世界のブナの森 -3ページ目

キクスイカミキリ

キクスイカミキリは、三木市では市街地をはじめ各地に生息していたが、実家のまわりの谷間には生息していなかった。標本が欲しくて欲しくてたまらず、7年間通学路でも庭でも周囲の道端でもずっと探していたので、いなかったことは断言できる。昨年、林のなかのヨモギが萎れているのをみて、こんなところでも発生するようになったのかと思っていたが、今年はかつてまったく姿が見られなかったノジギクの花壇を見に行くと、ひどいことになっていた。しばらく前から増えていたようだ。


同様に近年になってから増えたものに、チョウではホシミスジ、カミキリムシではラミーカミキリ(アメリカフヨウ)とアオカミキリ(イロハモミジ)がある。
写真はノジギクにいたキクスイカミキリ、ヨモギにいた成虫、そして萎れたノジギク。

 

雨の中のカキツバタ

 

羽化していたアオイトトンボ

 

子どもの頃にクワガタを探したコナラの伐り株

 

タイワンタケクマバチも、かつてはいなかった。

5月11-12日、兵庫県三木市

久々の帰郷

郷里で調べておかねばならないことが出てきて、35年前に自転車で半日かけて出かけていたあたりを急ぎ足で回る。

 

実家の前のニホンカワトンボと、実家から最も遠いあたりにいたアサヒナカワトンボ。

 

中学生の頃、チャバネセセリは夏休みが終わった頃に咲き始めるサワヒヨドリの花で姿を見かけるチョウだった。8月下旬よりも前に見たことはいちどもなかった。昨年の5月末に姿を見て驚いたが、今年は1ヶ所で最大4個体が占有する様子を見て、すっかり定着したことを知った。一方で、同じく秋に増加するイチモンジセセリは、去年も今年も5月にはまったく見かけていない。

 

フタスジサナエ。中学生の頃にトンボを調べることに夢中になりかけた時期があったが、当時は専門書も手に入らず、市の図書館にもなく、ホンサナエとウチワヤンマ以外のサナエトンボは区別できなかったから、それ以上深入りはできなかった。今回はオグマサナエ・タベサナエ・フタスジサナエの分布を調べようと思ったのだが、環境があまりに変わり、通学路で記憶にあるこれらが多かった場所ではその姿は望むべくもなかった。しかし、行く先々でフタスジサナエとタベサナエは少しずつ姿を見せてくれた。

 

フタスジサナエの三連結

 

タベサナエ

 

かつてヨシ原の脇でたまに通り過ぎるアオヤンマを待っていた通学路の池に、アオヤンマの様子を確かめに行った。今ではヨシ原だった部分は池の浚渫の残土置き場になっており、工事中で水がなかったために荒地の草が生えており、初めて見るアカミミガメがいくつも浮かんでいた。多かったオグマもしくはタベサナエの姿も全くなく、足早に通り過ぎるほかなかった。
かつては水中から出たヨシというヨシにコフキトンボがとまっており、ウチワヤンマも多く、ウラギンスジヒョウモンが土手を飛び交っていた。そして、ここはオオキトンボの生息地でもあった。

 

ツバメシジミ

 

クロイトトンボ

 

シオカラトンボ

 

モノサシトンボ

 

モノサシトンボ

 

キイトトンボ

 

ヨツボシトンボ

 

シルビアシジミ

ハラビロトンボ

 

ハスの陰影

 

ゴマダラチョウ

 

ニワハンミョウ

5月11日、兵庫県三木市

伯耆大山

大山一ノ沢の砂防堰堤を見上げる

 

ブナの幹に開いた、今年のカミキリムシの脱出孔。Mesosaではないかと思い主を探したが、姿はなかった。

 

レンゲ畑と大山。5月10日、鳥取県伯耆町

 

 

コナラの芽吹き

岡山・鳥取県境の蒜山では、人の生活圏でも、まだコナラが淡い新芽だった。例年なら蒜山と山形市内は季節進行が同じぐらいなのだが、今年の山形ではコナラは連休には葉を広げて鮮やかなさみどりになっていたから、蒜山のほうが10日ほど遅いことになる。フジもホオノキもまだ咲き始め。

