
(散歩の風景 神田川源流でエサを探すカモのカップル この朝の気温は4℃)
1か月ぶりに八ヶ岳南麓に行くことになった。
目的は「セカンドハウスの固定資産税減免」を受けるべく北杜市内の買い物レシートをゲットするため。1月の日付のものと2月のもの2枚をまとめて入手できるように1月末から2月アタマまで滞在する算段である。
ここで固定資産税減免制度についておさらいしておこう。
我が国の固定資産税は1873年(明治6年)に時の明治政府が従来の年貢に代わって地租を徴収するようになったことに始まる。
地租の対象は田畑のみ(年貢の代わりだから)だが1874年国家歳入の実に80%超が地租税収だったというから、明治政府が勧めた殖産興業に地租が果たした役割は実に大きかった。
また1882年(明治15年)には一種の人頭税として「家屋税」の徴取が始まった(徴税主体は都道府県)。
戦後1950年に至りシャウプ勧告に基づいて両税は「固定資産税」として一本化、地方税として扱われるようになった。
もともと地租は所得税類似のものだし家屋税は現在の住民税均等割のようなものだから性格も税率も大きく異なる。それを無理やりまとめたものだから固定資産税は矛盾を内在するものとなり、住宅に関する減免制度(←税率でなく土地評価額を調整する)を数多く生み出す原因となったわけだ。
そもそも資産を保有すること自体に税金を課すのは不合理だ。
当該資産から利益をあげれば所得税で捕捉すればいいし、資産の売買には消費税を課せばよい。「ぜいたく税」的な一種の社会的制裁だというなら相続税でシメあげればよい。
つまり固定資産税は歴史的な役割を終えた陳腐な税制なのである。
前置きが長くなったが、おカミ(現総務省)はいつからか「セカンドハウス特例」というものを始めた。いわく、
「毎月必ず1日以上滞在する別荘は『セカンドハウス』とし、現住不動産並みの固定資産税減免をしてやる」というもの。
つまり土地の場合200㎡以下の部分は課税標準額を6分の1に、それを超えた部分は3分の1に
減額してやる、というのである。
この恩典を受けるためには滞在の証拠となるものを5年間保管しなくてはならない。
我が北杜市の場合は市内で発行された日付入りのレシートか、須玉・長坂など市内ICで乗降したETC履歴とされていて、電気や水道などの公共料金のレシートは不可とされている。
保管なんかしなくたっていいじゃないの、と思ったら大間違いだ。私の知人でも、
「〇〇年〇〇月のレシートをみせてください」と抜き打ち検査をくらった方が何人かいらっしゃる。セカンドハウスの実態なし、となると過去分も含めて減免が取り消されてしまう。

(未来永劫減免を受けられるようだが、代わりに未来永劫常時5年分のレシートを保管しなくてはならない 北杜市HPより)
こんなバカバカしいこと(私にとってもチェックする市職員にとってもだ)止めちゃおうかと思って試算してみてオッたまげた。
平成6年の我が家の土地の固定資産税は年間1万3000円。
都内に比べれば屁のような額だが、これが減免がなくなると4万7000円にハネあがってしまうから侮れない。
他所の自治体はどうしているのか調べてみてまたオッたまげた。
軽井沢町、箱根町、お隣の富士見町では抜き打ち検査でなく、毎月のレシートを全部提出することを義務付けているらしい。北杜市の方がいい意味ナマケモノだったのね。
「上に政策あれば下に対策あり」という。
こんな時は北杜市にお住まいのどなたかにレシートをとっておいてもらえばよいのだが、「セコいヤツ」と思われるのも業腹だ。
さてどうしたものかとモヤモヤしていると、
「1月中に一度やりませんか」とゴルフ友のAさんから連絡があった。
やった~。
八ヶ岳南麓に家を構えて9年、これまで冬の八ヶ岳も好きで毎月欠かさず滞在していたが、なんだか寒さが身に沁みるようになった。
これからは1月末~2月アタマ、2月末~3月アタマにゴルフをしにいって、ついでにレシートをゲットすることにした。