今回は英語の選定教材についてのブログ.

 

昨今入試が変わりスピーキングが導入されたり,外部入試の導入等騒がれているが,東大はしばらくは外部入試の導入はせず,独自入試のみで評価するという旨を発表している.私もこのことについて完全に同意している.そもそも,TOEICはビジネス英語,英検は実用英語,TOEFLはアカデミックな英語,工業英検は理系の専門用語,国連英検は国際情勢に対する理解力を問うものである.以上の他にもさまざまな外部入試を取り入れようとしているが,正直言って軸がぶれすぎであると思う.大学入試の本来の目的は,将来の学術研究に耐えうる思考力,最低限の教養を身につけているかを測るためのものであるはずだ.その基準が複数存在するのはおかしいし,不公平であると思う.ゆえ,今年の東大入試に英文和訳が復活したことは旧来ながらの英語教育,原点に戻れとの警鐘であるように思える.

 

以上の時代背景を踏まえた上で,さまざまな入試形式,設問形式が存在するが,大学生になるための試験対策として身につけるべき能力は,文法力,英文解釈力,和文英訳力,自由英作文力,語彙力である.

 

上記の能力を養うために必要な教材は

 

文法力:スタディサプリの文法講座

 

英文解釈力:リーディング教本,英文解釈教室

 

和文英訳,自由英作文力:和文英訳教本シリーズ

 

語彙力:DUO 3.0,DUO elements

 

である.

 

それぞれの教材についての説明は次回以降のブログで述べていこうと思っている.

今回は生物の参考書についてのブログ.

 

まず高校の生物については,物理と化学と比べるとその範囲はかなり広範囲で体系性もかなり見出し難い.というのも,高校生物の教科書に載っている範囲のほとんどが現在研究中であるものがほとんどであるからだ.同範囲の専門書等を読んでも,この範囲はまだ研究中であるため詳しい仕組みは明らかになっていないというようなもののオンパレードである.つまり,化学や物理に比べて学問としての歴史も浅く,まだきちんと整理されていないというのが生物学のほとんどの分野の実態である.さらに入試問題では,そのような最新の話題や有名な大学の教科書の記述内容を,多少の誘導を用いながら解かせるというかなりハードな内容となっている.その上,問題の形式は論述形式が多いため答えが吟味しやすい物理や化学に比べかなり対策のし難いものとなっている.以上が大学受験で生物選択が不利と言われる理由である.

 

以上の入試での背景を踏まえた上で,どのような学習をしていけば不利な状況を逆転して合格点を勝ち取れるか以下述べる.それにはミクロ&マクロな学習を徹底する事である.まず,マクロな勉強というのは,生物は体系性が少なく暗記の割合が多いのは事実であるが,理系科目であるのでそこには生物学独自の理論が存在しているということである.たとえば,酵素反応においてフィードバック制御のメカニズムの中には,化学の分野にはあまりなじみのない抑制解除の反応が多く存在する.この抑制解除系の考え方は生物独自のものである.つまり,このように生物分野に独自に存在しているメカニズムや理論わきちんと理解し身につけることが大事である.またミクロな勉強とは,やはり生物は化学や物理に比べると大量の用語が出てくるので,これをきちんと攻略することである.たとえば,補償点とは何か問われた時に,呼吸による酸素の消費量と光合成による放出量が等しくなり,見た目上酸素のやりとりが起こってないように見える時の光の強さ.というように滞りなく説明ができるように用語をおさえていく事である.

 

上記の学習をする上で現時点で最も使いやすい参考書は,生物合格77講と大森の最強講義117講である.

 

まず生物合格77講について.この参考書は著者があらゆる教科書に載っている用語や説明を精査してまとめ上げ,多少込み入った大学の内容まで説明を付与した,大学入試に必要なものは何かと言うものに一つの答えを示した,素晴らしい参考書である.これを勉強の中心に据えて学習を進めていけば,最短距離で過去問演習までたどり着けるであろう.

 

次に,最強講義について.この参考書も基本的に生物の学習に必要な要素を全て含んでいるが,少し内容がマニアックでレベルが高めに設定されている.完成させた後の到達点は合格77講よりも高いが,合格点を最短で取りに行くという命題の下では,どうしてもメインで選ぶ参考書としては2番手になってしまう.合格77講を終え過去問に進んだ時に辞書的に用いるのが,最良の使い方に思われる.

今回は化学の選定教材についてのブログ.

 

そもそも高校化学では3つの分野に化学を分けている.それは,理論化学,無機化学,有機化学の3分野だ.

 

まず,理論化学は大学になると物理化学という分野になる.よって,この分野は物理的な思考を多く要すので生物選択者には多少取り組みにくい分野でもある.しかし,物理選択者にとっても物理ほどの体系性を持っていないので,苦手意識を感じる生徒も意外と多い.しかし,化学反応の理論を扱っている分野であるので,この分野のマスターは必須である.

