花見2020④眼福と口福 谷戸城址と「自然屋」 | 八ヶ岳ゆるふわ日記

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八ヶ岳南麓大泉と東京を行ったり来たりの毎日。日々のよしなしごとを綴ります。

(谷戸城址山頂から望む八ヶ岳)

 

 2020年の花見のフィナーレは谷戸城址

 今から900年近く昔の大治5年(1130)、常陸国那珂郡武田荘から甲斐国巨摩郡逸見(へみ)郷に流罪となった甲斐源氏の祖源清光(新羅三郎義光の孫)は、この地に土着してからは逸見氏を名乗るようになり、やがて谷戸城を構築して居を構えた。

 清光の死後その嫡男有義は鎌倉御家人の政争にまきこまれ、正治2年(1200)谷戸城から逐電した。以降甲斐源氏の系統は武田氏を名乗った弟信光に引き継がれ、それに伴い甲斐源氏の本拠は須玉(若神子)、石和を経て甲府(躑躅が崎)へと移り、谷戸城は武田家の一支城となった(有義の谷戸城逐電の関連記事は → ここ )。

 それでも武田家と八ヶ岳南麓の最大勢力であった諏訪家(諏訪家は甲斐国に進出して長坂町一帯を支配したことがある)との抗争が続いていた頃には谷戸城の戦略的価値も高かったはずだが、天文11年(1542)に武田信玄公が諏訪家を滅ぼした後はおそらく廃城同然の扱いとなったものと思われる。今では土塁や郭の痕跡がわずかに往時をしのばせるだけだ。

 

 

(南側から登る方が趣があるが今日はなだらかな北面から)

 

 城址にはソメイヨシノ、ヤエザクラなど400本の桜がある。

 桜を愛でながらかつての郭の跡を上がっていくとやがて狭い本丸郭へ。桜越しの八ヶ岳や甲斐駒が美しい。

 

(山頂の桜と松は「荒城の月」を思わせる)

 

 八ヶ岳南麓に桜の名所はあまたあるが、私は谷戸城址の桜が一番好きだ。

 

 

(「城址の桜」というだけでおセンチな気分に)

 

 花見の後は谷戸城址からクルマで5分ほどの所にある「自然屋」へ。待ちに待った今春のオープンは4月6日。今年は桜の開花が早いので期せずして同時に楽しめることになった。

 

 

 私はいつもの「ヤマメフライ定食」、家内は「八ヶ岳定食」にした。

 まずは共通のプレート。

 

平皿:右上から時計回りに 山菜酢の物、お新香、ツリガネニンジンの胡麻和え、タンポポのお浸し、

    甘草(カンゾウ)のわさびマヨ、レンギョウ(飾りだから食っても不味いはず)

小鉢:菜の花と高野豆腐の煮物

吸物:つくしと山菜

 

 ヤマメフライがやってきた。

 よ、久しぶり。大向こうから声がかかる。

 

(旨いんだな、これが)

 

 「八ヶ岳定食」は3点セットである。

 

天ぷら:ヤマメ3尾、ふきのとう、山ウド、行者ニンニク、もうひとつ(山ウド×2だったか)

イワナ刺身、山盛りサラダ(ヤマメフライのサラダと同じもの)

 

 花見と自然屋とどっちがいいのか?

 それを聞くのは野暮というもの。桜と自然屋で八ヶ岳南麓もいよいよ春爛漫である。