ロックベーシスト 西本圭介 -200ページ目

ロックベーシスト 西本圭介

テクニカルベーシストとしてベース・マガジンでも紹介 / ディープ・パープルのグレン・ヒューズ達と共にヨーロッパ11カ国を周り、また巨匠ビリー・シーンと共にKoRnのドラマー[レイ・ルジアー]のリズム隊として登場。

前回はライブハウスが盛り返す為にはドラマーの育成が重要だと書きました。


 

また僕が地元広島で達成できなかったことの一つにバンド単位でのレッスンでした。

どの地域にも音楽教室はありますが、何故かバンドアンサンブル教室は殆どありません。

 

僕自身はパート別の音楽教室も必要だが、バンドアンサンブルの指導はもっともっと必要だと説いてきました。

 

しかし、実際に受講に至るまでのマーケットを僕が店長時代のオクトパスでは創造出来ませんでした。

 

よく考えてみて欲しいのですが、例えば野球少年が投球とかバッティングだけの個人指導を受けていて、試合は自分達で好きなようにやっている姿。

 

サッカー少年が個人指導は受けているけど、チームでの指導は誰も行っていない姿。

 

これはかなり異様なことのように思います。

 

スポーツと芸術を同じように見るのは多少間違っている部分はあるかもしれませんが、バンド指導、アンサンブル指導ということにあまりにも重きが置かれないのがアマチュアバンドという世界のような気がします。

 

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バンドアンサンブル能力の低下というのは、統一型のオーディションイベントが昨今減ってしまったことにも大きな理由があると思います。

 

広島でも昔はバンドエクスプロージョンとかティーンズミュージックとか、大ホールで地区予選が行われる大会がありました。

概ね、広島で活動していれば、その大会が共通の目標だったように思います。

 

このように地域で一つの目標があれば、バンドが格好良い or かっこ悪い、アンサンブルが上手い下手という共通の物差しが出来てくると思うのです。

 

僕はそういう大会に出ましたし、自分達の先輩バンドが東京進出して行ったり、ゲストで出ていたりするのを見て水準という物差しを作ったものです。

 

昨今でも全国大会っぽいイベントはありますが、縦割り感満載で出るバンドもイベントを選ぶ時代。

ネットオーディションもあり、地域での一体感が失われたとも言えます。

 

バンドアンサンブル教育という観点でいうと、僕の青春時代は広島のスズヤとかヘブンとか、そういうところに入り浸っていて、当時プロ目前だったユニコーンのメンバーに「ヴァン・ヘイレン聞かんとだめじゃろ!!」とアドバイスされたり、先輩からこれ聞け、あれ聞けと指導されたものです。

 

当時はタワーレコードが日本進出したばかりの時期で、個人経営レコード店が殆どの時代です。

僕が高校生の頃はプログレ専門店に足を運び、店長からフランク・ザッパを聞けとか、ELP聞けとかオススメしまくられて、音楽の深い世界にハマっていきました。

 

レッスンや教室ではないけど、当時は地域の先輩が後輩に知識や情報を伝えるという文化がありました。

 

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芸術なのでバンドアンサンブルを良い悪いと画一的に決めることはやりにくいのですが、あきらかに練習方法やその場に応じた音量バランスやサウンドメイキングの能力が不足している子供達が散見されます。

 

これはイメージではなくて、僕は高校の軽音連の大会審査員もしていますし、高校へ行って教えることもありますし、学校に高校生を呼んで指導しています。

またうちの専門学校の学生も数ヶ月前まで高校生だったので、この年代の若者の実態については相当詳しい人だと思います。

 

実際の肌感覚として、若い子たちのアンサンブル能力の低下を実感しています。

 

またボーカリストがリズムを取れない子が増えてきている。

とくにバックビードを取れない若者が増えた。

 

これは昨今のサイリュウムを頭打ち(1拍目)で振るリズムの楽曲が多いこともあげられます。

 

いずれにしても、リズム感の悪い若者は凄く増えた印象があります。

 

またYouTubeで勉強する子達が多いので、サウンドメイキングがとにかく下手な子達が多い。

 

