本中毒、映画中毒、仕事中毒、そして...恋愛中毒 -3ページ目

テスラの自動運転

田舎の母親が入院した。
母親が家に居なくなると、家事が殆ど出来ず、足腰が弱って起居が怪しい父親の一人暮らしが課題になる。
勢い帰省する頻度が増える。

公共交通機関を利用してコロナに感染するワケにはいかないのと、実家周りは田舎なので生活には車が欠かせない為、車で高速道路を利用して帰省する事になる。
ありがたい事に、高速の出入り口は現在の自宅も実家も近い…

高速を車で走っているといろいろな車に出会う。
高級外車、スポーツカー、ハイブリッド車、電気自動車…

お盆の季節の帰省でテスラに出会った。
あまり興味がないので型式は判らない。が、印象的なTのロゴは判別できる。
少し混み気味でクラスタになっている車群の中程で、おとなしくなめらかな運転で走っていた。
高速道路でクラスタになっている原因は、運転に慣れていないドライバーが走行車線と追い越し車線の両方を同じような速度で塞いでいるせいで、適切な車間距離も取れず非常に危険な状態だと、僕は考えている。
ので、距離を取ってクラスタを観察する。

どんな人がテスラを運転しているのか興味があったので、後部の車窓を見る。
後部座席に小型の液晶があり、映画みたいなのを観ている。
不思議な事に、前部座席にはより大型の液晶があり、こちらも映画みたいなのが映っている。
そんな大きさの液晶あったら死角が多くて前が見えないだろう。と思ったら、前部座席に座っている人は座席に座ってリクライニングしてしまっている。
自動運転に任せて、運転者は注意義務を放棄しているとわけだ。

こっわ…

そう思い、更に距離を空ける。
クラスタ内の他の車は、気がついてないのかしら…
十分に車間距離を取れないクラスタの中で平気でいる人ばかりだから、自動運転に任せてしまっている車が居ても気にならないのかも知れない。
ますます怖い。


新しい技術として自動運転が喧伝されて久しいけれど、未だ運転者の介入を不要とするレベルの自動運転は実現されていない。
現状の高速道路でのオートクルーズは、いつでも運転者が介入できる事が前提のレベル2のはずだ。

周囲状況を無視し弛緩した状況で映画を観てて、大丈夫な自動運転車が販売されたなんて聞いたことがない。

 

まして、テスラ。

かの自動運転は国産各社のそれより技術内容が低い、と僕は認識している。

  • 試験で歩行者のダミーを認識できずに跳ね飛ばしてしまう動画
  • 逆光になった時に周辺の状況を認識できなくなる
  • 分岐を認識できず左右の分岐路の真ん中の壁に突っ込んでしまう

等々の特徴的な課題を抱えていて、米国では実際に死亡事故を何件も起こしている。

そのうち国内でも、テスラの自動運転は事故を起こすだろう。

運転責任に無頓着で、自動運転の技術レベルを過信するオーナーが事故を起こすのだろう…

 

残念ながら、自動運転ではなくても危ない運転をするドライバーは居るし、事故は起こる。
いずれ近い将来には、レベル4やレベル5の完全自動運転の方が事故発生確率が圧倒的に低くなるだろうし、そうなれば良いなと思う。
肝心なのは、そういうリスクをどうやって自身から遠ざけ、巻き込まれない様にするかと言う事なんだろう。

個人にできることはそれくらい。

■映画 『マスカレードホテル』 2019日本

 

木村拓哉と長澤まさみ主演の映画。

続編の『マスカレードナイト』がWoWoWで初放送されるという事で、こちらも放送されていた。

ふと魔が差したような気持ちで録画した。

 

暇な休日の昼間に寝転がって視聴して、ちょっと驚いた。

面白いじゃん、これ。

 

いや、脚本がどうしたとか、主演の二人がとかは、どうでも良い。

凡庸だ。

 

面白かったのはカメラワーク。

カメラの運動、演者のフレームのイン・アウト…が、ちょっと煩い位に視聴者の視点を強制してくる。

煩いのだけど、それはそれで面白い。

 

出色なのは、結婚式場が襲撃されるシーン。

鏡になっている柱の列に、被害者、容疑者、警察が万華鏡の中の映像の様に次々と映り、視聴者はいい意味で翻弄される。

 

いや、面白い。

最近の日本映画としては出色のシーンじゃん、これは。

 

 

同じような事を期待して続編の『マスカレード・ナイト』を観る。

あ、こっちは凡庸だった。

撮影は同じ 撮影:江原祥二(J.S.C.)なのになぁ…

 

 

■書評  リヒャルト・フォン・ローゼン『パンツァー・エース』 ホビージャパン2022/1/20

 

パンツァー・エース (HOBBY JAPAN軍事選書)


著者は第2次世界大戦時のドイツ軍タイガー戦車隊の指揮官として有名な人。

この手の本を本屋で見つけると、ついつい買ってしまう。

 

そして読んで思う。

当時の戦車を稼働させるというのは如何に大変な事かと…

 

タイガーⅠで57t

キングタイガーで70t

 

自衛隊が運用している最新式の10式戦車で44t

90式戦車で50.4t

第2次世界大戦の戦車の方がはるかに重い。

 

燃料も食うし、故障もする。

転覆もする、

貴重な戦力なので故障したり、攻撃されて動かなくなっても、戦場に放置できない…

 

内容は戦車を駆って、戦場を駆け回る話ではない。

車体を受け取り、搬送し、燃料を調達し、故障車を回収し、修理し…

精一杯、稼働戦車の台数を増やす事に腐心する姿が描かれる。

 

前に読んだ、オットー・カリウスの『ティーガ―戦車隊』(宮崎駿のマンガ『泥まみれの虎』の原作)もそんな話でいっぱいだったけれど、こちらの本の方がもっと徹底している。

華々しい戦果を挙げているのにも関わらず、非常に地味で堅実な内容の本。