今回は, Focus Goldについてのブログ. 

 

啓林館から出ているこの参考書は, ⅠA, ⅡB, Ⅲがそれぞれ出ている. チャート式同様に網羅的な参考書であり, 教科書レベルの問題から入試の典型問題のレベルまで広くカバーしている. 例題と練習問題, Step Up, 章末問題から構成されるマスター編, Level Up問題, 演習問題から構成されるチャレンジ編, より深い内容まで問題を掘り下げている読み物としての実践編. 以上の3つのパートに分かれている.

 

では, 数ある参考書の中でなぜFocus Goldがオススメであるかといえば, それは選定されている問題の無駄のなさである. 

 

まず, マスター編について. ここで扱っている問題はレベルが全て*で表されている. だいたい, *〜***までをマスターすればセンター試験では満点, 一般の国立医学部に合格するレベルまでは到達する. そして, ****までマスターすればどんな大学の入試であろうと合格できるレベルに到達できる. ここで, 対抗馬となってくるのは青, 赤チャートや1対1であるが, 正直この2つを用いても全く問題なく実力を養うことができる. しかし, 青チャートだけでは入試対策と考えると易しい問題まで収録されており, 赤チャート, 1対1ではセンターに出得るある程度易しい問題は省かれている. 以上の理由により, センターと二次試験のことを考えた場合, 青チャート+赤チャート or 1対1の両方が必要になるため, より教材を絞って勉強するにはFocus Goldにしておくと効率が良いということである. 

 

次に, チャレンジ編について. ここで扱っている問題は, 出典を見ればすぐにわかるが, 東大京大, 早慶, 医学部が普通に含まれている. マスター編を8割以上解けるようになれば, この問題にトライして, マスター編で扱われている内容がどのように入試では問われるか, 融合されているかを体感し, 身につけることが大学入試合格点を取れるために必要である. ここで, 問題演習としてはスタ演ややさ理, ハイ理, 新数演等を用いることも, もちろん良いし実力はつくとは思うが, 学習の効率化を考えた場合, チャレンジ編とマスター編を最短距離で終わらせて, 過去問演習に取り掛かった方が良い. ゆえに, 問題演習に関してもFocus Goldで十分なのである.

 

最後に, 実践編について. ここでは典型題ではない入試問題に出会った時の対処法について説明がされている. 東大や京大の問題では, 発想力を求められる問題が出題されるが, そのような問題に出会った時に, どのような発想をすれば良いか, なぜそのような発想に至るかについて, 1つの指針が述べられている. 東大の過去問演習に取り掛かった時に, ここを読むと難問を解くために役に立つようなことが述べられている. ここで, 月刊大数の読み物を利用し様々な考え方を取り入れていくというのも, もちろん実力をあげる1つの手立てではあるが, 一貫したコンセプトである効率化という観点には反してしまう. よって, この点でもFocus Goldのみに絞ることをオススメする. 

 

以上のような理由により, Focus Goldをオススメしているし, 実際に合格する生徒ほど様々な問題集に手を出さずに, Focus Gold +過去問で乗り切っている. もちろん, 数オリに出るような生徒, 将来数学科に進みたいような生徒は, 興味に応じて様々なものに手を出して, センスを磨いていくことが良いとは思う. ただ, 限られた時間の中で合格に必要な情報だけを取捨選択するためには, 無駄のない計画を立てることが必要である.