面白いエピソードで僕たちの時代だとマーシャルのスタックとJC120があったら、マーシャルを鳴らしたかったものですが、今はほぼみんなJC120に繋ぎます。

しかもマーシャルに繋いでもクリーンで使う子達が多い。

本当にびっくりです。

これがいい悪いでは無くて、時代なのでしょうか....。

 

 

昨今の若者達がコピーする楽曲にも大きな問題があります。

 

その曲を演奏している本人達が同期バリバリで演奏しているからです。

同期というのは、本人達が演奏できない音源に収録した音をコンピュータなどで流し、それに合わせて演奏することです。

 

音楽の骨子の部分が生演奏ならいいのですが、同期なしだと成立しないような音楽はコピーしても達成感もないので、なかなか難しい。

 

ローリング・ストーンズやAC/DCとか王道のロックバンドは同期を使うことはないでしょうが、昨今のロックバンドやポップスではほぼ同期が使われています。

 

要するに、高校生くんがコピー譜を買ってパートだけをコピーしても、そんな感じの演奏には到底ならないという現象がおきます。

 

僕はバンドアンサンブル強化の為に、子供達にブルーズやファンク、ロック、ポップの王道スタンダードを沢山教えて演奏させていくようなことが地域で必要だと思います。

 

こういう考え方がもう老害の考え方なのかもしれませんが、どう思いますか?

 

続く

今回は撤退理由と次に僕がライブハウスをやる時の盛り返す打開策を書きたいと思います。


 

これまでの流れで分かるように、ライブハウスにおける興行というのは、出演側にとっても、経営側にとってもなかなか厳しい時代だといえます。

 

 

撤退理由の1つめは2018年度問題《 日本の18歳の人口が2018年頃から減り始め、大学進学者が減っていくこと。》という逆境の中で名古屋からの遠隔操作で広島のライブハウスを経営することは困難だと感じたことです。

 

大学や専門学校などへの進学者が減ると大学の音楽サークルやプロ志向の専門学生によるライブハウス需要が確実に減ります。

 

プロを意識してバンド活動出来る期間として大学のサークル時代は大変重要ですが、このパイが減ると、結果的にプロ志向のバンドは減っていきますので、プロ予備軍がよく出るタイプのライブハウスは厳しくなります。

そうなると、ライブハウス供給過多になると想定しました。

 

そこにプラスして昨今はカフェや飲食店、販売店などでのプチライブも広島でも多くなりました。

それもある意味ライバルと言えます。

 

 

僕はライブハウスでの興行が盛り上がっていく為に必要な要素の光が見えています。

 

それは業界が力を入れて良いドラマーをたくさん創造することです。

 

実はここに大きなポイントがあると思っているのです。

 

カフェライブやストリートライブと較べてライブハウスのアドバンテージは音量が出せることです。

 

とくにドラムを良い音で鳴らすと格好良いし、良いドラムを聞いているだけで体が動きますから、ダンスしたり踊ったりとライブハウスでの醍醐味である、音楽に体をゆだねて汗をかくという楽しみが増えます。

 

もともと、アンプが高出力になっていった要素も、ロックというジャンルが生まれ、当時はPAも発達していなかったで、ドラムをフルショットして鳴らすロックというジャンルが発達しました。

 

当時のロックドラマーは生音で大音量だすために、スティックを太くしたり、キックペダルの踏み方を改良したり、様々なテクニックの進化によってロックドラムが確立しました。

 

皆さんもよく分かるように、ちゃんと叩いたドラムの生音は意外に大きいです。

その音量に対抗するには高出力のアンプやビッグバンドのような複数の管楽器などで音量を稼ぐ必要もあります。

 

もともとの音楽の起源はストリートライブであり、店舗の軒先やBARでお客様と接近した状態での小編成アコースティックライブでした。

それが、多くのお客様に同時に楽しんでもらうためにPAシステムも発達してライブハウスという営業の形も出来てきました。

 

昔は歌声喫茶とか、フォーク喫茶というようなカフェライブが主流ですからね。

 

昨今のライブハウスが元気ない(ような気がする)原因はドラマー不足と、ドラマーがちゃんと鳴らせない事情があると想定しています。

 

