本中毒、映画中毒、仕事中毒、そして...恋愛中毒 -2ページ目

そろそろ次の事

ロシアとウクライナの戦争が続いている。

 

当初はあっと言う間にロシアがウクライナの政権を転覆させて終わると考えていたのだけど、ロシアが手際の悪さ、と言うより軍隊組織としての練度と規律の低さを露呈、逆にモチベーションも規律も高いウクライナと拮抗し、東部と南部の戦線は膠着・泥沼化、それ以外の北部や首都キエフを目指した戦線は押し戻されてしまった。

 

8月末くらいから更に様相が変わる。

ウクライナ軍が東部・南部で反転攻勢に出て、ロシア軍の戦線が崩壊、大規模な後退(本当に撤退できたのだろうか…)、ウクライナは領土を大幅に回復した。
更にウクライナは東部・南部での作戦を進めている。
その中で、先日、ロシア本土とクリミア半島を繋ぐクリミア大橋(ケルチ海峡大橋)が何者かにより爆破され、大きく損傷した。
完全な機能停止には至らなかったが、クリミア半島のロシア軍の補給には大きな支障が出る事となった。
逆上したロシアはウクライナ全土に長距離ミサイルを使った爆撃を実施、一般市民に多数の犠牲者を出した…
 
戦況を変えたのは、米国のHIMARSに代表される精密誘導ロケット弾。
 
従来の火砲による攻撃は、確率に基づいた攻撃。
目標近傍に着弾するけれど当たるかどうかはわからないし、散布界の中心が目標になるように修正を加えていく必要があった。
そうやって何発もの弾を発射して、やっと目標を破壊することができた。
 
しかし精密誘導ロケット弾は違う。
初弾でほぼ目標を破壊することが出来る。
以下はウクライナ軍のHIMARSによる攻撃の状況の動画。ほぼ百発百中の様に見える。
 
本当にウクライナの戦況がこの動画の様なものならば、有効な対抗策を持たないロシア軍は一方的に撃たれる。
戦闘が続く限り、戦場では一方的な虐殺が繰り広げられる…ロシアには勝ち目がないだろう。
 
 
そして、僕らはいつの間にか無意識のうちに、ロシアがいつ降参するのだろうと考えている。
ウクライナではなく、ロシアのプーチン政権が倒れ、どんな新しい体制がどういう風に生まれるのだろう?と想像している。
更にその延長線上に、国連の安全保障理事会の改革を意識し始めている。
 
常任理事国の拒否権などというバカげた仕組みで、国連安保理は結成以来長く機能不全だった。
その常任理事国の1国であるロシアが、国連憲章を踏みにじり隣国に侵略戦争を仕掛けたのが、今回の戦争。
今の安全保障理事会では世界平和を守れない。という事実を、僕らは改めて突き付けられた。
 
そろそろ本当に新しい仕組みを考えないといけない。

■書評 石井光太郎『会社という迷宮 経営者の眠れぬ夜のために』ダイヤモンド社2022/6/14

 

会社という迷宮――経営者の眠れぬ夜のために

 

1ヵ月以上前に購入した本なのだが、文章の密度が高くなかなかに読了できなかった。

 

すごく良い。

会社の経営に関わる意志がある人は是非読んでみるべき本だと思う。

 

著者は40年近く経営コンサルタントをされてきた方。

経営コンサルタントと聞くと、単純化した経営目標とか資本効率や労働生産性とかのMBAにありがちな空虚な経営学(?)の話を思い浮かべるのだけれど、著者はそういう数値は指標でしかないとバッサリ切り捨てる。

何をしたくて会社を経営するのか?という方が第一義なのだと。

 

僕も36年ほど会社勤めで経験があるのだが、事業をしていく中でどうしても指標に振り回される。

事業の目的や在り様ではなく、様々な経営指標の数値を良い感じに揃える事を求められる。

いつの間にか事業執行から離れてしまった経営陣達は、そうした指標の数値だけ確認して事業の是非を判断する様になり、会社の体力を浪費し、成長力を枯渇させる。

そういう環境の中で歯痒い思いをしてきた身としては、この本に書かれている事は福音の様に響く。

まさか経営コンサルタントの人から、この様な文言が届くとは思わなかった。

 

