『トライアングル』 新津きよみ | 鈴と空のブログ

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読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

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郷田亮二は、駆け出しの刑事。
医学部を卒業して医師になったが、

医師を辞めて刑事になったという変わった経歴の持ち主である。
亮二のこの経歴には、過去に遭遇した事件が大きく影響していた。
十歳の時、初恋の少女・葛城佐智絵が誘拐され、殺されたのだ。
事件から十五年が経って時効が成立した時、
亮二は自ら刑事となって、この事件を追い続けることを決意した。
そんな亮二の前に、「葛城サチ」と名乗る美しい女性が現れた。
彼女は、殺された葛城佐智絵にあまりにも似ていた。
この女性はいったい何者なのか――?
亮二の心は激しく揺れ動く。
現在と過去の謎が複雑に絡み合い、新たな謎を生み出していく――。
名手・新津きよみが描き出す、極上のサスペンス・ミステリー。

――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆


気になる要素、面白くなりそうな点は色々とある。


未解決のまま時効を迎えた小学生の誘拐殺人事件、
その時効成立を機に刑事になった亮二が同窓会で久々に会った
かつての同級生たちの意味深な描かれ方、
誘拐殺人事件の被害者・佐智絵に似た葛城サチ、などなど。


なんだけど、イマイチ盛り上がらなかったような……。


誘拐殺人の真相は確かに意外ではあったけど、
少々腑に落ちない感じが残ってしまったのも正直なところ。
同級生たちに関しても片方は想像通りでもう片方は微妙なところで。


サチもな……。
今の理不尽な状況を受け入れる理由はわかる。
失うことを恐れるというのは。

それにしても、現状も新たに分かったことも、
随分あっさり受け入れてしまったように思えちゃって。


ついでに親たちはそれぞれピンと来なかったり厭な感じだったり。

医師を辞めたことで亮二をないことにした彼の両親も厭な感じだけど、

でもまぁ、「厭」の筆頭は間違いなく佐智絵の母親か。
あの人のしたことはあんまりな気が。
我が子を突然亡くしたというのは確かに悲劇だけど、
サチにしたこと、背負わせたものを考えると。


佐智絵の当時の担任(今は一児の母)はピンと来ないし。
事件に巻き込まれたことで過敏になるのは仕方ない。
けど、どうして新しく踏み出す一歩がそういう形なのかが
私には。