僕は世界トップクラスのドラマー達と演奏をした経験もありますし、留学時代やツアーで多くのトッププロの生音を体感してきました。

 

そういう観点で良いドラマーだと、ライブハウスというシチュエーションでとても良いサウンドを得ることが出来ます。

 

ちゃんとドラマーがドラムを鳴らせれば、オクトパスの規模だとぶっちゃけPAはいらないです。

 

先日もロサンゼルスのベイクドポテトという老舗ライブハウスでトッププロのジャズセッションを聞きましたが、本当に生音にちょっとだけPAで足し算した程度の音響でさいこうのライブサウンドでした。

本当にああいう音を体験したら、ライブハウスっていいよな〜!!って思ってもらえるはずです。

 

良いドラムがあれば、ベースもそこそこの音量で鳴らしても音楽として締りが出ます。

ギタリストがマーシャルを程よく鳴らしても痛くならないのです。

 

これまで見たバンドでアンサンブル的には、出音もサウンドいいな!!と思うのはドラマーが絶対に上手いバンドです。

 

 

ただ、日本の環境としてドラマーがちゃんと叩ける場所がそもそも少ない。

 

アメリカはガレージバンドという言葉があるように、ガレージでドラム叩いて練習したり、室内で叩いても隣の家まで距離があるなど環境として大きな差があります。

 

日本ではどうしてもドラマーは練習環境に不利な面が多く、逸材が排出されにくいような気がしています。

 

また昨今のデジタルドラムの進化で自宅練習が容易になった反面、生ドラムを鳴らせる子達が減った印象もあります。

 

僕はドラマーの育成のためにもライブハウスは大変重要なポジションだと思っていますし、練習スタジオも日本の音楽の発展には大変必要な施設だと思います。

 

プロ志向のバンドにおいて、実はドラマーの脱退というをよくみる気がします。

実際にプロでもドラマーが正式にいないバンドも多いですよね。

これはドラマーが過小評価されているということも考えられます。

 

またドラマーは機材の搬送も含めて経費が掛かる楽器ともいえます。このあたりをバンドの中で経費サポートするという考え方も必要かもしれません。

 

僕はドラマーオタクなので、次に生まれ変わったらドラマーになりたいくらいに、ドラムというのが音楽の要だと思っています。

 

現在、僕が部長を務める音楽専門学校ではドラマーが楽器の中でもっとも生徒数が多いコースです。

 

それは大変良い傾向であると思っています。

良いドラマーが育てば、良いライブバンドが創出される。

 

小さな箱でほぼPA無しのようなシチュエーションでカッコエエサウンドが出せる若手バンドが増えたら、ライブハウスがもっともっと盛り上がると思うのです。

 

今はライブハウスは撤退しましたが、専門学校においてもちろん総ての学生さんに等しく教育していますが、特に良いドラマーを多く排出することで、業界にメリットが生じると考えています。

 

 

 

 

続く

 

前回まではライブハウスにおける興行についてのアイデアを書きました。


 

そもそも、ミュージシャンやアーティストって仕事に対しての一般の認識はなんなんでしょう....って最近よく思います。

 

仕事に低いとか高いとかはなくて全て世の中で必要な仕事です。

だから、これから例え話に出る仕事をその仕事がポジションが高い低いとうような見方をしているわけではありません。予め記しておきます。

 

先日、ミュージシャンではないアーティスト(多分デザイナーだったかな?)がクライアントからタダで仕事しろというオファーに対しての苦言がネットを賑わしていました。

 

その中で例えば、「貴方は清掃員にタダで社内を清掃しておくように」と頼みますか? 

