やはり認知症に敏感になってくる。
前回のブログにも書いたが、同世代の友人の単なるポカミスを、まず〈もしかして…〉と疑うようになった。
私の周りだけではなくストレッチ教室のお姉さま方にも、必ず1人や2人は認知症になってしまった友人・知人がいる。それぞれの認知症の人たちのエピソードをすり合わせては、《どうしたら認知症にならずにいられるか》を良く話し合う。
以下のような生活をしていれば認知症にはなりにくいと以前は思っていた。
☆ 人と常に接していて社交的である
☆ (刺繍やパッチワークなど)手先をよく使う
☆ 料理をする(段取りしながら行動することが脳の刺激になるらしい)
☆ 同居の家族が居る
しかし、これら全てに当てはまるのに認知症になってしまった人もいて、我々の間では《いつ誰が認知症になってもおかしくない》という結論に達している。また、《お互いに異常を感じたときには正直に言い合おう》とも。
かかりにくい習慣としてネットに書かれていたものを貼り付けた。
1.食習慣 | 野菜・果物(ビタミンC、E、βカロチン)をよく食べる |
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魚(DHA、EPA)をよく食べる | |
赤ワイン(ポリフェノール)を飲む |
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2.運動習慣 |
週3日以上の有酸素運動をする |
3.対人接触 |
人とよくお付き合いをしている |
4.知的行動習慣 | 文章を書く・読む、ゲームをする、博物館に行く など |
5.睡眠習慣 |
30分未満の昼寝 起床後2時間以内に太陽の光を浴びる |
ところで、認知症になってしまった友人のFさんやSさんについてブログの記事に書いているが、実は〈匿名とはいえ不特定多数の人が読むブログに彼女たちの病状を書いていいのだろうか?〉ということが今更ながら気になってきた。
弁解になるが、このブログの存在は家族の誰にも知られていないし、教えたのは信頼できる友人だけで、彼らはFさんやSさんとは全く接点が無い。私との交流の中での経験を備忘録として書いており、守秘気味のある情報を公開しているわけではないので良しとしようと思う。
3月以来全く連絡がなかったSさんに6月中頃電話してみた。Sさんの口調は丁寧で、話の内容は当たり障りがなく、電話の相手が私だとは認識していなかったようなので、早々に電話を切った。この時〈Sさんの記憶からはもう私の存在が消えたのだろうか?〉と暗澹たる思いだった。
ところが、7月初めに何回も着信履歴があったので折り返し電話をしてみると、私に電話をした理由が「お手紙をいただいたから…」というものだった。調べてみると、私がSさんに手紙を書いたのは3年前の3月だ。
何年も前に出した手紙を見つけて連絡してきた大学の教授がいたが、また同じようなパターンで驚いた。電話の着信の名前を見ても認識できないようでもあり、手紙にしても日付を見ればわかることなのに…と思う。しかしそんなことが出来なくなるのが認知症なのだ。
この時の電話での会話はすでに私が知っていることばかりで、話が延々と続きそうになり、1時間ほど聴いて、「○時に電話がかかってくる予定なので今日はこの辺で。また連絡しますね」と半ば強引に切るしかなかった。
それから1週間後にまた電話がかかった。この時は意外に話が通じて、日常の生活について息子さんのことやご主人のことを饒舌に話していた。語彙も豊富で適切で、以前のSさんを思い出させるものだった。
病院での受診について尋ねると、投薬されたお薬の名前まで自ら口にしたので、話を聴きながらネットで調べてみると、やはり認知症治療薬だった。しかもその薬は軽度の認知症には効果がなく、中度から重度の認知症患者に処方されるもののようだ。
「脳神経外科で受診したが、今さら開頭手術なんてされたらかなわない」「身体は元気なんだけど頭があんまり元気じゃない」「自分の不甲斐なさに愕然とする」と、自分の能力の低下を意識しつつ【認知症】という言葉を避けていることがよくわかった。
処方されたお薬は副作用もないのでキッチリ服用している様子。その効果なのか、久しぶりに本来のSさんと話が出来た気がする。
近いうちにSさんを訪問しようと思う。