蒜山の明日の予報は24℃、山形は30℃。今年はフェーン現象での高温が重なったことで、新潟~山形あたりの日本海側の季節進行が顕著に早まっていることを目の当たりにした。

 

代搔きの田んぼにコナラの淡い影が浮かぶ

 

5月10日、岡山県真庭市蒜山

伯耆大山

快晴の伯耆大山。2024.5.9

ギフチョウ属の産卵調査

昨日が雨だったので、今日は朝から大石田町でギフチョウの産卵調査。午前中は役場の調査、午後は自分たちで下刈りをしている場所(5月2日の調査で残した場所)で、産卵状況を確認して回る。

ヒメギフチョウはもちろん孵化しているし、ギフチョウも早いものは孵化している。こうした年には産卵が特定の葉に集中するし、トウゴクサイシンの葉を食べ尽くしてコシノカンアオイに移っているヒメギフチョウの3齢幼虫も見つかった。
この場所の調査を先人から引き継いでからすでに18年目になる。
例年なら大石田では、連休明けの今ごろまでギフチョウの産卵の盛期が続いていたのだが、今年はフジもタニウツギもオオハナウドもすでに咲き揃い、オオミズアオの姿まであった。

 


同じトウゴクサイシンの葉に産まれたヒメギフチョウ(孵化済み)とギフチョウの卵

 

孵化していたギフチョウの卵

 

コシノカンアオイの花とギフチョウの卵

 

1枚のコシノカンアオイに集中したギフチョウの卵

 

トウゴクサイシンを食べ尽くして、隣のコシノカンアオイに移ったヒメギフチョウの幼虫。奥には別のトウゴクサイシンに移った幼虫の姿も見える。

 

オオミズアオ。状況からすれば、夜間コウモリに食べられた残滓がクモの巣に落ちて、クモがそれを食べ続けたと思われた。

 

林床のスミレサイシンに多くの新しい食べ跡が残されていた。葉の裏側を覗きこんで、メスグロヒョウモンとミドリヒョウモンの幼虫の姿を見つけた。

メスグロヒョウモン

 

脱皮前のミドリヒョウモン

ミドリヒョウモンはオオバキスミレの群落でも何度か見つけたことがある。スミレを食べるヒョウモンチョウ類の種ごとの食性はいちどゆっくり調べたいと思いつつも、毎年ギフチョウ属の産卵状況を確かめるうちに、あっという間に季節が通り過ぎていく。

5月8日、山形県大石田町

草原の火入れ

 

 

5月6日、山形県小国町

草原の火入れ

今年の連休は山形県での山林火災が21件。1週間以上まともに降らず、5日は気温30℃。

 

そのなかで38ヘクタールを焼くことに、それぞれの人が緊張感と重圧を背負っていた。

 

水を背負って防火にあたる。
 

今年はあまりにも乾燥しており例年の倍近い時間をかけてゆっくりと焼かれ、防火役が地面に伏せって煙を避けている時間も長かった。

防火帯を切っていく。

 

青草も、見事なまでに焼けた。

 

随所で飛び火が起こり、水を背負った若者が駆けつけて消してくれた。

 

焼けたウド

 

立木にもよく飛び火した

 

5月5日、小国町

 

翌朝の草原

5月6日、小国町

火入れの合間

 

草原の火入れの合間に、早朝のブナ林

 

ユキツバキ

 

コシアブラ

 

倒木のまわりにできたギャップ

 

コシアブラ

 

ブナ

 

ミカドフキバッタの幼虫

 

キヨタキシダもしくはイッポンワラビ

 

モンキチョウ

 

草原のカタクリ

 

雪崩地形の岩肌

 

シラネアオイ

 

アズマヒキガエルを食べるヤマカガシ

5月4日、山形県小国町

 

草原の火入れ

草原の火入れ。5月3日、山形県小国町