わたしの
母としての強さは
尋常ではなく
今は
強さも弱さも
曖昧になり
少しずつ
敵もいなくなり
無敵を生き始めてきたが
その根底には
弱さがあった
わたしは
10年近く前
4人目の
子どもの妊娠を
嗚咽するくらい
喜びながらも
わたしは
つわりが長く
切迫流産になりやすく
今度は
高齢出産で
障害児を抱える身での
出産は
家族に
反対されることが
わかっていたので
ギリギリまで
隠している
つもりでいた
そうしたら
人生で初めて
切迫流産となり
出血し
家族に
言わざるを
えなくなったのだが
わたしの内面を
映し出すかのように
家族は
わたしより早く
妊娠に気づいたひと
大喜びするひと
反対するひと
大反対するひと
それぞれで
気が狂いそうに
なるまで
考えた末
自分の弱さから
わたしは
産まないことを
一人で決めた
そして
それにより
自分を責め
長年
心身ともに
バランスを崩し続け
それは時には
息子の障害より苦しかった
だからこそ
その経験を
絶対無駄にしない
と心に誓い
なぜか
身近にその子が
生まれ変わる
気がしていたので
それは
メダカのミシマちゃんなのか
猫のシオン
ソイラテなのか
と
ずっと観察を
してきた
そして
ココが
わが家にきたとき
ふと
この子だと
思った
だから
ココ
という名前は
わが子の候補にも
考えた名前で
ココは
自分が産んだかのような
感覚があり
ココと会ったとき
やっと会えた
と涙が止まらなかったのが
わかった
そして
だから
ココだけ
毎晩
わたしのベッドに
一人でやってきて
一緒に眠り
わたしが
座るときは
必ずわたしの膝に
指定席のように
座り
それは
末っ子特有で
ココが
なぜこんなにも
わたしに懐いているかが
わかった
そして
うちは
シオンと長女
ラテと次女
ソイと息子が
こんなことあるのか?
と怖いくらいに
そっくりで
だから
ココは
誰なのだろう
と思っていたが
やっと
わかり
やっと
弱かった自分を
抱きしめ
4人目が宿ったときや
ココと出会ったとき
のように
ココを抱きしめ
嗚咽するくらい
泣いた