2010年のGWにメキシコを巡った時の旅を綴っています。






 

AM4時起きでメキシコ・シティを離れます。今日はユカタン半島のメリダという都市へ飛び、マヤ文明地区に入域します。
 

 

公共の足がないので、メリダからはレンタカー。






 

と言いましても借りられるか不明。メキシコへ出発前、日本のメキシコ大使館のサイトを見ると「ジュネーブ条約に参加しておらず国際免許証は無効。」とだけ書いてありました。







私は、あちこちの国でレンタカーしますが、実はこれまで一度も国際免許証を取ったことがありません。






 

日本では「国際免許証がないと海外でレンタカーできない」と思っていらっしゃる方が多いように思いますが、日本の免許証とクレジットカードがあれば、どこの国でもほぼレンタルできます。






 

現地のレンタカー屋で過去一回だけ「国際免許証ないとダメ」と言われたことあります、ニュージーランドで。







「じゃあ、いいです」と速攻キャンセルし、別のレンタカー屋へ訪ねたら借りられました。笑 レンタカー屋にもよるのです。ジュネーブ条約などその程度のもの。法律ではありませんので、ガッツリ守っているのは日本だけではないかと思われる。






 

国際免許証は、取得に時間とお金かかるわりに有効期限一年とかナンな?あーいう日本のお役所ご都合制度はホントやめて欲しいですわ。






 

というわけで、とりあえず日本から今回、AVISでネット予約して日本の免許証を持って来ています。






 

メリダの空港に着いて到着口を出ていくと、レンタカーブースがズラーッと連なっていました。しかし、その中にAVISのカウンターはありませんでした。







聞くと送迎バスが外を巡回しているとのこと。空港施設から出てみると、ちょうどAVISのバンがこちらへ向かって走ってきたので手を振って合図。






 

ドライバーが紙をチェックしながら「日本の○○さん(私の名前)ですか?」






 

そうだと応え、すぐにバンに乗り込みました。






 

空港から少し離れた小さな事務所の前に降ろされ入っていくと、受付には仰け反るくらい美しい一人の女性スタッフが、

「Ohla!(こんにちは)」

「%O$%”&"@;+**><"&"X''=^(スペイン語)」






 私

「???」

「うち、スペイン語は分からんねん。」






 

女性スタッフ

「おっと。(ここから英語)」

「〇〇さんやな?免許証持っとる?」






 

すかさず日本の免許証を差し出す私。






 

女性スタッフ

「???」

「うち、日本語は分からんねん。」






 

せやろな。

 

 

 


 

女性スタッフ

「ここに住所と電話番号、免許証番号を英語で書いてもろてもよろし?」






 

白紙を差し出されたので、






 

「日本の住所でええのん?こっちのホテルの住所?」






 

と聞くと、美しい女性スタッフは、






 

「どっちでもええがな」






 

テキトーやな。笑






 

日本の住所と、電波なく繋がらないガラケーの電話番号、免許証番号を書いて渡すと、






 

「おおきに」「クレジットカード持っとる?」






 

クレジットカードを差し出しました。






 

女性スタッフ

「保険はどないする?」






 私

「いらんで。」







と伝えると、端末に何かを入力して印刷物を私に渡し、






 

「車の返却はここやで」

「分からへんかったらココへ電話しーや」

「ほな行こか」






 

 一緒に外へ出て車体の傷の説明を受けサイン。そして車のキーを渡され、






 

「ほなな!気ぃつけて行ってきーや!」






 

無事に相棒をゲットし、スーツケースをトランクに入れGO!国際免許証が必要なのは、相手が日本語を分からないからというだけで、必要事項を教えてあげればそれで事足りるのです。

 

 

先ず向かうはウシュマル遺跡。43マイル、およそ70Km。

 

 

googleさんによると一時間ちょっとだ。
 


すぐに到着。駐車場から「魔法使いのピラミッド」がもう見えた!

