金曜夜の悪夢再び | アブエリータの備忘録

アブエリータの備忘録

Yesterday is history,
Tomorrow is a mystery,
Today is a gift.
That's why it is called "present".

 

それは一昨日の金曜日夜に起こった。

 

 

1ヶ月前の金曜の夜、転倒して胸の軟骨骨折やけがをした。それがやっと完全に癒えたところなのにまた災難(?)に見舞われた。

 

 

入浴を済ませていつもより早く10時半に自室(以前の寝室)へ入った。寝る前にはパソコンのチェックをしてシャットダウンするのが日々のルーティーン。

 

 

部屋の窓やカーテンを閉めている時、なぜかふらついて気分も悪くなってきた。パソコン前のイスに座って静かにしていたものの、頭を動かすとめまいがする。

 

 

ひどくならないうちに寝室へ移動しようと、椅子からそっと降りてベッドに沿って四つん這いになって動いた。ベッドの足元まで辿りつき、そこに置いている洗面器を手に取って抱えたところで動けなくなった。

 

 

写真下差しの手前には壁一面のクロゼットがあり、部屋の入口はクロゼットに沿った右端にある。

 

 

 

洗面器を抱えてクロゼットの真ん中辺りでもたれたまま頭を動かさずに座って、何が起こったのか考えながらめまいが治まるのを待っていた。

 

 

ところが冷汗は出るし、便意も感じるし、ますますひどくなる。アナフィラキシーショックかも…と救急車を呼ぼうかと思ったくらいだった。ダンナを起こそうにも、ダンナは廊下の突き当たりの部屋ですでに熟睡中。

 

 

携帯電話は廊下を挟んだ寝室に置いてあるので、ダンナに連絡する方法も無い。持っている洗面器を投げつけて大きな音を出そうかとも思ったが、嘔吐するときの必需品だから離せない。

 

 

「オトーサン!」と何度も呼ぶものの、力ない声では届かない。部屋の入口まで移動して廊下近くに行けば聞こえるはずだが、その1メートル50センチの移動が出来ない。

 

 

何度呼んだだろうか?だんだん声を大きくしてオトーサン!と叫んだらやっと気が付いてくれた。驚いているダンナに助けてもらって動きかけたら強烈な吐き気で嘔吐した。

 

 

何度も嘔吐して胃の中が空っぽになったら吐き気が少し治まった。固いフローリングの床にへたり込んだままだったので、せめて寝室の絨毯の所まで移動したくてまたダンナに引っ張ってもらった。

 

 

できるだけ頭を動かさずにお尻と足でにじり進みながら何とかたどり着き、ベッドにもたれて絨毯の上に座った。

 

 

ダンナに洗面器の中味をトイレに流してもらったり、水を持ってきてもらたり、もう一つの洗面器(排便したくなった時に使う)を取りに行ってもらったり、トイレットペーパーを持ってきてもらったり…。

 

 

それらを全て座っている所から手の届く範囲に揃えて、携帯電話も置いた。その頃には少し楽になったので、大きなクッションをを枕にして横になることが出来た。

 

 

横になってからはずいぶん落ち着いたので、部屋を暗くしてドアを開けて廊下の明かりをつけたまま、ダンナには部屋に帰ってもらった。私はその姿勢で眠りについたのが12時前だった。

 

 

夜中の3時過ぎに目覚めた時はもうめまいも吐き気も無くなっていて、トイレにも歩いて行けた。明るい廊下の突き当たりのダンナの部屋はドアを大きく開けていた。

 

 

廊下の電気を消して、寝室のドアを閉めてベッドの上で眠りについた。朝までよく眠れた。

 

 

〈メニエルが再発したのだろうか…〉と考えるも、症状的に当てはまらないような気がしていた。原因として唯一考えられたのが、就寝前に服用したリウマチ治療薬のリウマトレックスだ。

 

 

嘔吐して薬も吐いたあとに楽になったので、それが原因に違いない。クロゼットにもたれて原因を考えている時にもそう思っていた。10年も服用している薬なのに今さらこんな副作用が?