レストランに入って、「貴方は調理師になってまだ2年なんだから料金はいらないでしょ、私が宣伝しておいてあげるから。」

 

そんなことは言わないですよね。

という様な記事でした。

 

 

しかし、ミュージシャンというのは、そういう風に思われる節があります。

 

「ここで演奏出来たら皆さんはプロモーションになるのだからギャラはなくていいですよね。」

ただし、演奏はプロ並みをお願いします! ( ー`дー´)キリッ

というクライアントが少なくないのです。

 

 

ミュージシャンがそういう待遇をうける一因は。

プロミュージシャンというのは大当たりしている億万長者のような人達というイメージがあるからです。

 

だから、あなた達は将来ブレイクしたら大金持ちになるのだから、プロモーションの意味でタダでもいいでしょ!と見られるのだと思います。

 

普通のサラリーマンのような月収でミュージシャンとして平凡に生きていくという人達も多いというイメージが薄い。

 

なぜなら以前はよく「西本さんでも吉野家いくのですか!!!」「ダイソーとかいくのですか??!!」って言われていました。

俺は毎日ワインを飲んで執事に世話してもらってんのかっつーの。

 

こう思われるのはロックミュージシャンは非現実的な衣装を来て、ロン毛でピアスにTATOOみたいだから、一般的な生活してなさそうに見えるのですよね。

※そういうタイプの人もいますけどね(汗)

 

今はSNSの時代だし、テレビ番組でタレントが質素な生活をするようなことをネタにする時代ですけど、以前はプロミュージシャン=リッチとよく思われました。

 

僕は比較的早い時期にインターネットを初めて、ミュージシャンとしては早い時期から、私生活まるだしプロモーションをやってきました。

 

要するにミュージシャンは豪邸に住んでいる、スーパーカーにのっているものだという先入観から、いやいや、音楽が仕事ってだけで普通の社会人だよ俺は!っていうのを伝えたかった。

 

 

そしてミュージシャンでプロを目指すという若者が全員億万長者を目指しているわけでは無いということ。

 

普通のサラリーマンのような年収を目指して堅実にやっていこうとしている人達も多い。

こういうイメージを一般に伝えないといけないのです。

 

人からサービスを受ける場合に対価が発生するのは当たり前です。

お坊さんにタダでお経を読んでもらうか?

飲食店入って、タダで飲み食い出来るのか。

店に入って、開店したばっかだし宣伝しといたよるよ!って商品をタダでもって帰れるのか!

 

音響屋さんにタダで設営とPAをやってと頼む人はいない。

しかしミュージシャンはギャラなし、経費無しのゼロ円でもいいですよね? というオファーは少なくないのです。

オファーは無くとも「えっギャラっているんですか!!」みたいなびっくりした表情とかね。

 

僕はこういう文化を撤廃したい。

 

なので、そういうオファーをするクライアントがいたら勇気を持って「タダ? ?」

「わかりました。じゃ、僕が貴方の会社や店にいって好きなもの持って帰っても別にいいのですよね!」

「僕の生きる糧であるエンタメをタダで貰おうというのなら、僕も貴方のものをタダでもらいます。」

と皆で返答すべきなのです。

 

そうすると、多くのクライアントは安くタダでもやるアマチュアを使うようになります。

それはそれでいいと思います。

 

しかしプロというのは、ただ演奏出来るだけではなく、付加価値を提供できる人達のことです。

費用対効果を期待しない人はタダの人を使えばいいのです。

 

例えば、僕は若い時期にライブバーで演奏の仕事をしていました。

そこではギャラが出ますから、僕たちが演奏がプロレベル(当たり前ですが)だったのは当然ながら、いかにしてお酒を売るかを考えました。

 

 

ブルースやトップ40(ヒット曲)を演奏するだけではなく、どんな曲をどういう順番で演奏すると酒が売れるかなのです。

 

ダンスをさせたら、次の曲ではバーカウンターに行きやすいような、落ち着いたナンバー。MCでも一緒に乾杯しよ〜ぜという雰囲気を作ります。

 

皆がバーカウンターから戻ってきたら、次はバラードで女性連れのお客様の社交場を作ってあげる。

 

ずーと演奏の押し付けだと会話も出来ないので、聞かせる・踊らせる・語らせる・女性を口説かせるみたいな、ストーリーを演出していました。

ときにはライブはBGMとして機能させる必要もあります。

 

僕は盛り上がる為なら飲めないのにテキーラの一気飲みを何回もして、フラフラで演奏してお客様から奢ってもらうことで店にお金を落としました。

 

結果的に店長からはいつもよりも酒が売れました!! 

