父の透析 12.(腹膜透析の手順動画) | ブログ.

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父の在宅での腹膜透析は
①朝7時から注液(10分ほど)
②昼12時から排液と注液(30分ほど)
③夕17時から排液と注液(30分ほど)
④夜22時から排液(20分ほど)で










①と②、②と③、③と④の間が
腹膜内に透析液を貯めて
腹膜を介して血液内にある水分や老廃物を
透析液に移動させる貯留時間で
寝る前に排液をし、お腹は空っぽにする
というのが毎日のスケジュールで











うちがお世話になっている透析液、医療機器のメーカーは、テルモさんで、テルモさんの透析手順冊子もあるのだが、テルモさんの手順書は昼夕の排液注液の手順書で


先のスケジュールのように、我が家は、朝は注液、昼夕は排液と注液、夜は排液と、時間によって手順が違うので、両親が混乱していたので、朝の注液のみと、夜の排液のみの手順書は、手書きで作成した














以下の動画は
昼夕の、排液と注液の動画で

Amebaブログの動画は最長1分なので細切れだが









❶まずは
加温器の中で
人肌に温められた透析液を
取り出すところから始まる

停電など何かの都合で透析液が温まっていなかった場合は、バケツにお湯を入れて、人肌まで温めてから使い、

震災などで、火も電気も使えない時は、お腹にしばらく入れて、少しでも温めてから使うらしい













 


この加温器の、底の部分がヒーターパネルで、透析液は上下2つ入るので、使うときは、下段の温まった方を取り出し、上段には新しい透析液を入れ

透析液も管が収納されている部分が上で、液側が下に鳴ように入れる必要があり

父はそれが混乱して 笑、上段の透析液を取ったり、透析液を上下逆に入れたりするので、こうして、加温器の蓋に手順を書いて貼っていたのだが、見ない、読まないからあまり意味はなく 笑


だから、根気よく、父が出来るまで待ったり 笑、もう出来なくてもいいな…と、間違ったら入れ直したりしていた


でも、こういうのも、一つ一つ、2歳で脳障害を負い、重度の知的障害者と判定された現在25歳の息子との、過去の関わりを毎回思い出していて


ああ、当時も息子に、こうしてあげたら良かったんだな…など、今、人生に、息子に、やり残したことをやっているのだな…と思いながら、父と関わり続けていて


だからそんな父が凄く有り難かった


画像は、父が、急な血圧の低下か何かで倒れ、救急車で運ばれた時に、透析の時間が迫っていたし、入院の可能性があるからと、加温器など一式を病院に持って行った時のもので、うちは旅行などはしなかったが、旅行も、用意を一式持って出かけたら、普通に可能だと思う。













透析液とチューブなどが収納されている
外側の袋を破り透析液を取り出し










❸透析液は
排液バッグと繋がった
ツインバッグになっているので

排液バッグは量りの上に乗せ
透析液は机の上に置き

チューブに付いている
透析液側の青クランプと
排液バッグ側の白クランプを閉じる

その時に両親もわたしも、完璧に手順書を暗記していたら良いのだが、両親はもちろん難しく、わたしもごくたまに間違えることもあったし、それよりこれは、暗記をすることより間違えないことが大切だと思ったので、

その後は、毎回手順書を見ながら、さらに一つ一つ声に出しながら丁寧にするようにし

それが、〝今この瞬間を生きる〟ということで、それが、より良く生きるためには、物凄く良かったなと思う























透析液は最初は2種類の液の間に壁があるので

液を両手で掴んで貫通させ壁をぶち破り

2つの液を混合させる











普段はこの母お手製のポシェットに、お腹から出ている管を丸めて入れていて、管が出ているお腹の部分は、傷口を毎日消毒をし、ガーゼをテープで貼り、管も引っ張らないようにお腹にテープで貼っていた(父はテープ負けなどをしないので、それは本当に有り難かった)











お腹のチューブを取り出し

お腹側のクランプが閉じていることを確認し

透析液とコネクターで接続し


この接続にはコツがいるし、最も重要な所なので、そこは、丁寧で慎重な母がしていた
























❻透析液内にあるチップを折り

透析液を点滴スタンドに吊るす























❼お腹側のクランプと

排液側のクランプ(白)を開き












❽排液スタート


排液、注液、貯留時間や、排液量を、ノートに記録していく
























排液時間はだいたい15分程度で、この間、わたしや母は、用事をしに席を立ったりしたか、用事がないときは、3人でいつも、両親にとってのひ孫の動画を見ていて、それは本当に幸せな時間だった
























❾排液終了


1,500g(1.5ℓ)くらい注液するので、排液もそれ前後になり、排液の量が極端に少ないと、体制の問題か、腹膜の問題か、体内の管の位置の問題である可能性があり、それが続くと、浮腫みも出てくるので、排液量や体重の管理は物凄く大切で神経を使った


