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鈴と空のブログ

読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

犯人のいない殺人の夜/光文社
¥1,325
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犯人がいないのに殺人があった!?
でも犯人はいる。
あなたに挑戦する本格推理小説
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★★☆


短編集ということもあってあっという間に読んじゃったんだけど、
わりと面白かった。


中学生のあの子が真相を知ってしまう日は来ない方がいいかな……、
と思う『踊り子』。
真相を知ることは彼にとってとんでもない衝撃だろうから。
踊り子の結末を知らないままでいることは残酷だろうと思うけど、
それを知ればきっと自分とその出来事の関わりも知ってしまうだろうし。
彼女ももっと別の選択はできなかったのか……、と思わなくもないけど。


3ヶ月の赤ちゃんが殺された事件の真相はあまりに惨い……、
と思う『闇の中の二人』。
たった3ヶ月しか生きられなかった赤ちゃんもだけど、
そんな命を手に掛けてしまった、そこまで追い込まれてしまった側も
あまりに哀しくて。
犯人をそこまで追い込んだあの人にものすごく嫌悪感。


アーチェリー選手の彼女はどんな気持ちであれを準備したのかな……、
と思う『さよならコーチ』。
ネタバレになりそうでこれ以上書くのが難しいけど、
諦めか恨みか哀しみか憎しみか怒りか、その色々が混じったものなのかな。


という3編が印象的。


素直に楽しめなかったのも1編。
遺体の頭部に遺された証拠から

刑事が見抜いた殺害後の犯人の行動、その光景には
思わずグッと来そうになってしまったけど。
そう思う(思い込む)までに色んな苦しみがあったのは事実なんだろうけど、
それにしたって別に○○が悪いわけじゃなかろうに、なんて。
私はその○○に大して特に愛やら思いいれがあるわけじゃないけど、
なんとなく腑に落ちないと言うか何と言うか。

遠い国のアリス (PHP文芸文庫)/PHP研究所
¥560
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二十歳の少女漫画家・菊池有栖は、
たった一人で父の友人が持つ信州の別荘にやってきた。
古い農家のような建物、不思議な隣人・グッドマン博士、

誰かがいるような気配……。
熱に浮かされて浅い眠りから覚めたとき、

有栖は昨日までとは違う、現実感のない世界に疑問を抱く。
それは、想像もつかない時空の旅の始まりだった。
サスペンスあふれる展開が冴える、異色のSFファンタジー・ロマン。
――――― 裏表紙より


個人的評価 : ★★★☆☆


アリスが迷い込んだ世界の状況、
元々いた世界との関わりやそこへの戻り方、などなどについて
博士やビショップの解釈だとか説明だとかに「ほぉ」とは思う。


そうは思うものの、
それをきちんと理解して「なるほど!」と思ったり
それを踏まえて物語そのものが「面白い!」と思うところまでは届かず。


今までに読んだ今野さんのイメージというと
やっぱり警察小説、若しくはアクション、というものだったので
少し(というか随分)違ったという点では新鮮だったけど。

トライアングル/角川グループパブリッシング
¥1,470
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郷田亮二は、駆け出しの刑事。
医学部を卒業して医師になったが、

医師を辞めて刑事になったという変わった経歴の持ち主である。
亮二のこの経歴には、過去に遭遇した事件が大きく影響していた。
十歳の時、初恋の少女・葛城佐智絵が誘拐され、殺されたのだ。
事件から十五年が経って時効が成立した時、
亮二は自ら刑事となって、この事件を追い続けることを決意した。
そんな亮二の前に、「葛城サチ」と名乗る美しい女性が現れた。
彼女は、殺された葛城佐智絵にあまりにも似ていた。
この女性はいったい何者なのか――?
亮二の心は激しく揺れ動く。
現在と過去の謎が複雑に絡み合い、新たな謎を生み出していく――。
名手・新津きよみが描き出す、極上のサスペンス・ミステリー。

