ソイは
1歳のときの検査で
エイズの陽性だと
わかった
そして
2歳になる前の
今年に入ってから
エイズの症状の一つである
歯肉炎が出始め
これ以上ひどくならないように
サプリメントなどで
口内環境を整え
免疫力を高めるよう
やれることをやってきたが
5月末くらいから
免疫力が下がったところに
ウイルスなどが入り
何度も生死を彷徨い始めた
そしてわたしは
人生の流れから
この介護は
そう長くは続かないことを
感じていたが
それが
奇跡が起こるのか
死なのかは
最後まで分からず
ただ
家族で協力しながら
病院にもお世話になりながら
ソイと日々を
精一杯生きていた
そして
NEWSのLIVEが終わり
お盆も終わったときには
ソイは
体重がかなり減り
高い所に上ることも
自力でご飯を食べることも
自力で水を飲むことも
できなくなっていた
それでも
奇跡を諦めることは
なく
でも
奇跡にしがみつくことも
なく
色々なことが
落ち着いた
この時は
ただ
運命に身を預けて
24時間
わたしのベッドで
ほぼ
ソイとの時間だけを
過ごすように
なっていた
ソイは
菌が
脳に入ったのか
最後は
脳障害のような
症状が出ていて
それは
全く同じだった
でも違ったのは
わたしや娘たちの
愛や
生き方で
当時はそれを
悪い
悲しい
と捉えていたのが
今回は
ソイが
余り目が見えなかったり
小脳の障害で
クルクル回ったり
水に執着したりするどれもが
可愛くて仕方がなく
病院の先生に
それを伝えると
先生は心配していたが
わたしは娘たちと
可愛い可愛いと言い続け
無条件で愛し続け
その愛おしさは
一生この状態でもいい
と思えるほどだった
そして
似ていたので
ああ
あの時の限界の愛は
ここに繋がっていたのかと
ホッとし
障害を負った息子を
無条件で愛せなかった自分も
ここでやっと
愛することができ
大変だったが
幸せで幸せで
たまらない日々を
過ごしていた
でも
愛せば愛すほど
受け入れれば
受け入れるほど
その症状は消えた
そして
最後は
ほぼ寝たきりになり
元々
純粋そのもののような
ソイだったが
まるで
新生児のような
一切のくもりのない
さらに
純粋なソイへと
変わっていった
そして
夜中に
ふと目を覚ますと
いつもソイは
一切のくもりのない
その目で
わたしを
じっと見ていた
そして
ああ
新生児は
こんなんだったなと
思いながら
わたしたちは
夜中中
一日中
恋人同士のように
見つめあい
この時間が
無限に続いてほしい
と思いながら
二人で
愛しかない世界を
生きていた
2018年08月18日のソイ
そして
ソイが亡くなる前日の
8月20日の夜にふと
ああ
最後の山場を
越えたなと思った
それは
そんな寝たきりの状態で
ありながら
ソイは
トイレに連れていくと
必ず尿も便もして
それは
時間でなく
母親の勘で
連れて行くのだけど
フラフラになりながらも
不思議なくらい
毎回きちんと用を足し
その夜もそうで
また
食欲にムラがあった
ソイだったが
この日は
寝ながらだが
その時食事にしていた
大好きなお菓子も
たくさん食べ
20日の夜は
このように
全てがスムーズに
流れ出した奇跡を
感じたからだった
これを後に〝エンジェルタイム〟と知った
猫が亡くなる直前に、一時的に起こることのある現象だと
またそれは
わたしが
どんどん愛だけの世界を
生き始めたから
でもあり
ああ
この介護も
もう終わるんだと
思った