 

 

これまでにも同じようなことがあったのを思い出した。5年前、メキシコ高原で3週間の滞在中、このリウマトレックスが強く作用して一日中ベッドで過ごした日があった。滞在中はこの薬を服用しなかったが、帰国して主治医に話したら「賢明な判断でした」と言われた。

 

 

高山病になりやすい体質だったのでその対策はして行ったが、その標高(1800m以上)ではやはり身体の負担が大きかったようだ。

 

 

今回のことをつらつら考えてみた。急に真夏の暑さになって浮腫みがひどくなって、一週間で体重が1キロ増えていた。≪暑気あたり≫のようでもあり、とても疲れを感じていた。

 

 

体調が良くなかった上に、なんとリウマチ治療薬(リウマトレックス)を服用する曜日を間違えていたのだ!

 

 

以前の大学病院では木曜日点滴だったので金、土曜日にリウマトレックスを服用していた。大津日赤に転院してから金曜日点滴になったが、主治医は同じ日にこの薬を飲んでも問題ないと言っていた。

 

 

しかし、点滴後に様々な症状が出て影響が残るので、服用日を日、月曜日に替えていたのだ。しかし、十年間もの習慣は恐ろしい。

 

 

それをすっかり忘れて、金曜日の夜に急に、〈今日は金曜日かぁ。朝の薬を飲み忘れていたなぁ〉と思って、〈朝の分を半日遅れで飲んでおこう〉と入浴後に飲んだのだ。

 

 

体調が悪いことと日にちを早めて服用したことが、ひどい副作用を引き起こす原因だったようだ。

 

 

薬を飲んだかどうかの記憶が不確かなことが増えてから、薬のケースには必ず服用後のカラを残しておいて、寝る前にそれをケースから取り出して、次の日の朝昼晩の薬を準備しておく。そして翌朝に初めて前日の薬のカラを捨てるようになった。

 

(薬ケース:ずいぶん前の写真)

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それに今回もきちんと服用日を記入しておいたはずなのに、それを見もしないで思い込みで飲んでしまったのだ。

 

 

 

リウマトレックスという薬について:

 

主成分のメトトレキサートは、もとは抗がん薬(葉酸代謝拮抗薬)として認可された歴史ある薬剤です。関節リウマチのほか、膠原病、胞状奇胎、また、比較的大量を白血病やリンバ腫の治療に用いることがあります。

 

メトトレキサートでもっとも良くある副作用は嘔気、嘔吐、肝機能障害(肝臓の荒れ)です。これらの副作用は内服量が多いほどおこりやすいことが知られています。

 

注意が必要なケース..間質性肺炎など肺の病気または既往歴のある人、感染症、結核にかかったことのある人、B型またはC型肝炎ウイルスをもっている人高齢の人など

 

 

10年間服用し続けているから安心なのではなく、私はもう高齢者なのだから、服用量など再考しなければならないかもしれない。

 

 

今回の件で痛感したのは、我々は高齢者夫婦なのだということ。この夜の災難も私が勘違いしたことが原因だ。体力も判断力もかなり低下して鈍くなっていることをもっと現実的に自覚すべきだと思った。

 

 

どちらにも起こりうることで、とっさの連絡手段の携帯電話は家の中でも携帯しておいた方がいい。そして、保険証など救急や入院のための準備を整えておくこと。

 

 

私がダンナにすべてを指示をして手伝ってもらったが、なんせ想像力に欠けた人だから、どうしたらいいか、何が必要かがわからずに、ただただ「何でやろ…」「なにが起こったんやろ…」とぶつぶつ言っていただけ。

 

 

「どこどこにある何々を持ってきて」と指示しても、正確に伝えないと、違う所を探して違うものを持って来る人なのだ。水を持ってきてと言えば2リットルのペットボトルだけを持って来るような…。

 

 

しかし、一人暮らしではどうすることもできなかっただろう。

 

 

とにかく我々は、自分の気持ちや頭で考えているほどは若くないことを肝に銘じなければならない。ダンナが危機感を持ってくれたようでこのこともいい教訓になったと思う?…思いたい。

 

 

それと、元気そうに見えている私だが、やはり病人だということだ。

 

 

二日経った今日、こうしてパソコン前でキーボードを打てるほど回復した。