賞与とは、定期または臨時に、原則として会社の業績や労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額があらかじめ確定されていないものをいいます。


つまり、賞与は必ず支給しなければならないものではなく、支給基準、支給対象者、支給日などは、労使間で自由に決めることができます。


よって、賞与の支給内容は、就業規則等にどのように記載されているかによります。


通常は、「賞与は、毎年6月及び12月に業績及び本人の勤務状況・成績等を勘案し支給することがある」等の規定で、会社が支給義務を負わないようにしているところが多いです。


しかし、就業規則等で具体的な支給率や支給額を定めている場合は、業績の悪化等を理由に支給しないことはできません。

賃金計算上生じる端数の取扱いは「全額払いの原則」との関係で注意してください。


端数の切り上げは、労働者さんに有利ですから何の問題もありません。


しかし、一方的な切下げは問題があります。


行政解釈では次の場合、違法とは取り扱わないことになっています。


①1時間当たりの賃金額、割増賃金額に円未満の端数がある場合、50銭未満を切り捨て、それ以上を1円に切り上げる


②1ヶ月の賃金支払額(必要な控除等を行った後の額)に100円未満の端数が生じた場合、50円未満を切り捨て、それ以上を切り上げて支払う


ただし、こういった処理は就業規則に規定しておくべきです。


残業を命じた場合、使用者は割増賃金を加えた残業代を払わなければなりません。


しかし、会社によっては残業代を賞与時にまとめて払うというところもあります。


これは、第37講で説明しました「全額払いの原則」に反します。


1賃金計算期間に発生した賃金は、法定控除(法律により賃金から控除が認められているもの)や、協定控除(書面による労使協定により控除が認められているもの)を除いて、全額その賃金支払日に支払わなければならないからです。


その月に発生した残業代は、その月の賃金支払日に支払わなければなりません。

労働契約上、通勤交通費を支払う場合は、「通貨払いの原則」により、通貨で支払うことになります。


定期券の支給は、現物支給ですから、労働協約で定める必要があります。

いままで「賃金支払いの5原則」を書いてきましたが、この5原則との関係で問題になりそうなケースを、ここしばらく書いていきます。


賃金・退職金は小切手で支払ってもいいかが、「通貨払いの原則」とで問題になります。


結論は、退職金については労働者本人の同意があれば小切手で支払うことはできます。しかし、退職金以外の賃金については、たとえ本人の同意があっても小切手で支払うことはできません(労基法施行規則7条の2)。