経団連が自由民主党に対する企業献金の再開を決めました。

 私は企業・団体献金について、このようなエントリーを初当選前に書いたことがあります()。西松事件直後、かなり叩かれていた時期のエントリーなのでかなりの純化路線だなと、今更ながら思います。

 引用したエントリーにもある通り、現在の企業献金に関する最高裁判例というのは「八幡製鐵事件」というものでして、その内容としては「会社による政治資金の寄附は、客観的、抽象的に観察して、会社の社会的役割を果たすためになされたものと認められるかぎりにおいては、会社の定款所定の目的の範囲内の行為である。憲法上は公共の福祉に反しないかぎり、会社といえども政治資金の寄附の自由を有する。」ということです。

 とはいえ、私は何処かの企業が「うちは社会的役割として企業献金をしています」と積極的に宣伝しているのを見たことがありません。勿論、法人としてある政党の応援をすることが原理原則としてダメだとも思いませんが、「見返り」を当てにしているケースも大いにあるでしょう。究極的な事を言うと、「見返り」を求めないとするなら「株主訴訟」の対象になる可能性があり、「見返り」を求めたら「贈収賄」との絡みがあるでしょう。

 私は企業団体寄付を止めにすることが出来なかったのは、民主党政権の失敗の一つだと思っています。やっておけばよかったのです。

 そもそも、政党助成金の背景にあったのは、企業団体献金への厳しい目線があったことに対して、国民負担で政治を支えようというものだったはずです。国民一人当たり「(当時言われた)コーヒー一杯分」の負担を頂く論理の延長として、企業団体献金は縮小の傾向にしていくべきものでした。

 政局論的にも、企業団体献金廃止がどの政党に一番痛手に出るかと言えば、それは自由民主党だったでしょう。政党の支部が圧倒的に多いのは、実は自由民主党です。民主党の10倍以上の支部があります。そして、それがすべて現在企業団体献金の受け皿になっています。これまた古いエントリー(ココ)ですけども、私はこの政党支部の乱立振りは問題が多いと思っています。

 この「企業団体献金廃止」をめぐる民主党内のゴタゴタは、典型的な「良くない所」でした。ここからは少しテーマが変わりますので稿を改めます。