第35講から第39講まで書いてきました「通貨払いの原則」「直接払いの原則」「全額払いの原則」「毎月1回以上払いの原則」「一定期日払いの原則」を合わせて「賃金支払いの5原則」といいます。


つまり、賃金は、通貨で、直接、全額を、毎月1回以上、一定の期日に支払わなければなりません(労働基準法24条)。

賃金は、一定の期日を定めて支払わなければなりません。


これを「一定期日払いの原則」といいます。


支払日は、「毎月25日」とか「毎月末日」のように特定されていなければなりません。


支払日が休日の場合は、多くの会社は休日前に支給しています。


ただ、就業規則で「支払日が休日の場合は、その翌日に支払う」と定めておけば、休日明けの日に支払っても問題ありません。

賃金は、毎月1回以上支払わなければなりません。


これを「毎月1回以上払いの原則」といいます。


賃金の支払い間隔が不当に長いと、労働者さんの生活が不安定になるからです。


ただし、臨時に支払われる賃金(結婚手当等)、賞与、1ヶ月を超える期間の出勤成績によって支払われる精勤手当、1ヶ月を超える期間にわたる事由によって算定される報奨金などは、毎月払いでなくてもよいとされています。

賃金は、その1回で約束した全額を支払わなければなりません。


これを「全額払いの原則」といいます。


しかし、もちろん税金や社会保険料など法令に定めがある場合は、控除が認められています。


また、書面による労使協定によって社宅費などを控除することは可能です。


欠勤・遅刻・早退によって就労しなかった分の賃金は、就業規則に定めがあればそれに従うことになりますが、定めがなければ「ノーワーク・ノーペイの原則」により、不就労部分の賃金を差し引いても「全額払いの原則」には反しません。

賃金は、直接労働者に支払わなければなりません。


これを「直接払いの原則」といいます。


代理人に支払うことはできません。


ただし、例えば本人が病気でその妻が「使者」として受け取ることは論理的には可能です。


でも、実際には「代理人」と「使者」の区別は難しいです。


通常行われている口座振込みによる支払いは「直接払いの原則」の例外です。


よって、労働者本人の同意、労働者が指定する本人名義の口座に振り込まれること、振り込まれた賃金全額が所定の賃金支払日に引き出せることが有効要件となります。