――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆


気になる要素、面白くなりそうな点は色々とある。


未解決のまま時効を迎えた小学生の誘拐殺人事件、
その時効成立を機に刑事になった亮二が同窓会で久々に会った
かつての同級生たちの意味深な描かれ方、
誘拐殺人事件の被害者・佐智絵に似た葛城サチ、などなど。


なんだけど、イマイチ盛り上がらなかったような……。


誘拐殺人の真相は確かに意外ではあったけど、
少々腑に落ちない感じが残ってしまったのも正直なところ。
同級生たちに関しても片方は想像通りでもう片方は微妙なところで。


サチもな……。
今の理不尽な状況を受け入れる理由はわかる。
失うことを恐れるというのは。

それにしても、現状も新たに分かったことも、
随分あっさり受け入れてしまったように思えちゃって。


ついでに親たちはそれぞれピンと来なかったり厭な感じだったり。

医師を辞めたことで亮二をないことにした彼の両親も厭な感じだけど、

でもまぁ、「厭」の筆頭は間違いなく佐智絵の母親か。
あの人のしたことはあんまりな気が。
我が子を突然亡くしたというのは確かに悲劇だけど、
サチにしたこと、背負わせたものを考えると。


佐智絵の当時の担任(今は一児の母)はピンと来ないし。
事件に巻き込まれたことで過敏になるのは仕方ない。
けど、どうして新しく踏み出す一歩がそういう形なのかが
私には。


キミは知らない/幻冬舎
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大きな罠にはまった気がした。
自分はきっと、来てはならなかったのだ。

突然消えた気になる先生を追いかけて、

たどり着いたのは因習残る田舎町。
次々に降りかかる事件は、

やがて隠された過去と父が遺した謎へと迫り――。

先生、本当のことを教えて。
何で私の前に現れたの?

研究者だった亡父の手紙を渡した直後、姿を消した先生。
ほのかに思いを寄せていた高校2年の悠奈はたまらず彼を追う。
ところが再会したのは穏やかな先生とは別人のような鋭い眼差しの男。
さらに悠奈の前に、「お迎えにあがりました」と謎の男たちが現れて――。
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆


うーん……。
あまり楽しくなかったか……。


後半に進めば進むほど、
話が展開して謎が深まったり

答えに近づいたりするのと反比例して、
読むペースがどんどん落ちていく。


確かに「大きな罠」で
次から次に現れる人たちは敵なのか味方なのか、
悠奈が追われる理由は何なのか、
父親の死の真相、一緒に亡くなった女性との関係などなど
気にはなるから何とか最後まで読んだけど。


好きになれそうな登場人物は何人もいる。
学校にいる間は地味でパッとしなかったのに、
訪ねた田舎町で別人のようになっていた先生だったり、
「お迎えにあがりました」と現れた浅草たち3人組だったり。


そんな4人も結局はっきり好きだと思えないままに終わっちゃって。


2005年のロケットボーイズ/双葉社
¥1,680
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やっぱり地球は青かった!!
落ちこぼれのオレと引きこもりのアイツが今年、
町工場発宇宙行きの手づくり衛星を飛ばします。
え、マジで?
うん、マジマジ!

『1985年の奇跡』の著者が贈る本邦初の理系青春小説
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆

4つ寄りの3つ。


「理系青春小説」で衛星だなんて

もっととっつきにくい(難しい)ものかと
いくらかは覚悟しながら読んでみたんだけど、
思ったほどの小難しさはなくサラッとサラッと。


何せ「オレ」がそもそも衛星だの何だのについて

ほとんどわかっていないものだから、
専門的なやり取りやら理論が出てくるわけでもなし、ということで。


登場人物たちがそれぞれ癖の強い面々。
主役であるはずの「落ちこぼれのオレ」も嫌いじゃないんだけど、
周りのインパクトが強すぎて。

大先生だとか翔さんだとか、
実際に付き合っていくにはとても面倒くさそうだけど。


そういう面々が好き勝手に、
でも何だかんだ言いながら同じ目標に向かって突っ走る(突き進む)ので
読んでる間は面白く読めた。


けど、後々特に語っておきたいことはないか……?