ありがとう!

次回も宜しくって感じになっていたのです。

もちろん楽しければリピーターも増えますしね。

 

プロというのは演奏プラスαの価値を提供出来る人達です。

 

アマチュアでもそれを出来る人はいると思いますが、だったら対価を払ってあげなさいと思います。

 

アマチュアでも出来ることをやっているようではプロではないので、飯を食うということは、アマチュアとの決定的な技量差だったり、クオリティの差だったり、提供できるコンテンツの差、それを提供できるスピード。

 

そしてクライアントの期待値を超えた満足度を提供出来ること。

 

 

僕は自分のギャラ設定も含めて、一般的な仕事と同じように論理的に価格設定をしています。

だから別に高くは無いと思います。

 

それは何時間働くか、その為の準備期間、経費という観点で価格を出します。

それが一回きりの仕事なのか、継続性があるかでも変わります。

 

こんな厳しい世界でギャラのことを言っていたら、演奏のチャンスなんて今後なくなってくるという指摘もあると思います。

タダでも楽しかったらいいよ!っていうアマチュアにテリトリーを奪われる可能性もある。

 

しかし、世の中の商売というのは、同じくそれと戦っていると思います。

散髪は自宅だってやろとう思えば出来るけど、わざわざお金を払って店にいく意味。

 

ただ、無形の音楽という商売が中々厳しいというのも事実ではあります。それはライブハウスを撤退した僕自身の努力不足もかなりありますが.......💧

 

だから、僕は別のことで生計を立てることにシフトしました。

それが以前はライブハウス経営でありましたし、今は別のことを考えています。

 

近い将来はお金というワードを全く気にしなくて、高校生のときのような純粋な気持ちで演奏活動を出来るようになりたいからこそ、今は活動はスローダウンしています。

 

ミュージシャンというのは一部の稼げる人以外は将来的には演奏と別の仕事の二本柱、三本柱で生計を立てる時代になっていくと思っています。

 

また仕事+投資ということも勉強していかなければと思っています。

 

続く

前回はライブハウスでのチケット料金の見直しについて書きました。

 

 

ここを読まれて、アリーナクラスでのコンサートが10,000円位するから、オクトパスのようなキャパで5,000円以上とるのはどうなのかな...という気持ちになるのもわからんでもない。

 

しかし、価格というのは一人が受けるサービスの価値だと思います。

僕からするとむしろアリーナに5万人いれているならば、価格はもっと下がっていいだろって思います。

そういうお客様も多いと思うので、結果的にアリーナ級でないと出来ないステージセットや照明やド派手な演出で満足度を高めていると思います。

 

だからライブハウスでのライブというのは、ホールライブやアリーナライブと違って、『アーティストとの距離感』こそが肝だと思います。

 

小さなライブハウスで30名限定であれば、アーティストは一人ひとりに対して最初から最後まで最高のホスピタリティを提供し、30名のコアなファンと交流会をしたり名刺交換会、グッズのトレード会をしたり、そういう交流会ありのライブならば、1万円のチケット料金でも高くはないと思います。

 

好きなバンドを通して多くの人と交流し、プライベートや仕事面でも繋がりが広がるのであれば、音楽以外での価値を創造できると思います。

 

 

先日、ある旅館がITを駆使して再生したという勉強会に参加しました。

 

その旅館は大幅なリストラで人員をカットしITを駆使したことで業績をあげました。

例えばお客様が車で到着するとナンバーをカメラが自動検出して顧客名簿を自動で引っ張り出し、館内にあるスタッフルームへ顧客情報が瞬時に送られます。

 

入り口ではお名前を呼びお迎え。

厨房には顧客の食事の好みやアレルギーなどの情報が瞬時に表示される。

こんな感じで旅館であっても昨今は、ITを駆使してホスピタリティのアップに努めているそうです。

その旅館は値下げでなく値上げして徹底的に高級路線にシフトして成功されました。

 

こういう時代なのだから、バンドがライブをするために来て頂けるお客様30名の顧客名簿を管理して、メンバー全員がお客様をフルネームで呼ぶことが出来る。

 