しかし、この本の中にも書かれている様に、多事業化・分業化が進んだ今の会社組織の中でキャリアを積んできた会社員の経営者が、上記の様な会社のグランドデザインを考えるのは能力に余る。

逆にコンサルタントの様に外部から一人で会社全体を俯瞰しないといけない立場の方が、それがはっきりと見えるのかも知れない。

だからこその、経営者の意志とコンサルタントの視点だろうと言うのが、著者の一番言いたい事なのだろう。

終戦の日

8/15は第二次世界大戦(太平洋戦争)の終戦記念日だ。

テレビでは朝から様々な番組で特集が組まれ、お年寄りや様々な識者が、

「戦争はしてはいけない」

「戦争の悲惨さを伝える情報発信が足りない」

云々としたり顔で話しているのが放送されている。

 

毎年、この手の放送を見るたびに、平和原理主義とでも言うような思考停止と愚かしさに、僕は違和感を覚える。

別に彼らの言っている事が悪い事だとは思わない。

お年寄り達は、自分たちの経験と平和を希求する気持ちを素直に語っているだけで、そこには変な作為やウソはないだろう。

 

但しそれは、被害者の視点による一方的な語りであり、当事者や加害者としての視点、即ち、なぜ戦争が起こったのか?(起こるのか?)、自分たちはその戦争生起にどう関わったのか?どうすれば本当に戦争を防ぐ事ができるのか? そうした責任感、自省、そして想像力に欠けている様に思える。

まして、理不尽に始まったロシアーウクライナ戦争の状況が毎日に様に報道されている今年は特に、そうした被害者視点による反戦の主張は、上記の様に、思考停止した愚かなで無責任な平和原理主義に見えてしまう。

 

 

まず、当時の日本は戦争当事者であったという視点が必要と思っている。

暴走した軍部が悪い。という事は言えても、その軍を支持したのは国民だ。

国民が軍を一定レベルで支持していた事実を、無かった事にしてはいけないだろうと思う。

当事者のくせに、戦争の被害者みたいな言説をしている限り、それは無責任と言うものだ。

自虐史観に基づき反省すべきだ。とは言わないが、軍部を暴走させた要因を調べ対策を考えてみる必要はあるだろう。

そういう意味で、8/15の多くの番組は戦争後半の悲惨な敗戦体験や生活苦ばかりを取り上げ安直な被害者視点に立っている様に感じるのだ。

 

 

第2に本当に平和を維持するために必要な事は何か?を考えていない様に見える。

今年勃発したロシアーウクライナ戦争は、第二次世界大戦後に作られた平和維持の枠組みや理想を完全に瓦解させた。

平和維持の為の国連常任理事国であるロシアが、自らの役割を捨て隣国ウクライナに一方的に侵略戦争を仕掛けたのだから。

反戦活動だけに頼り平和を維持するという、多くの日本人が抱いていた理想が、理想ではなく幻想でしかないと気付かされた一大事件だった。

 

プーチンが悪い。プーチンさえ居なければ平和だった。

と言っても仕方ない。

プーチンやそれに準ずる暴力を信奉する輩は、有史以来必ず居たし、これからも出て来るだろう。

 

戦争は仕掛けられる可能性を常に孕む。

相手がある限り仕方ない。

そして、日本周辺には、日本を敵国認定してしている隣国が多い。

ロシア、北朝鮮、中国、そしておそらく韓国も…

残念ながら、そういう国は我々と異なる価値観を持ち、外交政策も互いに相容れられない部分が多い。

そうした中で、どうすれば独立を保ち、戦争を避ける事ができるのか?

戦争から目を背ける事では、それは不可能だろう。

常に戦争の可能性を考え、備えをしながら、それでも戦争にならない方策を希求する事でしか実現できないのではないかと僕は考えている。

永遠に続く辛い綱渡りだが、平和を守るという事はそういう覚悟が必要なのだろう。

そう考えながら8/15の番組を観ている。

 

まぁ僕が上記した様な内容を放送すれば、局にいろいろな平和団体からクレームがジャンジャン入ってきて大変な事になるから、そんな放送はしないのだろうけれど…

でも、そういう「事なかれ主義」や「忖度」が戦争に続く道の第一歩になる。

マスコミはもうちょっと勇気を持ってほしいと思う次第。