本中毒、映画中毒、仕事中毒、そして...恋愛中毒 -68ページ目

■『アンギアーリの戦い』 京都文化博物館 2015/8/22~11/23



京都文化博物館で『レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展 ~日本初公開 タヴォラ・ドーリアの謎~』という展示が行われている。

アンギアーリの戦い』というのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの未完の、そして失われた壁画。
フェレンツェのヴェッキオ宮殿の大会議室に描かれる予定だった。
当時、壁画はフレスコ画で描かれるのが普通だったのだが、レオナルドは漆喰を塗って乾く前に画を描くその技法を良しとしなかった。
レオナルドが求める精緻な画を描くには、フレスコ画という技法は制限が大きくてイヤだったのだろう。
彼は、油絵を採用した。
結果、絵の具は溶け出して混ざってしまい、壁画は頓挫したと言われている。
(レオナルドは『最後の晩餐』でもフレスコ画を使わず、テンペラ画でチャレンジして保存状態が悪い壁画を作っている)


その『アンギアーリの戦い』の下絵とも模写とも言われる『タヴォラ・ドーリア』という画がある。
70年以上行方不明になっていたのだが、数年前にその画が東京富士美術館で見つかった。
今回は、その『タヴォラ・ドーリア』の本物を見る事ができる。
京都まで出かけていった。

知らなかったのだが、『アンギアーリの戦い』の模写は何点もある。
今回の展示でも何点か見る事ができる。
しかし…
この『タヴォラ・ドーリア』はそのどれに比べても出色の出来だ。
構図、デッサン、そして躍動感…大変な傑作だ。

これはやっぱりレオナルド本人による壁画のための下絵なんじゃないか…

展示されている『ダヴォラ・ドーリア』を1.5mくらいの距離から俯瞰し、それから殆ど息がかかる程まで顔を近づけて細部を覗き込みながら、そう考える。
ずっと画の前に立っていれば、貸し切り状態になる時間もある。(もちろん学芸員の方が画の横には待機しているのだが…)

レオナルドの作品と認定されてしまえば、こんなに空いた状態で、こんな目と鼻の先で画を見る事は、一般人には不可能だろう。

いや、贅沢、贅沢。
もしかしら僕がジロジロと眺めた事で、『ダヴォラ・ドーリア』の一部に穴が空いたかも知れない…

■アニメ 『MEMORIES』 1995年日本

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WowWowで大友克洋の特集を放送していたので久しぶりに視聴。

『彼女の想い出』 『最臭兵器』 『大砲の街』の3短編によるオムニバス。
前2編は品質は高いけれど凡作だと思うのだが、最後の『大砲の街』は何度観ても飽きない。

視聴者にはあまり意識させないが、この短編は全編1カットで作られている。
おそらくこうしたお遊びが許されたのは、大友克洋にそれだけのカリスマがあったのと、当時はコンピューター処理によるアニメ製作の黎明期で、こうした実験が許された/必要とされていたという幸運があったのだろう。


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■書評 グレッグ・イーガン『白熱光』 早川書房 2013/12/6

白熱光 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)/グレッグ・イーガン
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中性子星の近傍で作られた人口コロニー内で暮らす昆虫の様な種族の知能の目覚めと、その一族を探索する知性体の冒険を描くハードSF。
読み始めは話のスケールの大きさ故の捉え所のなさにかなり困惑した。
読みかけて一年以上積ん読状態になっていたのはそれが原因。

久しぶりに手に取って1/4ほど読み進めると、面白くて一気に読み切ってしまった。
SFらしいSFを読んだと思う。

すばらしい…手放しでお薦め。