、また1箱からやり直すと話していました。
見終わった後、かなり虚しくなりました。
1元は日本円にすると、12.4円(2010年11月)ということですから
8元は99.2円 百円にも届かない
2004年のことですから現在とは違ってはいますが
その時のベテランの峰客は日本円にして150万~350万の稼ぎになり蜂蜜御殿が建つということでした。
それにしても移動養蜂(開花に合わせてミツバチを移動させる養蜂)はかなりのリスクを伴うものです。
一種のギャンブルだとも語られていました。
あれから6年、あの親子はどうしていることでしょう?
息子(当時23才)は立派な蜂客に育ったでしょうか?
とても気になるところです。
中国に限らず、どこの養蜂家もミツバチが元気でいないことにはハチミツが採れず、仕事にならないわけです。
これからは、ミツバチを見つけたら今まで以上にいとおしく思えることでしょう。
そして今まで以上に、ハチミツも大切に大切に扱わなければミツバチたちに申し訳ないと思えて来るのでした。
これが天山はちみつです

中国の貴重な幻の蜂蜜と言われる、ヤハシ蜂蜜はこちら
人気ブログランキングに参加しています。