コスタ・デル・ソル(2)レストラン「アカフトラ」とラ・プンティーヤ | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルに単身赴任中。
気候がいいので日本よりよほど健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意しなければならないのは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

(エルサルバドルの)コスタ・デル・ソルの続きです。

 

 

3月2日(土)。朝8時前に起きてビーチに出ると、既に太陽はこの位置まで昇っていて、雲一つない透明な空から灼熱の眩(まぶ)しい光を浜や海に浴びせかけていました。

 

 

波の高さは1m程。この広い太平洋に面した海岸としては、穏やかな方なのかもしれません。

 

 

宿から浜へ出る所にあるフェンスには、「どうして野犬に餌をあげてはいけないのか」という掲示がありました。その理由は、

・野犬に餌をあげると、その野犬が餌をもらった場所を自分のテリトリーにすることを助長する。そして他の犬や人に対して攻撃することがある。

・犬に餌をやってそのままにしておくと、寄生虫による感染症のもとになったり、狂犬病のもとになったりすることさえある。獣医に連れていく飼い主がいないので。

・野犬に餌をやったら、その犬を自分の家に引き取って飼うこと。その犬の運任せにして放っておかないように。

とあります。よく見ると綴りの誤りが2か所ありますし(誤:pudiendo → 正:podiendo、誤:veretinario → 正:veterinario)、スペイン語としてもやや不自然な所がありますので、ネイティブが書いたのでないか、あるいはネイティブでも文章を書くのが下手な人が書いたものと思われます。

それはともかく、この国には驚くくらいに野犬が多いですが、それは人々が餌をあげているからであって、それは決して良い事ではないというのは正しいと私は思います。

 

 

宿が提供する朝食のオプションの中で、私はパンケーキすなわち和製英語でいうホットケーキを注文しました。生クリームが添えてあります。蜂蜜をかけて、私の常套表現を使うならば、「無難な美味しさ」です。

 

 

サーフィン好きのN君が「コスタ・デル・ソルの波はすぐ崩れるので波乗りには向かない」と言っていましたが、確かにそうです。彼はラリベルタ県のエル・トゥンコに頻繁に通って、そこの波に乗っています。

ここは、ラリベルタ県のビーチよりも、どちらかと言うと家族連れや中高年の割合が多いという印象です。

 

 

昨年行ったガラパゴス諸島だけではなく、エルサルバドルの海岸でもペリカンが飛んでいます。カッショクペリカン (Brown pelican) です。アメリカ、中米、カリブ海、南米北部の主に沿岸地域に広く分布しています。

 

 

アメリカオオアジサシ (Royal term) もたくさん飛んでいました。この鳥もアメリカから南米にかけて分布し、その分布域は上のカッショクペリカンとかなり重なっていますが、それに加えてブラジルからアルゼンチンの大西洋岸にも分布しているようです。

さて、それでもビーチに来たのだから少しでも海水に浸かろうと思って、海水浴パンツを着ていざ波打ち際へ。

これが遠浅のように見えて、実際、けっこう遠浅なんですが、突然数十センチ深くなっていたり、波が引く時の力がかなり強かったりして、油断していると意外と危険かもしれません。注意しなければなりません。また、時々強い波に押し流されそうになるので、少々踏ん張らなければなりません。あるいは、知らないうちに沖に流されないように、適当な所で岸に向かって少々泳いでいく必要があります。

……と思っていたら、気が付くと、あれっ、眼鏡がないっ!