誕生日や記念日を理解しておいてサプライズ。

顧客の趣味などをリサーチして歌詞に反映させる。

 

好きな飲物などを調査して事前にライブハウスの仕入れと連動。

ビール飲む顧客がいないのに、サーバーを開けると無駄。

ワインが好きなお客様が多ければ、ワイン飲み放題とか。

 

顧客の管理ができれば、ライブの選曲だって、前回と被らないようにしようとか、色々とアイデアも出せます。

 

もしも顧客名簿が何千人規模であれば、プロとして別の次元で運営しなければなりませんが、プロ志向で頑張っているライブバンドであれば、顧客名簿はコア層は50名〜100名位ではないかと思います。

 

この名簿管理して徹底的な顧客満足度を追求すれば、ライブバンドとして人気が出そうな気がしますが、どうでしょうか?

 

 

ここまでは音楽的なことを全く書いていなかったのですが、もちろん人様に聞いていただくに失礼ない演奏力は当然必要だと思います。

 

ただ、演奏が上手ければいいという意味ではなくエンターテイメントとしての価値があるかということです。

トークが面白いというのもありだと思いますし、衣装が格好良いとか、演出が面白いでもいいし。

とにかくエンターテインメントとしてリピートしたいかが重要だと思います。

 

ただ演奏が良いだけなら、僕はYouTubeで一人で好きな時間に落ち着いて観覧するほうが好きです。

 

やはりライブなのですから、自分達の為に演奏をしてくれている感とかYouTubeだと不可能なコミュニケーションが重要だと思います。

 

言うは易く行うは難しですが。

 

続く

前回は若手のプロ志向のバンドが解散、脱退というニュースを多く目にする理由についての考察を書きました。

 

 

昨今はライブハウスでの集客が難しい時代だと言われています。

 

しかしながら大型フェスというのは大変人気があり、ビジネス的にも大成功しています。

決して音楽業界が衰退していたり、バンド需要がなくなったということではありません。

 

むしろ、CDという媒体でのセールスが落ちたことは、歴史的に見ればごく短期間の出来事で、人間が原始人だったような時代から音楽が衰退してなくなったことはありません。

 

僕の書いていることが少なからずネガティブに捉えられる方もいるでしょうが、音楽はこれからも僕達の生活からなくなることはありません。

 

ただ、レコードからCD、そしてMP3、現在はストリーミングの時代です。

僕自身もすでに音楽を買うという行為をしなくなっています。

 

今はアップルミュージックでストリーミングで音楽を楽しんでおり、購入はしないが以前よりも沢山のアーティストを聴く時間は増えました。

 

欧米でもストリーミング市場はCD販売時よりも伸びているらしく、決して暗いニュースではありません。

 

 

ライブというコンテンツも衰退はしていませんが、ライブハウスという形態では変化が必要な時代だと思います。

 

今回はライブハウスにおける集客が難しくなっているという現実について、もう少し掘り下げたいと思います。

 

まずライブハウスのチケット代はいったい何で導き出されているのでしょうか?

僕の導き方を参考までに書いてみます。

僕の時代のオクトパスを例に取ると、土日祝で6万円のホール代ですので、あるバンドがワンマンをしたいと思った場合に集客目標が60名とした場合、利益を想定しなければ、単純計算でチケット代は1,000円となります。

 

60,000円÷60名=1,000円/チケット代

 

しかし、これではバンドは集客のための経費(ポスターやチラシ等)、練習代、弦やスティックなど消耗品、衣装、交通費などの経費が払えないので、メンバーが最低欲しいと思うギャラ1万円でメンバーが4名だと4万円を+して計算するとチケット代は約1,500円位になります。

 

うちのキャパで考えるとチケット1,500円で60名集客できれば、まあライブとしては成功かなと思います。

 

さて、これがもう少し大きい箱になると、ホール代が15万円くらいになります。

 

そうするとギャラ分の4万円とホールがでかいので宣伝費を想定してざっくり20万円を売り上げることを考えて、60名集客だと3,500円くらいのチケット代になります。

 

