裏世界の「全て」を知る『タダの主婦』??? 38 | コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

コノ国の体裁(カタチ) ~幻像『大英帝国』の住人達~

 閃いて、まさに!という想いでつけたのですが……司馬遼太郎さま、ごめんなさい……!
 

      

   いきなり何だ?と思った。

 

   何より、『★★』なんて名前は私も一度も聞いたことが無かったし、だから当然何処にあるのかも全く判らなかったから。

 

 

 

   取り敢えず『キュリさん』の所に行って詳しく話を聞くと、『★★』というのは以前私が『準義務面』という意味で行っていた、政府の失業者対策の一つとして援助している半官営的な『民間委託無料職業あっせん会社』(参照;『就活労働者』の日々 より)の会社名だった。

  (私が行ったところではなかったけど)

 

 

   世間……いや、「社会知らず」の彼女が何でそんなこと知っているのかと思ったら、これもまた単純な理由だった。

 

 

 

  彼女の前の職場で「懐かれた(注;『キュリさん』談)」同僚が居て、今でも彼女の方から結構頻繁に連絡して来るそうなのだが、その女性からの情報だったらしい。

 

   その女性も少し前に転職したらしいのだが、彼女もその時には満足な履歴書というものを持っていなかったので(彼女がどうそこを知ったかは知らないが)その『★★』に行って

 

 

  「向うに履歴書を書いてもらって、

 

   仕事まで紹介してもらったんだって~!

 

   凄いと思わない~!?」

 

 

   『キュリさん』は興奮した口調で言った。

 

 

 

 

    …ごめん、思わない。

 

 

 

 

    私自身「失業者」として扱われ始めた当初に職安の担当者から

 

 

   「履歴書の『書き方を習って』来なさい!」

 

 

  …と言われて出向いた場所があった。

 

   「書き方を習う」という事だったので当然のように紙やペン、電子辞書まで持参して行ったら、出て来た「担当者」にいきなりあれこれインタビューをされ、何も判らないまま答え、彼女が書き終わると

 

 

  「じゃ、×日には出来上がっているからそれ以降にまた取りに来てね!」

 

  …で終わり!

 

   更に言えば、後日取りに行くと担当の女性、私の顔を見るなりに

 

  「ああ、ちょっと待ってね、ハイ、アナタのよ!」

 

   …と、私の名前も聞かずに「彼女の作品」を渡してくれたので、

 

 

  「あ~、まあアジア系は確かに目立つけど、

 

   流石にこういう仕事の人は一度会った人は覚えているんだな~!」

 

 

 

  …と感心して「彼女の作品」を確認すると、全く別の人、それも中国人の名前が書かれていたので慌てて引き返して交換してもらった……「もちろん」彼女「も」自分の非は認めなかったけど。

 

   その時私はつくづく、コノ国に『改善』が無い理由を『実感』として感じたのを覚えている。

 

 

 

   そうなんだ。

 

 

   日本は「叩き上げ」という言葉があるようにあらゆる状況や段階を経験して上に上がって行くのが良いとされるし、また知識も豊富だと思われる。

   そして別に社会的にエリートであろうとなかろうと、あらゆる分野で知識が豊富な人が普通に居る国だ。

 

   コノ国の人達は違う。

 

 

    エリートはエリート。

 

   丁稚は丁稚。

   

   

   自分から働きかけなければ昇給も昇格もない。

 

 

 

   下に行けば行くほど

 

   「言われたこと以外はやらない、覚えない」

 

 

   …し、上は上で自分の社会的地位を守る為に

 

 

  「必要じゃないことは言わない、教えない」

 

   だから(誤解を恐れずに言えば)

 

 

 

   「馬鹿は永遠に馬鹿のまま、

 

  幸せに暮らしました」

 

 

  …なのだ!