もともと外れやすい眼鏡で一昨年の暮れにスキーに行った時も外れまくったのですが、波に揉まれているうちに、海の中で落としてしまった! これでは探しようががありません。下手に探していて溺れてしまったら大変です。

頭が潜らない程度に水に浸かろうと思っていて、眼鏡をかけて海に入ったのが失敗でした。ちょっと大きな波が来て頭部が一瞬入ってしまった、そんなのが何回かあった中の一回でさらわれたのでしょう。

あえなく10分ほどで退散です。

すぐにホテルに戻って、停めてある車の中に置いてある予備の眼鏡を取り出して付けました。でないと、右も左もぼやけた世界が。

そして午後1時前にチェックアウト。

コスダ・デル・ソルは砂州が約15キロも続く長い砂浜です。なのでホテルやロッジ、レストランも長々と続き、その数は相当なものになります。

 

 

本日の昼食に選んだレストランは、日本人同僚である呑兵衛の(←今までの記事にも散々こう書いているのにくどいって?)N君が薦めたアカフトラ (Acajutla)。チェーン店で、7年前にサンサルバドルのサンベニート地区にある店に入ったことがあり、その時は脂っこくてそれほど美味しいとは思わなかったのですが、彼に言わせると、「コスタ・デル・ソル店は美味しいし、何より(砂州によって出来た入江の内側にあるので)波が穏やかでそれを眺めながら見るのがいいです」と。

 

 

確かに波は穏やか。このように、入江に向かって突き出した四阿(あずまや)――軒が四方に延びているわけではありませんが――の席もあります。

この店に来ている客も、中高年のグループや家族連れが多いです。

店に入った時には、私もCDを持っているファン・ルイス・ゲーラ (Juan Luis Guerra) の 「El Niagara en Bicicleta(自転車のナイアガラ)」が静かに流れていましたが、メレンゲがもう一曲流れたところで、機器が故障したのか音楽は止まってしまいました。

 

 

私は陸地の母屋にあるテーブルに座って、市川伸一『学ぶ意欲の心理学』(PHP新書)――これは趣味の本というより仕事の資料に近いですが――を読みつつ、ピニャコラーダの、車の運転があるからノンアルコールを飲みました。3.50ドル。

これが結構美味しい。本来はアルコール飲料なのにノンアルコールでも私が美味しいと感じる飲み物は、そうそうないです。

 

 

食べたのはスパゲッティ・ア・ラ・マリネラ (Espagueti a la Marinera)、13.95ドル。魚、エビ、カニ、イカとシーフードがふんだんに入っています。それにホワイトクリームかガーリックの選択で私は前者を選びました。オリーブ油にコリアンダーが少々。その代わり、添え物にはガーリックパンを選択しました。

見ただけで豪勢な感じでしょ? 実際、意外とボリュームもあって、これだけでお腹がいっぱいになるところ、写真の奥にある貝のセビーチェ(シングルサイズ、7.95ドル)も頼んでしまったもんだから、食べ過ぎてしまいました。

それにしても、どちらも絶品。特に貝が美味しい!

この店を紹介してくれたN君の味覚を、正直言って私は普段疑っているのですが、この時だけは彼の証言を認めましょう。

食べ終わった頃に、メキシコの演歌とでも言いましょうか、ランチェラが流れ始めました。

 

 

さてさて、満腹の状態で、向かうは砂州の先端、その名もラ・プンティーヤ (La Puntilla、「先端」)

手前の駐車場に停めて徴収された3ドルは、ややぼったくり気味ですな。

 

 

入江の対岸まで泳いで行けそうですが、ボートがたくさん往来しています。

 

 

浜茶屋が立ち並び、リゾートホテルの点在する他のエリアと比べてかなり庶民的な感じがします。実際、客層も、それほどリッチに見えない人々が中心です。

 

 

穏やかで浅そうな波打ち際ですが、ちゃんとこのように、「海水浴ゾーン (ZONA DE BAÑO)」、「注意して(海に)入ること (INGRESE CON PRECAUCIÓN)」と書かれた旗が立っており、ちゃんと管理されている感じがします。監視員も数人いました。

遠浅だと思って油断して水に浸かっていて、眼鏡を波にさらわれてはいけませんからね。プレカウシオン(注意)!

この連載の最後である次の記事では、2日目に泊った宿をご紹介します。