大体、一般的なチケット価格を見ますと、このあたりに推移するので、チケット代金というのは本来の価値の値段というよりもホール代と密接に連動すると僕は考えます。

 

60名という集客は少ないように思うでしょうが、僕の肌感覚として50~60という大台を超えて100名を集客できるというレベルとなると、この話とは違うレベルの話題になってくるので、僕はこの50名くらいが集められるというのが一つの分岐点なのかという気がします。

 

 

チケット代というのは当たり前ですが、掛かっている経費と連動をするので、概ねこのような価格帯になるわけですが、実はこのチケット代金の設定に大きな勝算があるように思います。

 

例えばオクトパスで興行するとして、集客目標を30名限定とします。

 

30名のお客様に最高のおもてなしをするために、客席には結婚式のように顧客へお手紙をおき、限定グッズのお土産もおきます。ドリンクは飲み放題にします。

 

チケット代金は6,000円です。

 

これが売れれば18万円の売上です。

 

仮にオクトパスに6万円の箱代とドリンク保証代として3万円を入れるとして9万円を支払います。

 

すると利益は9万円です。この中から30名へのプレゼントとして1名500円の経費を引くと7万5千円の利益です。

宣伝費を引いたとしても6万円くらいの利益が出ます。

メンバーが4名なら一人15,000円の利益です。

+物販もあればさらに利益が出ます。

 

ざっくりした計算ですが、一人15,000円の利益が高いか安いかは別として、僕が本当にそのバンドのファンなら立ち見でギューギューで30分しか見られないライブに2000円とか払うくらいなら、6,000円払ってちゃんとしたおもてなしをしてもらった、30名限定の特別な時間を提供してもらって6,000円なら安いと思います。

 

安いか高いかというと、例えば女性が美容院にいってカットにカラー入れると1万弱は取られますし、僕のレッスンは一回一時間5,000円ですからね。

 

ちょっと焼肉屋にいけば5~6,000円は払いますし、社会人がオネーチャンのいるクラブにでもいけば2~3万落とすのもざらだと聞きます。

 

僕は単純にライブという価値をもっと高く提供できるようにになれば、この問題は大きく解決すると思っています。

 

 

バンドマンというのは、ライブまでに沢山の練習をして楽曲を創造し、最高の夢を届けるのですから、ディズニーランドの値段とは言わないまでも、もっとチケット料金上げればいいと思うのです。

 

たしかにチケットが1,500円なのと5,000円なのでは販売努力も掛かるという気もしますが、来ない人は500円でも来ません。(経験談)

 

僕は大勢にもみくちゃにされるライブならば、チケット代を倍払っていいので、VIP席でゆったりとみたいと思うタイプです。

そういう顧客層も決して少なくないと思います。

それの最たる例がディナーショーですよね。

 

これが駆け出しのプロ志向のバンドマンにすぐに採用してもらえる案だとは思わないですし、難しいこともわかるのですが、少子化で今後、若者ターゲットは減っていく、シニア世代はライブ行きたいけど、スタンディングライブはきつい、爆音はきつい、でも身近なロックバンドのライブに行きたいというシニア層需要はまだまだ沢山あると思います。

 

若い子たちはお金持っていないという意見はありますが、僕が知る限りアイドル系のライブや若い子達に人気のライブでは物販は死ぬほど売れていますよ。

 

先日も某有名アーティストのライブの物販を手伝ったのですが、一人1万円近く買っているようでした。

チケット代を足すと15,000円〜20,000円はライブにお金を落としている。

決して若い子はお金をつかわないわけではない。

ちゃんと価値を見出したらお金は落とすのだと思います。

 

だから30名のコアなファンがいるならば、その30名に最高のおもてなしで2時間夢の世界へつれていくライブをして8,000円のプライスをつけて売ればいいと思うのです。

 

24万円の売上であれば、30名キャパくらいのライブスペースであれば利益もかなり出せると思います。

 

まあっそういうライブを毎週やって、コンスタントに継続できるかという次の問題はありますが、考え方として販売価格を見直すことで多くのことは最初のハードルを超えることが出来ると思います。

 

続く