次に,無機分野は,無機物の反応にともなう気体の発生,沈殿の形成,元素別各論を理論化学の手法を用いて説明する分野である.基本的に化学反応を暗記すればよいと思われがちであるが,ここでも理論化学との融合問題が出題のメインなので,ただの暗記にならないような学習が必要になってくる.

最後に,有機化学についてである.この分野は構造決定を主とするパズル要素が非常に強い問題が多い.これらの問題に対応できるような学習法,つまり,一つ一つの知識を単純暗記するだけではなく,いつ,どこで,どの物質が反応に関わるか,どういう物質であれば反応の結果にあらわれるものとして妥当かを常に意識する学習が必要になる.

 

以上まとめると,まず理論化学をきちんと身につけた上で,その理論を背景に無機物質,有機物質の各論を理解,覚えこむことが望ましい学習法である.よって用いる教材は,教科書レベルの知識は網羅しており,さらに,それぞれの理屈をきちんと高校レベルで説明してくれているものである.

 

上記の条件を満たしている参考書として最も優れているのは,駿台からでている新理系の化学(上・下)である.それぞれの分野の体系性を示す表,無機,有機反応の一覧表,化学史の年表など高校化学をこれほど完璧にまとめたものは他に存在しない.記述が難しいため読者を選ぶという点があるが,そこに目をつむれば現状最高の参考書である.

次点としてオススメできるのは,化学の新研究である.この参考書も理屈をこと細かに説明をしてくれているし,網羅性も申し分ない.ただ体系的に勉強するには,知識がバラバラになっている感が否めない.よって,辞書的に用語を調べるために使うというのがよい使い方であると言える.

今回は, 物理の参考書に関してのブログ.

 

先日のブログでは, 物理入門とエッセンスがおすすめと書いたので, そのことについて詳しく述べていく.

 

参考書について述べる前に, 高校の物理の学習方法についてよく話題になる微積か定性かについて考える. 駿台を代表とするいくつかの塾や予備校において, 微積分(といっても数Ⅲ範囲)を用いて物理を教えることがある. 確かに大学入学後の物理は,理系学部であれば微積を用いた力学や電磁気学を学ぶ.さらに,物理学の本質を掴むためには微積

を用いることが有用である.ただここにはいくつかの弊害がある.まず,大学生でもないのに線形微分方程式やテンソル,その他の大学数学の内容を身につけるのは時間がもったいないし,まずそのような問題は出題されない.東大をはじめとする難関大の場合は,基本的にエッセンスや教科書にある内容(公式や各用語の定義)をおさえていれば問題なく正解できる.高校で習う範囲の公式のみを用いて,いかに複雑な物理現象を考察していくかが,問われている力である.

 

では,なぜ高校の範囲を逸脱し,少し高度な数学の内容まで理解し,微積物理を行う予備校,塾が多数存在するのであろうか.その理由は,微積物理を学ぶことにより,物理の体系性が掴めるからである.ともすれば,ただの公式の暗記,解法の暗記に終始しがちな物理の学習であるが,微積物理を学ぶことでその体系性,もっといえば,物理学の美しさの一端をうかがい知ることができる.受験勉強とはいえ,無味乾燥に得点力を上げるだけの勉強だけではつまらないと感じる生徒も多い.医歯薬系の将来物理を本格的に学ぶことのない受験生であっても,物理学の美しさを感じることができれば勉強自体が有意義なものになるし,本来の物理の姿を知ることは入試問題を解く上でも有用である.

 

以上の高校物理の指導背景,入試の現状を踏まえたうえでオススメするのが,物理のエッセンスと物理入門である.

 

エッセンスは言わずと知れた高校物理の名著であり,多くの高校生が用いている事が多いであろう.よく基礎を固める参考書であると言われているため,内容は簡単であると思われがちであるが,実際に収録されている練習問題には東大や京大の過去問をデフォルメしたようなものや,そのまま難関大入試の設問として登場しても良いようなものが集められている.この参考書を本当の意味でやり込めば,基本的にどのような入試問題も解けるだけの素地は出来上がるといえる.

 

基本的に大学入試で得点する為だけであればエッセンスだけでよい.ただ先ほども述べたように,本格的に物理を理解していきたい,それぞれの公式や定義の関連性や物理の本質を理解したいというのであれば.物理入門がよい.ただし,物理入門の文章は硬派で大学の教科書に非常に近い仕様になっているので,周りに信用できる物理の教師または微積物理を学び,物理がとても得意な友人等がいなければ,独学では手を出さない方が良い.

今回は, Focus Goldについてのブログ. 

 

啓林館から出ているこの参考書は, ⅠA, ⅡB, Ⅲがそれぞれ出ている. チャート式同様に網羅的な参考書であり, 教科書レベルの問題から入試の典型問題のレベルまで広くカバーしている. 例題と練習問題, Step Up, 章末問題から構成されるマスター編, Level Up問題, 演習問題から構成されるチャレンジ編, より深い内容まで問題を掘り下げている読み物としての実践編. 以上の3つのパートに分かれている.

 

では, 数ある参考書の中でなぜFocus Goldがオススメであるかといえば, それは選定されている問題の無駄のなさである. 

