今回は生物の参考書についてのブログ.

 

まず高校の生物については,物理と化学と比べるとその範囲はかなり広範囲で体系性もかなり見出し難い.というのも,高校生物の教科書に載っている範囲のほとんどが現在研究中であるものがほとんどであるからだ.同範囲の専門書等を読んでも,この範囲はまだ研究中であるため詳しい仕組みは明らかになっていないというようなもののオンパレードである.つまり,化学や物理に比べて学問としての歴史も浅く,まだきちんと整理されていないというのが生物学のほとんどの分野の実態である.さらに入試問題では,そのような最新の話題や有名な大学の教科書の記述内容を,多少の誘導を用いながら解かせるというかなりハードな内容となっている.その上,問題の形式は論述形式が多いため答えが吟味しやすい物理や化学に比べかなり対策のし難いものとなっている.以上が大学受験で生物選択が不利と言われる理由である.

 

以上の入試での背景を踏まえた上で,どのような学習をしていけば不利な状況を逆転して合格点を勝ち取れるか以下述べる.それにはミクロ&マクロな学習を徹底する事である.まず,マクロな勉強というのは,生物は体系性が少なく暗記の割合が多いのは事実であるが,理系科目であるのでそこには生物学独自の理論が存在しているということである.たとえば,酵素反応においてフィードバック制御のメカニズムの中には,化学の分野にはあまりなじみのない抑制解除の反応が多く存在する.この抑制解除系の考え方は生物独自のものである.つまり,このように生物分野に独自に存在しているメカニズムや理論わきちんと理解し身につけることが大事である.またミクロな勉強とは,やはり生物は化学や物理に比べると大量の用語が出てくるので,これをきちんと攻略することである.たとえば,補償点とは何か問われた時に,呼吸による酸素の消費量と光合成による放出量が等しくなり,見た目上酸素のやりとりが起こってないように見える時の光の強さ.というように滞りなく説明ができるように用語をおさえていく事である.

 

上記の学習をする上で現時点で最も使いやすい参考書は,生物合格77講と大森の最強講義117講である.

 

まず生物合格77講について.この参考書は著者があらゆる教科書に載っている用語や説明を精査してまとめ上げ,多少込み入った大学の内容まで説明を付与した,大学入試に必要なものは何かと言うものに一つの答えを示した,素晴らしい参考書である.これを勉強の中心に据えて学習を進めていけば,最短距離で過去問演習までたどり着けるであろう.

 

次に,最強講義について.この参考書も基本的に生物の学習に必要な要素を全て含んでいるが,少し内容がマニアックでレベルが高めに設定されている.完成させた後の到達点は合格77講よりも高いが,合格点を最短で取りに行くという命題の下では,どうしてもメインで選ぶ参考書としては2番手になってしまう.合格77講を終え過去問に進んだ時に辞書的に用いるのが,最良の使い方に思われる.