そして手順書をただ見ながらだけではミスが多かったので、わたしは読み上げながら、手順書を見ながらと、両親の聴覚と視覚の両方に情報を与え続けていたが、それでもミスがあったので


★手順書をわたしや母が読みながら

★手順書の写真や文章を見ながら、さらには

★父が「白クランプを閉じました」など言葉にしながら


進めていたが、それでもミスがあったので 笑

(青クランプを閉じていたり 笑、お腹のクランプを閉じていたりして 笑、言葉と手がチグハグな事が多々あり 笑)


さらに


★父がきちんと、〝白クランプを閉じている〟のを確認し

★「白クランプを閉じました」と言葉でさらに言うようになり


やっと完全にミスが無くなった













この、注液1,500gから、排液量を引く計算が、両親には、父には、簡単すぎず、難しすぎず、絶妙で 笑、普段書くことや計算することが無くなってきた父には、本当に良いリハビリだった













❿注液スタート


10分程度























⓫注液終了し、透析終了


お腹のチューブと透析液のチューブを切り離し、お腹のチューブに保護キャップを装着し、ここまで約30分で、透析と透析の間は、うちは5時間あけていた


























そして排液や注液の間には、この表を読み上げて、○を付けていたのだが、


両親が1人で歩けたりご飯が食べられたり排泄出来る事が、また、二人で時折喧嘩しながらも愛し合って思い合って生きている事が、


奇跡で、有り難くて、毎日毎日涙が溢れ、それも、もう、たまらな過ぎる時間だった



































ベッドの頭側の作り付けの棚には大量の透析液と加温器を置き、父のベッドの足元に机を置き、机の下に量りを置き、机の横に、点滴スタンドを置き、このように、両親はベッドに座り、わたしは椅子に座り、透析をしていた(この写真は、看護師の親友遊びに来た時は、いつも透析を手伝ってくれたり、両親と話したりしてくれ、透析や両親のこともいつも相談に乗ってくれ、彼女の存在と、二人の娘や息子の存在がなかったら、ここまで頑張れなかったなと思う)












【 腹膜透析を在宅で行うにあたって…】


我が家の場合は、二世帯で同居しているわたしがずっと家にいるのもあり、腹膜透析をはじめ、80歳の両親のサポートを24時間体制で出来たし、父も認知や肉体的な衰えは進んでいたとはいえ、要介護はもちろん要支援も認定が難しいレベルだったし、


総合病院のかかりつけ医も、在宅医療である腹膜透析を初めて知ったわたしが興味を持ったことや、我が家の三人の関係性もみて、積極的に勧めてくれたし、今かかりつけ医は、現在透析センターを建設中で、今後透析外来も出来るようだし、腹膜透析患者は過去には何人かいたようだが、現在父だけで、だからまだ全く体制も整っていないままの、見切り発車のような状態だったし


地域でも、訪問看護ステーションなどに電話をして色々聞いてみても、腹膜透析の存在や、この、腹膜透析患者の在宅医療制度についても知らない人ばかりだったし、主治医や看護師に、支援やサポートのことを相談にのってくれる人が病院内にいないのか聞いたけど、いないようだったし(結局主治医や看護師は知らなかっただけで、病院内に、〝地域連携室〟という相談窓口があったようで、そこに相談していこうという矢先に、父が入院したので、していないのだが)


だから、わたしの看護師の親友や、わたしの二人の娘たちが遊びに来た時に、たまにサポートしてくれる以外は、サポートもなく、


それは、わたしの人生はこういう、道無き道を行く人生だったので、納得している所もあるし 笑、医師の勧めも大きく決断した腹膜透析だっだが、蓋を開けてみれば、病院のサポート体制の無さにびっくりしながらも、こんなもんなのか?どうなのか?という思いも持ちながらここまできたが…






でもネットで、腹膜透析を調べるうちに、〝おうちで透析〟というサイトを見つけ、このような動画を見るうちに、わたしたちの住む地域や病院が、とんでもなく腹膜透析が遅れていることを知り、驚愕した(かかりつけ医も、手術をした大学病院で聞いた情報も、このサイトによると、10年20年前の情報で、全くアップデートされていないことがわかりびっくりし、でもそれが日本のほとんどの地域の現状で、この動画の地域が進んでいるのだろうが、フランスなどはさらに進んでいるのがわかった)


でもわたしは特に腹膜透析を広げたいと思っているわけではないし、他の地域と比べて嘆いた所で仕方がないし、わたしたちにはこの現状だったんだ、と納得しているが


だからこの事で、「腹膜透析に限らず、生きることが、もっともっと楽になっていきたい、なっていこう」「一人で頑張るのではなく、志の同じ仲間と共に生きていこう、そんな時代だ」と、心から思った(←これが一番言いたかった 笑)



















父の透析 1.


父の透析11.


父の透析 13.