そういう理由だったら息子さん、「自分の母親」の就職活動の細々も全て、丸ごと、面倒見てやってくれ!……と心の中では思ったが、もちろんそんなこと口に出せるワケない。
いや、仮に出したとしても『キュリさん』の返事は
「息子は忙しいんだからあ~!」
…くらいで終わりだったろうけど……!
幸いというか『キュリさん』は
「ケアラーなら簡単になれるだろうから~」
…と、同じ職種に就くことには最初から抵抗がなかったし
「週に18時間は働いてくれって息子が言ったから~」
…ということで希望労働時間は一日6時間ずつ週に三回、更に
「別に土日だからって特にナニするワケでもないし~」
…だから『週末勤務可能』という、ある意味ケアハウスが一番求める条件だったから、私のように『求職期間』が長くはならない、とは確信が持てた。
英語で積極的に話すことに全く抵抗が無い彼女はコレはと思ったケアハウスを直接訪問してみる、とは言っていたが、それでもとにかく「履歴書」を作らねば全てが始まらない。
今はあらゆることがネットで見つけられる時代だけれども、とにかく『キュリさん』の場合は英語の「怪しいサイト」などはむさぼるように読んで理解しているのに、実質的なこと……英文履歴書の書き方もそうだったが、自分に必要なアプリのダウンロードとかいうことも
「全部息子がやってくれたからあ~!」
…で、彼女自身は本当に全く知らなかった。
日本でも展開している某就活サイトに登録すれば、履歴書作成フォームというか『ひな型』のようなものがあるからそれに添って記入して行けばそのままネットで応募出来るし、紙で持参する場合も直ぐ印刷出来ることは皆さん御存知だろう。
私は彼女のPCにアプリをダウンロードし、一緒に基本的な事項を登録したのちに『履歴書制作』のページを開き、
「ね、ここの項目の通りにマスを埋めて行けば最低限の履歴書は勝手に出来上がるんだよ。
このサイトを見ていればどんなところで求人があるか判るんだし。
先ずはとにかく自分で履歴書を書いてみてね!」
…と言って、次に会うまでの『宿題』としておいた。
少しでも彼女が「社会的に自立」した方がいい、先ずは「叩き台」でも何でもいいから彼女が『自分で』作って、それを私が「添削」すればイイ、と思ったからだった。
その数日後、また彼女の方から連絡が入って来た。
「『★★』に行きたいから、一緒に付き合って~!」