こんにちは
レインボースマイル湘南の“すずりえ”こと、すずきりえです。
私が“発達障がい”を知ったのは、
ドラマ「光とともに」を見たときなので
2004年・・・もう16年も前になりますね。
“自閉症”という発達障がいを知り、
その特性を見て、私は2人の子が浮かびました。
子どもの頃、近所に住んでいたTくんと、従弟のYくんです。
Tくんは、電車が大好きで、おうちのらせん状の階段に手描きの路線図を貼っていました。
当時(小学生)、私は駅なんて、地元の駅くらいしか知らなかったので、
東京の(山手線の路線図だった)駅をこんなに知っているなんて、すごい
と、尊敬していました。
確かに、ことばのコミュニケーションは取れていなかったかも。
でも、いつもお母さんがそばにいてTくんの気持ちを伝えてくれていたし、
特に困った記憶や、変な子と思った記憶はありません。
そういえば、今になって思えば、小学校も登校班ではなく、お母さんと行っていたな。
・・・それくらいの認識で、“それがTくん”としか捉えていなかったように思います。
従弟のYくんは、通常級のまま小中高と進み、大学も福祉系の大学に通っていました。
でも、いつも、同じ話をなんどもなんども繰り返す。
毎度、初めて聞いたようなリアクションをしていたのですが、
ドラマを見て、あぁ、そうだったのか~と、ストンと心に落ちました。
“そうだったのか~”だけ。
それ以上でもそれ以下でもありません。
やはり、“それがYくん”というだけのことでした。
その後、次男が生まれました。
発達の早かった長男い比べ、次男はすべてがゆっくり。
「もしかして自閉症かも・・・」そう思いながら育てていました。
視線は合うし、発達がゆっくりなだけで
自閉症の特性はそれほど見られなかったので、
自閉症とは違うな・・・と思っていたころ、
保育園でことばの遅れを指摘されました。2歳のときです。
その後、ことばの発達相談に通うようになり、グレーゾーンとわかりました。
今回は、発達障がいの中身ではなく、
障がいが分かってからのその後のお話。
12年ほど前、幼稚園で事務をしていました。
たった1年でしたが、いろいろな親子、先生方に出会いました。
その中で、
“発達障がいを指摘されているが、受け入れられないお母さん”がいました。
とてもよく似た親子だったので、もしかしたら、お母さん自身にも特性があったのかもしれません。
子どもの特性を障がいだと認める=私も・・・?というハードルがあるんだろうなぁと日ごろから感じています。
また、まだまだ“育て方に問題がある”という誤った認識も多いので、
自分の子育てを否定されたようで自尊心が傷ついてしまう・・・そんな保護者にもたくさん出会ってきました。
(お母さんに限らず、親族の中に、受け入れられない人がいる場合もあります。)
実は、私の叔母もそんな保護者のひとりだったようで
従弟は大学までなんとか通い、介護の資格も得たわけですが・・・
その後、就職という壁に当たってしまいました。
“臨機応変が苦手”という特性のあった彼は、
現場の中で起こる“臨機応変”が難しく、
また、夜勤という生活のリズムが崩れることそのものが大きな壁となりました。
そこで、介護職を諦め、単純作業である工場勤務をしてみたり、
いろいろと転職を試みたのですが・・・
なかなかうまく行かず。
そもそも面接が通らず、20社続けて不採用が続き・・・
心が折れ掛かっていました。
このままでは二次障がいを引き起こしてしまいます。
そこで、ハローワークの方の勧めもあり、
障がい者手帳を取得し、障がい者雇用枠で就職、となりました。
このとき、25歳くらいだったかな。
その後の彼の生き生きとした姿、
息子たちに初めてお年玉をくれたときの誇らしげな表情・・・
忘れられません。
人として尊重され、仕事を持ち、報酬を得る。
その大切さを目の当たりにしたのでした。
ホントは困りごとを抱えたすべての人がそうできるといいですよね。
でも、ここにはとっても大きな壁があります。
・家族などの身近な人の理解があるか
・経済的なサポートがあるか
の2点です。
●身近な人の理解
年齢が低いほど、これが必要です。
早くに診断を受ければ、早くに療育が受けられるからです。
最近では、2歳からの超早期療育を受けることで、
就学時には通常級で過ごせるほどになるという報告もあるくらいです。
また、おとなになり、自分で診断を受けに行く場合もありますが、
この場合も頼れる実家があるかないか、は大きな違いとなります。
●経済的なサポート
理解の続きにもなりますが、
無事、診断が下り、障がい者雇用枠で就職できたとして、
自立できるほどの収入が得られるとは限りません。
なので、身近な人からの経済的サポートが受けられないと、
なかなかこの方法も難しいということになります。
障がい者の自立・・・これは本当に社会的課題だと感じています。
芸能人や学者の中にも、発達障がいの人が多くいます。
アインシュタインのADHDは有名ですよね。
物事を突き詰める特性を活かした職業に就けた、ということになります。
絵や書道や歌やモデルなど、芸術の世界で活躍する発達障がい者がたくさんいますね。
そうなれば、充分自立できる収入を得られることもありますが、
そうでないケースが何倍も多いのではないでしょうか。
だからこそ、障がい者雇用枠でも自立できる収入を得られるような社会にしていくことが
これからの私たちの務めなのではないかと考えています。
そのためには、そもそも“発達障がい”という呼び名から変えた方がいいと個人的には思ったり・・・
この呼び名が、不要な偏見や誤解を生んでいる気がしますし、
特性を受け入れられないことにもつながっているように感じます。
発達障がい自体は認知が広がってきています。
次の一歩として、差別や偏見をなくしていくこと、
そのためには特別支援の在り方から改善が必要でしょうね。
みんなちがって みんないい
そんな社会の実現に向け、
できることからやっていきたいですね。
パパママ応援団レインボースマイル湘南