2019年10月に父とヨーロッパ旅行した過去記事です。

 


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追記※2027年までペルガモン博物館は改装のため休館だそうです。

 

ベルリンの夜明け。
 


 

 

美しいですね。

 

 

 

 

欧州らしいシルエットです。

 

 

 

 

泊まっていたのはマリオット・ベルリン。

 

 

 
 

朝食を食べて早い時間から動き出します。

 

 

 

 

今日は、この旅で一番楽しみにしてた博物館へ参ります。今回ドイツへ来たのはココが目的、ペルガモン博物館。ココのハイライトは何と言ってもコチラ。

 

 


 

 

 

イラクーバビロンに建設されていたオリジナルのイシュタル門です。

 

 

 

 

 

 

バビロンは現在のイラクにあります。紀元前2334年アッカド帝国サルゴン王の時代、バビロンは既に小さな町として存在し、後にハンムラビ王によって大都市に成長。「古代バビロニア帝国」として紀元前1770年〜1670年に世界最大都市となります。その後、他都市に主権を奪われるも、紀元前612年に再び甦生し、紀元前320年まで「新バビロニア王国」として世界初最大20万人が居住した地域ともされています。

 

 

 

 

 

このイシュタル門は、紀元前575年に「新バビロニア」の王ネブカドネザル2世により建設された城門で、バビロンの守護神であるイシュタル(イナンナ)に捧げられたものです。見てください、この美しさ。

 



 

 

ドイツが1904年から1914年にかけて現地にて発掘調査を行った際、「多額の投資に見合う成果を得たい」と考えた考古学者が、粉々に砕けたイシュタル門のピース、実に199,750点を船に積み込み、ユーフラテス川を使って密輸。ベルリンへ持ち帰りました。

 

 

 

 

 

 

ほんとこれ、よくぞここまで当て嵌めたと思いますよ。

 

 

 

 

 

私もその時代に生きていたら、是非ともこの壮大なパズル再生に加わりたかったです。

 

 

 


尚、ここへ来た時、まだイラクには訪問していませんで、このオリジナルのイシュタル門を前に鳥肌ゾワーッ&ウルウルと来たのを覚えています。

 

 

 

 

その後、答え合わせのため現地バビロニア遺跡へ。

 

 

 

 

最初に訪ねた際、ちょっとしたハプニングありじっくり 隅々まで見れなかったものですから、一旦去るも後日再訪。

 

 

 

一人でじっくり、隅から隅まで当時の状況を想像しながら見て回りました。

 

 

 

 

バビロニア遺跡では、松任谷由実さんの「バビロン」をフルートで吹いたっけ。とても感慨深い1日でした。

 

 

 
 

ベルリンに戻り、バビロンのオリジナルイシュタル門レリーフには神々を象徴する動物。

 

 

 

 

「マルドゥクの竜ムシュフシュ」、「アダドの雄牛オーロックス」、「イシュタルのライオン」が交互に描かれています。



 

 

上述の現地バビロニア遺跡にも、色こそ落ちてしまっていますがオリジナルのレリーフは残っていますよ。

 

 

 

 

当時のバビロン市街は二重構造で、このイシュタル門もそれに合わせ二重の門。高さは約15メートル。このオリジナルは手前の小さい方の門だったと記憶しています。それでも地下深くまで基礎が伸びていたそうです。圧巻です。

 

 

 

 

イシュタル門は行列通りにつながり、新年の祭儀で神々の像が通過する神聖な通路として使用されました。こちらはミニチュア模型、イメージはこのような感じです。2,500年前にコレですよ、美しいですよね。

 

 

ミニチュア

オリジナル。

 

 

こちらは上部から。

 

 

ミニチュア

オリジナル

 

 

壁の背景の釉薬は崇高な青色ラピスラズリを使用しております。装飾には金、黒、白などの色釉。

 




バビロンは広大な土地に50以上の神殿がありました。その中にはジッグラトである「バベルの塔」もありました。3回目にイラクへ行った今年、「あそこがバベルの塔だったのでは?」と思われる小山を見つけたのですが、現時点でも どこにあったのか正式には発表されていません。

 


 

 

主神はマルドゥク。また、三位一体で黄道帯の支配者であるシン(月)、シャマシュ(太陽)、そしてここイシュタル(金星)などが祀られていました。



 

 

宗教的中心地でもあったのですよね。今で言う聖地ですね。

 

 

 

 

バビロンは上述の通り二重構造の城壁で囲まれており、外壁の外にはユーフラテス川から水を引いた堀がありました。日本の城や現在の皇居と同じですね。バビロンの城門は八つあったようです。ここイシュタル門はその一つ。

 

 

 

