父の透析 1. | ブログ.

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事実は小説よりも奇なり.
Truth is stranger than fiction.

息子りんの絵と猫と, 愛する人生と.
Rin’s arts,cats,and loved life.

















今79歳になる父は
若い頃から何度か腎臓関係の病気をし
20年近く前からは
慢性腎臓病と診断され











特にこの10年くらいは
塩分、タンパク質、リンの制限など
かなり厳しい食事制限をし
薬も飲み通院を続け
透析にならないように
気をつけていた










でも
2022年年末から
検査結果の数値が悪くなり
最初は先生も
「いつもの数値に戻るでしょう」
と言っていたが













それが
1月2月とどんどん悪くなり
2月の検査では










「このまま悪くなるようなら
年内か、3ヶ月以内には
透析の準備を始めた方が良いかもしれない」
とまで言われるようになった













そして
母が用事があったので
わたしも久しぶりに付き添ったのだが
さらに数値が悪くなっており










そしてそれは
「食事や運動や環境や他の病気など
何か原因があるというより
もう腎臓機能が限界にきている
ということだと思うので
透析の準備を始めていきましょうか」
と言われた




















それは
想定内の事ではあったが
年内か3ヶ月以内と言われていたので
予想以上に早い展開だったし










父の復活、奇跡を信じて
ここまできたので
ショックはあった












でも
病院に来る前から
ワクワクしていて











父と二人で車に乗っていただけで
待合室で待っていただけで
幸せすぎて涙が溢れていて









そして
人生に起こる事は
それがどんな事であれ
わかっていたし









ふと
そちらの人生を感じたとき
無限感じ
を感じ

物凄く落ち着いたので









「ああ、そっちか…」
「それならそれを思いっきり楽しもう…」
とすぐに思い直した





















そして
その時の先生の透析の説明で
透析には











病院に一回4時間を週に3回通う
一般的に知られている
血液透析と
在宅で自分で行う腹膜透析という
選択肢があることを聞かされ












在宅で透析ができる事を
知らなかったし












血液透析で病院に通うなら
父と母はそのうち車も乗れなくなるし
夫もいないし姉妹は遠いし
子どもたちも皆出て行ったので
わたし一人が主に送迎する事になるのは
目に見えていたので

病院の送迎サービスもあると後に知ったが
ルートによっては物凄く遠回りで
一日4時間の透析の後では大変だとも聞いた











わたしは
なるべく楽をしたい人間なので 笑
「それ、いいですね!」
と食いついた 笑










だから
先生に詳しく聞くと










一般的には血液透析が知られているが
腹膜透析は昔からあり
でも血液透析のが沢山の患者さんを
一度に抱えられる事など
病院側の体制もあり
そちらが主流になっている所が多いが











病院によっては
腹膜透析にも力を入れ
割合が半々になっている
病院もあると言い










血液透析は
病院での一日おきの透析だが
腹膜透析は
自宅での毎日の透析となり
体の負担は腹膜透析のが
小さく楽だと言った













でも
血液透析は
簡単で部分麻酔の
血管を太くする
シャント手術に対し











腹膜透析は
このかかりつけ医では
その手術を行っていない
全身麻酔で腹部に管を入れ
何週間か入院が必要な
カテーテル手術が必要で
病院を紹介することになり










自宅での
処置をきちんと覚え
細菌が入り腹膜炎にならないよう
管理をきちんとしなければならないし










腹膜には
限界があるので
それに限界がきたら
血液透析に替える必要があるなど
どちらにもメリットとデメリットがあり










主治医は
どちらを特別に薦めるということはない
と言っていたが










在宅で透析ができるという
誰もが選びそうな選択なのに
一般的には
血液透析が透析患者の95%を占めている
と言った



































そして
自宅に帰り
それらを説明すると
母は透析の事実に泣いていた












「わたしがもっと頑張っていたら
こんなことにならなかったのに…」
と自分を責めていて











そして父は
あまり多くは語らなかったが
かなりショックを受けているのも
わかった











でも
今日は外来が物凄く混んでいて
ゆっくり透析の説明をする時間が無い
ということだったので
後日ゆっくり説明をしてもらうことになり











それが来週くらいかな…
と思ったら
想像より早く
三日後となったので










ショックを受けながらも
この流れに、急流に
乗っていく必要があった










だから
主治医にもらった透析の冊子を
三人で見ながら
自宅で自分で行う
腹膜透析が良いと思った…
という話を母にすると











責任を物凄く感じやすく
不安が物凄く強い母は













「だんだん不器用になっていくお父さんには
感染症というリスクのある
腹膜透析の処置は無理で
わたしもそんな責任のある事は不安だから
送迎は大変だが病院に全て任せられる
血液透析がいい…」
と言った

本人が認知症や寝たきりでないなら
基本、その処置は本人が行い
それが無理になってきたら家族やサービスに頼る
というスタンスが良い、と主治医は言った












そう言われたら
わたしはそれ以上
腹膜透析を薦めることはできず











でも週三日の病院の送迎を
何年も、もしかしたら10年20年も
ほぼ一人でする可能性がある
という事実は正直
物凄く厳しかった











でも
わたしはやるなら
絶対に嫌々したくはないので











「先は何とかなるとして
今は近い将来だけのことを考え…

そして起こることは絶対自分が
より幸せになる最善のことしか起こらないので…

じゃあ、それならそれを楽しむか…」













と腹を括り
三日後の夕方
詳しい説明のために
今度は母と三人で病院へ向かった