惜春(前編)西神田逍遥 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(西神田で見つけた得体のしれない店 こういう佇まいには無性に惹かれる)

 

 ブログ友のAさんが晴れて定年退職を迎えた。

 Aさんの勤める会社は今では少数派になった「誕生日(または誕生月の末日)=定年退職日」タイプで、実際の定年退職はもう少し先なのだが4月から年休消化に入るので今日が最後の出勤日ということで、ささやかな定年祝いをすることにした。

 

 Aさんとブログを通じて知り合ったのは5年前のこと。初対面で酒を飲むことになった日のドキドキは今でもはっきり覚えている。

 

 本来ホスト側の私が店を手配すべきだが、そこは年の功より亀の甲、イケ図々しくもAさんに焼き鳥の良店「中むら」を予約していただいた。

「中むら」に連れ立って行くのはこれで3回目になる。

(初めて「中むら」に行ったのは2019年4月14日)

 

 朝から楽しみにしていたせいで、約束より30分ほど早く神田に着いてしまった。

 西口商店街に入ると鰻の名店中の名店「うな正」が健在だ。

 30年以上前のことだが、勤務先が大手町だったころには自主的にフレックス出勤にして通勤の途中でここでよくうな丼を食ったものだ。

 う~む。

 30分あればうな丼をチャチャっとやっつけるのに十分だが、好漢自重すべし、ここはぐっと我慢する。「克己心」、そんな言葉が脳裏をよぎった。

 

(うな丼、うな丼ダブル、うな重の三兄弟を全部頼んでも八ヶ岳南麓の鰻の名店「風に吹かれて」より安いという圧倒的なパフォーマンス)

 

 そうだ「中むら」の後はちゃんぽんの名店「西海」に行ってみよう、初めてAさんと飲んだ時も三軒目は「西海」だったはず、というので出世不動通りへ。

 ここも30年以上前には朝な夕な、もとい昼な夕な通ったものだが、看板は残っていたものの店はあとかたもなくなっていた。

 

(2019年6月閉店の由 長いことお世話になりました)

 

 まだ時間は十分あるので、新たな店探しに。

 大通りを渡って神田美土代町方面にフラフラ進んでいくと、なにやらケバケバしい店にぶちあたった(冒頭の写真)。

玄氣」という居酒屋らしい。店の右側(西面)はパン屋さんになっていた。

 

 

(こっちもまたケバい)

 

 なんだか気おされてパンをぼんやり眺めていると「パンが決まったら声かけてください」と奥から女性の声がした。

 

 

(ビーガン系統の店らしい)

 

 買う気はさらさらなかったのだが、こうなると素通りはできない。といって今日は手ぶらで来ているのでパンを持って帰るのも億劫だ。

 そうだ、Aさんの退職祝いにしちゃお、というので「大豆ミートベジカレーパン」と「いちじく、クルミ、レーズンパン」をお買い上げ。

 

 ちょっと安価にすぎるきらいはあるが、まあ気は心である。

 約束の5時30分が近づいた(続く)。