 

そもそも「バベル」という言葉は、アッカド語で「神の門」を意味するバーブ・イリ(ム)に由来しています。古代ペルシア語の「 Bābiruš、」、古代ギリシア語の「 Βαβυλών Babylōn」、ヘブライ語「 בָּבֶל Bāvel」、アラビア語「 بابل Bābil 」などはここからきています。

 

 

 


また、シュメール語の「神の門」に由来するという説もあります。「バブ・イル(Bab-ilu)」または「バブ・イリ(Bab-ili)」は、比較的早期のシュメール語の名前である「カ・ディミラ(Ca-dimirra)」の翻訳であると考えられています。

 


 

 

カ・ディミラ(Ca-dimirra)も「神の門」を意味し、「KAN4 DIĜIR.RAKI」(シュメール語の言葉「カン・ディグラック(kan diĝirak) = 神の門」に相当する)。何か、ここでも日本語の発音と意味によく似た言葉が充てられていますね。「kan」=「神」=「かみ」何かちょっとずつ繋がっているのですよね。

 

 

 

 

 

尚、上記リンクのバビロンの記事では散々書いてきましたように、ペルガモンも大英やルーブル同様、盗品博物館です。当地の了承なく勝手に持ち去り、或いは略奪、密輸して展示。イシュタル門に関しても、イラク政府はドイツ政府へ再三再四、返還を請願しています。



 

 

粉々に砕け散ったこれらの門を復活させるのは相当大変だっただろうということは想像に難くありません。

 


 

 

でも、勝手に密輸し持ち去るのはいかがなものでしょうか。

 


 

 

イラクのように戦争の影響を受けた国々は、これらの物質文化財を、より安全な環境で保存したほうがよいとの意見も多いのは分かります。

 


 

 

特にイシュタル門の場合、これを現地に放置したままでしたらこの復活は有り得なかったでしょう。しかし、当地の文化的に重要な遺物に関しては、私は現地への返還は当然と思います。



 

 

特にここはイシュタル門だけではありません。
 

 

 

 

バビロニアで出土した遺物は他にも多くあり、

 


 

 

どれほどの遺物を勝手に持ち帰ったのか、すべて把握できないほど大量だそうです。



 

 

私もこれらは当地で見たかったです。全く関連ないドイツではなく。



 

 

残念なことに、イラクの首都バグダッドにある国立美術館は、自国に存在した世界最古文明メソポタミアの中心地であるにもかかわらず、その半分の展示物はイミテーションです。

 

 


イラク国立博物館の展示物キャプションには、「オリジナルはルーブル美術館」「オリジナルは大英博物館」など、重要な物に限って英仏独に持っていかれていることを示しています。

 

 

 

 

 

せっかくイラクまで行き、メソポタミア文明の本拠地国立博物館に訪ねたにもかかわらず、文明ストライクの重要な遺物や美しいアクセサリなどがほとんど西欧に持っていかれていると知った時の私の落胆。お分かりいただけますでしょうか。泣

 

 

 

 

しかも、大英やルーブル、ここペルガモンでもバビロニアの遺物をほんの一部しか展示していないのですよ。展示しないなら返せよ!

 

 

 

 

早期に返還してくれることを心より望みます。こういった遺物は当地で観るからこそ価値があるのです。

 



 

これはアッシリア。少し東アジア入ってる感じがしますね。美しい色目です。



 

 

ペルガモン博物館の周囲は「博物館島」と呼ばれ、大きな美術館・博物館が5つもあるのですよ。こちらは新美術館。

 

 

 

 

エジプトの遺跡中心です。

 


 

 

こちらは、エジプト新王国時代第18王朝のファラオ、アメンホテプ4世の正妃ネフェルティティの胸像です。古代エジプトの彫刻家トトメスが紀元前1345年頃に制作したものとされています。古代エジプトの芸術作品の中でも特に有名で、女性美の象徴として広く知られています。これもエジプト政府が返還を求めています。1912年にドイツ人考古学者のルートヴィヒ・ボルヒャルトによってアマルナの遺跡で発見され、持ち帰ったようです。

 


 

 

古代エジプトのミイラと棺。

 


 

 

これは青銅器時代のドイツかスイスから。黄金の帽子。

 


 

 

 

とにかく展示物は多いですが、地元ドイツの歴史的遺物は数える程度だったような?爆


 

 

島にはほかにも旧ナショナル・ギャラリー。

 


 

 

旧博物館など盛りだくさん。

 



 


そして、この島全体が世界遺産に登録されています。ここも全て「ベルリン・ミュージアム・パス」でフリーです。

 

 

 

 

 

ペルガモン博物館はもう一度行きたいです。