 


美しいですね。私は世界でこのウシュマルのピラミッドが一番好きなのですよ。
 


世のピラミットは殆どが四角錐。この円錐に近い丸みを帯びたフォルムは非常に珍しいです。

 

 

「包容力のある母親の顔を持った女王の風格」というのですかね。何となく女性らしさを感じます。

 


「ウシュマル」はマヤ語で、「三度にわたって建てられた町」という意味だそう。ちょっとよく意味がわからない。



このピラミッドはAC.700〜1100の間に建設され、一帯が世界遺産に登録されています。

 

 

ピラミッドの裏側。以前は登れたそうですが、今は損傷激しく立ち入り禁止。


 


 

こちらは隣接する尼僧院です。
 

 

尼僧院としたのはスペイン人で、宮殿だったのでは?といわれています。

 


こちらは総督の館。
 

 

この切石を組み立てた幾何学模様がいかにもマヤっぽい。

 

 

この建築様式はプウク様式といい、マヤ語で「丘」を意味するそう。

 

 

この周辺も雨の少ない乾燥した丘陵地帯だったそうで、

 


モザイク装飾には雨の神「チャク」が多く施されています。

 


この幾何学のバランスとセンスが数学的なのですよね。数学的で芸術的。

 

 

おっと!ここにもゴールがありますね。

 


ここは大球技場です。博物館でも触れましたように、このゲームは勝ったチームのリーダーが生贄です。それは、とても名誉なことで英雄視されたとか。

 


 

でもね。

 

 

個人的には「それ、本当かなぁ?」と疑います。人間の生存本能が、そんな非合理を受け入れられるかなぁ?

 

 

 

 

 

 

勝って名誉で殺されるんですよ?そんな道理ある?







いくら昔の人だからって、それを本能で肯定できるとは到底思えない。下等動物でさえ生きるのに必死なんですよ?高等動物である我々人間が、自ら生贄になることを喜んで引き受けるなど信じられない。もし、それが本当なのだとしたらナルシストの偽善としか思えない。私だったらわざと負けて負け続けますわ。






 

沢山の観衆が見守る中、生きたまま心臓をえぐられ、それをこのチャックモールの上にチョコンと乗せられ、僅かに鼓動を打つ自分の心臓を見ながら息絶えるなどツマランわ!オモロナイわ!笑えんわ!
 

 

そもそも、生贄を捧げたら雨が降るなんて、んなコトあるかーっ!






明日は太陽が昇らず暗闇が永遠に続くかもしれない?






どの星に住んでんだよ!





 

天体観測の精巧な技術と天文学の論理を確立する能力あるなら、「生贄=降雨」なんて思考の余地ないやろ!現実的にありえんやろ!






 

っと、







思わず古代マヤ人に突っ込んでしまいました、すみません。合理のABなものでこういう論理はイマイチ理解に苦しみ。笑






 

因みに、ゼロ「0」の概念はインドで発見されたとされてますが、そのずーーっと前にマヤで既に用いられています。多分、メソポタミアで発見、確立されエジプト文明と共にマヤへ渡ったと思います。そして、それを扱えるくらいマヤ人は数値論理に長けていたのです。そんな賢人たちが生贄を肯定するなど、にわかに信じがたい。(シツコイ)







まぁでも、人々の強い想念は、もしかしたら少しは雨雲を呼ぶかもしれませんね。

 

 

 

 


 

さて、遺跡の一番奥には、「ウシュマル大ピラミッド」があります。

 

 

ここは登ることができます!
 

 

高さは32m。結構な急階段です。

 

 

ココにもプウク様式の装飾がされていますね。何か惹かれるんだよなー。幾何学なのに並列バランスがいい。立体なのにレリーフに見える。そして、他のモザイクへはみ出しているのに整然としているところが不思議なのですよ。
 

 

鳥などの生物のレリーフも組み入れられていますね。これもナウシカで見たような。。
 

 

この頂上から見る景色が素晴らしいのです。360°見渡す限りのジャングルパノラマ。魔法使いのピラミッドの頭が見えていますね。

 

 

王蟲が出てきそうな勢いです。

 

 

 

鳥の鳴き声と風の音しかしないのですよ。ナウシカになった気分です。

 

 

古代マヤ人もこの風景を私と同じように眺めていたのだろうと思うとジーーンとしてきます。ほんと感動的な風景です。人間が何を造ろうと、地球の自然は何千年経っても変わらない。

 

 

しばらくここに座って、この景色を眺めていました。私、この場所が世界でも指折り好きです。今年、また行こっかな。


 

しかし、これだけのジャングルということは雨が降るんちゃうん?豊穣(太陽信仰)と雨乞いのために生贄を捧げたのではないんだっけ?それとも1000年前は乾燥地帯だったの?(ほんとシツコイ)






 

さて、今日はもう一つの遺跡まで行って宿泊です。後ろ髪を惹かれながらウシュマルをあとにし、次へ向かいます。