グラスホッパー 伊坂 幸太郎

またまた伊坂幸太郎。
最近はこの人の小説しか読んでいないな。
さて、この小説には多数の殺し屋が登場する。
押し屋という殺し屋。
人を自殺させる殺し屋。
ナイフで刺し殺す殺し屋…
まぁイロイロいるわけなのだが、その中に殺し屋の仲介をしている「岩西」という男が登場する。
彼はこの小説中でジャック・クリスピンというロック歌手の言葉を引用をしているのだけれど、それがなかなか興味深かったのでここに抜粋してみる。
あのジャック・クリスピンも言っていただろうが、『時間を守れば身を守る』ってなp44
ジャック・クリスピン曰く、『二十代の男は、知らないことが多いほうが幸福だ』ってな。p46
ジャック・クリスピンも言ってるだろうが。『やったら、逃げろ』」p50
つまりあれだ、『隙間を探せ』ってやつだ」どうせ、それも引用だ。p51
大事なのは準備なんだよ。トンネルから飛び出す前こそ気をつけろ、だ」「ジャック・クリスピン曰く」p70
『死んでるみたいに生きていたくない』というレトリックを最初に使ったのは、ジャック・クリスピンだよ。p70
ジャック・クリスピンはこう言ったんだぜ。『許してやるのは最初だけ』ってな。p98
ジャック・クリスピンはな、本当に国を導く人間は、政治家の格好をしては現れない。そう歌ってんだよ。p99
『同じ場所に置かれた物は腐る』って言葉知らねえのかよ。p99
信用を得たければミスするな、だろp145
ジャック・クリスピン曰く」と言った。「人生から逃げる奴は、ビルから飛んじまえ」p200
ジャック・クリスピンはな、音楽活動をやめる時に、雑誌の記者に、『引退したら、何をやりたいか』って質問されたんだ。で、何て、答えたか知っているか?…ピザを食いたいp207
そして岩西は最後にこう言っている。
「神ってのはジャック・クリスピンのことかよ」
コレだけでは何が何やらよくわからないかもしれないけれど、岩西にとってジャック・クリスピンとは自分の分身であり、自分の中の言葉では説明できないものの発露だったのかもしれない。(言葉にしているけれど…)
つまり、人間が言葉で説明できないものを神や宗教で説明付けてきたことと同じことをしていたことをやっているのだ。
たとえこの先、すべてが数字で表せる世界がこようとも神や宗教はなくならないと僕は思う。
人間の脳には限界があるから。二次方程式すら満足に解けないこの人間の脳では…
とにかく、そんなことを思わせた小説でした。
ツァラトゥストラはこう言った 上 岩波文庫 青 639-2/ニーチェ
