先日友人Ｙさんとファミレスでランチの約束をしていた。
Ｙさんから「△日の１１：００はいかが？」とお誘いがあったのは十日以上前。いつも同じ場所で同じ時刻の１１：３０に会うのに〈今回は１１：００か。早いなぁ。午後から用事があるのかも…〉と思っていた。
私はいつもファミレスには早めに出かけてドリンクバーを注文して本を読んでいる。最近は寝る前の読書時間もどんどん短くなってきて、１ページも読まないまま電気も点けっぱなしで寝落ちしてしまうことが増えた。こういう時はゆっくり読書できる良い機会なので読みかけの本を必ず持参する。
１０時半にはファミレスに到着してカフェラテを飲みながら（まだ午前中なのでカフェインの影響は少ないかと…）読みかけの文庫本を読み始めた。
約束の１１：００になってもＹさんは現れず、１１：１５ごろには〈もしかしたら１１：３０と思っているかもしれない〉と考えた私は１１：３０まで待ってみた。
１１：３０になっても現れず、１１：４５には〈最近疲れていると言ってたから何かあったかもしれない…〉と、ラインを送った。なかなか既読にならないので〈家で倒れてるかも…）とご主人にショートメッセージを送ってみようと書きかけたが〈いや、まずは本人に電話してみよう〉と電話した。
電話をした時はすでに１２：００。
私 「もしもし、ぽんたですけど」
Ｙさん 「ああ、ぽんたさん。こんにちは」〈…えーっ！何？この普通の応対〉
私 「約束してたん今日やろ？」
Ｙさん 「あっ。わーっ。今起きたとこなん。ごめん！今から５分で出ます」
《ブルータスよ、お前もか？》。一瞬また一人親しい人が認知症になったかと思った。
急いで来たのが良く分かった。スッピンで〈それ寝る時に着てたん？〉と思うようなシミの付いたヨレヨレのＴシャツでやってきた６８歳のＹさん！〈今さら５分や１０分。もうちょっと身支度整える時間くらい待ったのに…〉
疲れを取るために入眠剤を飲んで寝過ごしたらしい。「ホンマにゴメン」と平謝りのＹさんだったが、私は本がたくさん読めたので遅れてきても全く問題なし。何かあったかと心配しただけ損をした。
待ちぼうけしてしまったのには前段階がある。
去年の暮れに誘ってくれた友人Ｋさんは、これまた「△△日の１１：００に〇〇駅の改札口辺りで」と自分から日時と場所を連絡してきた。
６月１０日生まれのＫさんは日頃から「私は時の記念日に生まれたので時間には正確で、約束の5分前には必ず到着している」と言っていた。それまで何回も会っているが遅れてくることは無かった。
その日、近くにデパートもあるので早目に行ってウィンドウショッピングをし、約束時間の５分前には指定の場所で待っていた。
ところが５分前はおろか、５分過ぎても姿を現さない。日時を間違えたのかと届いていたメールを確認するも間違いなく今日の１１：００と書いてある。
数年前、約束時間に現れなかった友人Ｆさんが認知症だと気がついた時のことを思い出した。だからこの時も《ブルータスよ、お前もか》と認知症を心配したのだが…。
１５分が過ぎた頃にメールを送ってみたが返事がない。そうこうするうちに１１：２５になって、Ｋさんが姿を現し、「久しぶり～」と機嫌よく近づいてくる。〈この人１１：３０に約束したつもりやったんやなぁ〉
私 「さっき送ったメール見た？」
Ｋさん 「知らん。送ってくれたん？」
私 「今日１１：００の約束やけど…」
Ｋさん 「１１：３０に改札口と書いてメール送ったやろ？」
私 「私に送ったメール見てみ」
Ｋさん 「ほんまや！１１：００って書いてるわ私」
約束の時間が守れないとすぐに【認知症】に結び付けるようになってしまっているが、年取るほどに【思い込み】と【カン違い】も増えてくる。
それに、人と約束をしていたらどんな連絡が入るかわからないのだから、携帯のチェックくらいはするべきかと…。しかし携帯電話との付き合いは人それぞれだからなぁ。
前述の友人Ｙさんをファミレスで１１：３０まで待ったのは、Ｋさん（６６歳）とのこの経験があったからだが、Ｙさんは「ゆっくり喋りたかったので１１：００の約束をした」そうだ。
これからは楽天のホテル予約確認メールのように、約束の７日前と前日に、いや当日の朝にもリマインドメールを送った方がいいかもしれない。