ライブハウスから撤退した理由 その21 | バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

テクニカルベーシストとしてベース・マガジンでも紹介 / ディープ・パープルのグレン・ヒューズ達と共にヨーロッパ11カ国を周り、また巨匠ビリー・シーンと共にKoRnのドラマー[レイ・ルジアー]のリズム隊として登場。

前回は若手のプロ志向のバンドが解散、脱退というニュースを多く目にする理由についての考察を書きました。

 

 

昨今はライブハウスでの集客が難しい時代だと言われています。

 

しかしながら大型フェスというのは大変人気があり、ビジネス的にも大成功しています。

決して音楽業界が衰退していたり、バンド需要がなくなったということではありません。

 

むしろ、CDという媒体でのセールスが落ちたことは、歴史的に見ればごく短期間の出来事で、人間が原始人だったような時代から音楽が衰退してなくなったことはありません。

 

僕の書いていることが少なからずネガティブに捉えられる方もいるでしょうが、音楽はこれからも僕達の生活からなくなることはありません。

 

ただ、レコードからCD、そしてMP3、現在はストリーミングの時代です。

僕自身もすでに音楽を買うという行為をしなくなっています。

 

今はアップルミュージックでストリーミングで音楽を楽しんでおり、購入はしないが以前よりも沢山のアーティストを聴く時間は増えました。

 

欧米でもストリーミング市場はCD販売時よりも伸びているらしく、決して暗いニュースではありません。

 

 

ライブというコンテンツも衰退はしていませんが、ライブハウスという形態では変化が必要な時代だと思います。

 

今回はライブハウスにおける集客が難しくなっているという現実について、もう少し掘り下げたいと思います。

 

まずライブハウスのチケット代はいったい何で導き出されているのでしょうか?

僕の導き方を参考までに書いてみます。

僕の時代のオクトパスを例に取ると、土日祝で6万円のホール代ですので、あるバンドがワンマンをしたいと思った場合に集客目標が60名とした場合、利益を想定しなければ、単純計算でチケット代は1,000円となります。

 

60,000円÷60名=1,000円/チケット代

 

しかし、これではバンドは集客のための経費(ポスターやチラシ等)、練習代、弦やスティックなど消耗品、衣装、交通費などの経費が払えないので、メンバーが最低欲しいと思うギャラ1万円でメンバーが4名だと4万円を+して計算するとチケット代は約1,500円位になります。

 

うちのキャパで考えるとチケット1,500円で60名集客できれば、まあライブとしては成功かなと思います。

 

さて、これがもう少し大きい箱になると、ホール代が15万円くらいになります。

 

そうするとギャラ分の4万円とホールがでかいので宣伝費を想定してざっくり20万円を売り上げることを考えて、60名集客だと3,500円くらいのチケット代になります。

 

大体、一般的なチケット価格を見ますと、このあたりに推移するので、チケット代金というのは本来の価値の値段というよりもホール代と密接に連動すると僕は考えます。

 

60名という集客は少ないように思うでしょうが、僕の肌感覚として50~60という大台を超えて100名を集客できるというレベルとなると、この話とは違うレベルの話題になってくるので、僕はこの50名くらいが集められるというのが一つの分岐点なのかという気がします。

 

 

チケット代というのは当たり前ですが、掛かっている経費と連動をするので、概ねこのような価格帯になるわけですが、実はこのチケット代金の設定に大きな勝算があるように思います。

 

例えばオクトパスで興行するとして、集客目標を30名限定とします。

 

30名のお客様に最高のおもてなしをするために、客席には結婚式のように顧客へお手紙をおき、限定グッズのお土産もおきます。ドリンクは飲み放題にします。

 

チケット代金は6,000円です。

 

これが売れれば18万円の売上です。

 

仮にオクトパスに6万円の箱代とドリンク保証代として3万円を入れるとして9万円を支払います。

 

すると利益は9万円です。この中から30名へのプレゼントとして1名500円の経費を引くと7万5千円の利益です。

宣伝費を引いたとしても6万円くらいの利益が出ます。

メンバーが4名なら一人15,000円の利益です。

+物販もあればさらに利益が出ます。

 

ざっくりした計算ですが、一人15,000円の利益が高いか安いかは別として、僕が本当にそのバンドのファンなら立ち見でギューギューで30分しか見られないライブに2000円とか払うくらいなら、6,000円払ってちゃんとしたおもてなしをしてもらった、30名限定の特別な時間を提供してもらって6,000円なら安いと思います。

 

安いか高いかというと、例えば女性が美容院にいってカットにカラー入れると1万弱は取られますし、僕のレッスンは一回一時間5,000円ですからね。

 

ちょっと焼肉屋にいけば5~6,000円は払いますし、社会人がオネーチャンのいるクラブにでもいけば2~3万落とすのもざらだと聞きます。

 

僕は単純にライブという価値をもっと高く提供できるようにになれば、この問題は大きく解決すると思っています。

 

 

バンドマンというのは、ライブまでに沢山の練習をして楽曲を創造し、最高の夢を届けるのですから、ディズニーランドの値段とは言わないまでも、もっとチケット料金上げればいいと思うのです。

 

たしかにチケットが1,500円なのと5,000円なのでは販売努力も掛かるという気もしますが、来ない人は500円でも来ません。(経験談)

 

僕は大勢にもみくちゃにされるライブならば、チケット代を倍払っていいので、VIP席でゆったりとみたいと思うタイプです。

そういう顧客層も決して少なくないと思います。

それの最たる例がディナーショーですよね。

 

これが駆け出しのプロ志向のバンドマンにすぐに採用してもらえる案だとは思わないですし、難しいこともわかるのですが、少子化で今後、若者ターゲットは減っていく、シニア世代はライブ行きたいけど、スタンディングライブはきつい、爆音はきつい、でも身近なロックバンドのライブに行きたいというシニア層需要はまだまだ沢山あると思います。

 

若い子たちはお金持っていないという意見はありますが、僕が知る限りアイドル系のライブや若い子達に人気のライブでは物販は死ぬほど売れていますよ。

 

先日も某有名アーティストのライブの物販を手伝ったのですが、一人1万円近く買っているようでした。

チケット代を足すと15,000円〜20,000円はライブにお金を落としている。

決して若い子はお金をつかわないわけではない。

ちゃんと価値を見出したらお金は落とすのだと思います。

 

だから30名のコアなファンがいるならば、その30名に最高のおもてなしで2時間夢の世界へつれていくライブをして8,000円のプライスをつけて売ればいいと思うのです。

 

24万円の売上であれば、30名キャパくらいのライブスペースであれば利益もかなり出せると思います。

 

まあっそういうライブを毎週やって、コンスタントに継続できるかという次の問題はありますが、考え方として販売価格を見直すことで多くのことは最初のハードルを超えることが出来ると思います。

 

続く