前回の講座で、「期間の定めのある契約」は原則として最大3年と書きました。


今回はその例外のお話です。


「期間の定めのある契約」で3年を超えて契約できる場合は次の2つです。


①一定の事業の完了に必要な期間を定めるもの

 例えば、建設工事で工事終了までの期間を定める契約。


②労働基準法70条による職業訓練のため長期の訓練期間を要するもの



さらに、期間が5年まで可能な場合は次の2つです。


①厚生労働大臣が定める基準に該当する高度の専門的知識、技術、経験を有する労働者をそのような高度の専門的知識を必要とする業務に就かせる場合

 例えば、病院が医師と5年契約をする場合。


②満60歳以上の労働者を雇い入れる場合

労働契約の期間については労働基準法14条に定められています。


これは大きく2つに分かれます。


①期間の定めのない契約

  正社員で採用される場合は、ほとんどこのケースです。


②期間の定めのある契約

  パート、アルバイト、嘱託など、非正規で雇われる場合はほとんどこのケースで す。例えば、6ヶ月契約。


期間の定めのある契約は原則として3年を超えることはできません。


期間の定めのある契約をすると、その間は辞めることができないので、不当に長く労働者さんを拘束しないためという趣旨です。 

労使関係は労働契約の成立によって始まります。


労働契約法第6条 

「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。」


つまり、「御社で働かしてください」

「分かりました。では○○という条件で雇いましょう」、で契約成立です。


契約書がなくても、その時点で労働者には労務提供義務が、使用者には賃金支払義務が発生します。




前回、法律には強行規定と任意規定があるということを書きました。


それでは、労働法の中核である労働基準法はどうでしょう。


結論から言いますと、強行規定です。


使用者を経済的強者、労働者を経済的弱者ととらえ、弱者である労働者を強者たる使用者の理不尽な行為から守るのが労働基準法である、という構図になっているからです。


労働基準法13条「この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による」とあります。


つまり、労使間で合意しても労働基準法に反する部分は無効になるのです。

本日から、シリーズで労働法をやさしく解説いたします。


労働法(労働のルール)を知らないことが原因で労働トラブルが発生することがよくあります。できるだけ多くの方々に労働法を知っていただき、労働トラブル防止のお役に立てれば嬉しいです。


第1講目は、強行規定と任意規定のお話です。


法律には、強行規定と任意規定があります。

強行規定とは、当事者の合意があってもその適用を排除できない規定、任意規定とは、その規定よりも当事者の合意が優先する規定です。


例えば、民法624条に「労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない」とありますが、労使間で報酬の前払いを合意すれば別に何の不都合もありませんよね。だから、この規定は任意規定です。


民法90条に「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」とあります。例えば、売春契約、これは当事者がいくら合意したからといって有効になるのはおかしいですよね。だから、民法90条は強行規定です。


このように、一口に法律といっても効力の違いがあるということを覚えておいてください。