 

まず, マスター編について. ここで扱っている問題はレベルが全て*で表されている. だいたい, *〜***までをマスターすればセンター試験では満点, 一般の国立医学部に合格するレベルまでは到達する. そして, ****までマスターすればどんな大学の入試であろうと合格できるレベルに到達できる. ここで, 対抗馬となってくるのは青, 赤チャートや1対1であるが, 正直この2つを用いても全く問題なく実力を養うことができる. しかし, 青チャートだけでは入試対策と考えると易しい問題まで収録されており, 赤チャート, 1対1ではセンターに出得るある程度易しい問題は省かれている. 以上の理由により, センターと二次試験のことを考えた場合, 青チャート+赤チャート or 1対1の両方が必要になるため, より教材を絞って勉強するにはFocus Goldにしておくと効率が良いということである. 

 

次に, チャレンジ編について. ここで扱っている問題は, 出典を見ればすぐにわかるが, 東大京大, 早慶, 医学部が普通に含まれている. マスター編を8割以上解けるようになれば, この問題にトライして, マスター編で扱われている内容がどのように入試では問われるか, 融合されているかを体感し, 身につけることが大学入試合格点を取れるために必要である. ここで, 問題演習としてはスタ演ややさ理, ハイ理, 新数演等を用いることも, もちろん良いし実力はつくとは思うが, 学習の効率化を考えた場合, チャレンジ編とマスター編を最短距離で終わらせて, 過去問演習に取り掛かった方が良い. ゆえに, 問題演習に関してもFocus Goldで十分なのである.

 

最後に, 実践編について. ここでは典型題ではない入試問題に出会った時の対処法について説明がされている. 東大や京大の問題では, 発想力を求められる問題が出題されるが, そのような問題に出会った時に, どのような発想をすれば良いか, なぜそのような発想に至るかについて, 1つの指針が述べられている. 東大の過去問演習に取り掛かった時に, ここを読むと難問を解くために役に立つようなことが述べられている. ここで, 月刊大数の読み物を利用し様々な考え方を取り入れていくというのも, もちろん実力をあげる1つの手立てではあるが, 一貫したコンセプトである効率化という観点には反してしまう. よって, この点でもFocus Goldのみに絞ることをオススメする. 

 

以上のような理由により, Focus Goldをオススメしているし, 実際に合格する生徒ほど様々な問題集に手を出さずに, Focus Gold +過去問で乗り切っている. もちろん, 数オリに出るような生徒, 将来数学科に進みたいような生徒は, 興味に応じて様々なものに手を出して, センスを磨いていくことが良いとは思う. ただ, 限られた時間の中で合格に必要な情報だけを取捨選択するためには, 無駄のない計画を立てることが必要である.

今回は各科目の東大入試への基幹教材についてのブログ.

 

基本的に大学入試は教科書をルールブックとして作られているので, 教科書の内容さえきちんとこなせば, たとえ理Ⅲであっても合格できるようなっている.

 

とはいっても, 教科書は, 必要十分の内容で構成されているため, 理論背景等を理解するためには不十分である.

 

例えば, 化学の軌道論の量子化学的な背景, 生物のRNA干渉, 物理の電磁気学のmaxwell方程式についてなどは, 多少の紹介や説明があっても良い. 今までの指導経験から灘や開成の生徒達は, ここら辺の話を多少交えて説明した方が, 変に暗記一辺倒の学習よりも楽しく理解をしてくれる.

 

では, 受験を突破するためにはそのような大学で使うアトキンス, マクマリー, ファインマンといった教科書まで必要なのか?という疑問がでてくる. 答えはNoだ. 確かに, 将来(大学の教養課程)学ぶ内容であるので無駄にはならないが, 上記のような書籍を完全に理解するためには大学内容の数学の知識が必要であり, 大学受験のためには不必要な内容である. そもそも, それでは大学入試ではなく大学院入試になってしまう. 

 

前置きが長くなったが, 教科書の内容を網羅しつつ東大入試に耐えうるレベルで学習できる教材を以下挙げていく.

 

数学 : Focus Gold

 

物理 : 新物理入門 or 物理のエッセンス

 

化学 : 新理系の化学 or 化学の新研究

 

生物 : 大森最強講義117講 or 田部の合格77講

 

以上である.

 

詳しい説明については後日, 各科目別にブログにする予定だ.

 

地元と都内で中高生の集団, 個別, 家庭教師を行い, 難関国立, 私立大, その他医学部等の合格を多数出してきました. 現在も都内で進学校の生徒向けに全科目の指導兼受験プランナーを行っています. 



指導力に関しては自信を持っていますが, 生徒目線で自分の指導法をどのように感じるかを検証し, より洗練させるために, 2019年2月の理Ⅲ受験を決意しました. 社会科は世界史, 理科は化学と物理の選択で, 仕事と重ならなければ模試等の受験も考えています. 



使用教材, 勉強法, その他, 今までの生徒指導経験で感じたことや自身の受験時や大学での専攻内容等についても述べていくつもりですのでよろしくお願いします.